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世界初!CO₂が出ない
アンモニア専焼ガスタービン発電(後編)

IHIグループが世界で初めて達成したアンモニアのみを燃料にした火力発電。
後編では、これまでの道のりと今後の展望を、アンモニアバリューチェーンプロジェクト部の加藤主幹に伺います。

将来の社長
加藤くん、前編に続き、よろしく頼むよ。

加藤主幹
よろしくお願いします。

将来の社長
世界初のこの技術は、2013年から開発を始めたってことだけど、これまでの10年間、何をしてたの?

加藤主幹
最初は、「アンモニアは本当に燃えるのか?」という所からスタートしました。

将来の社長
えぇ!? そんな初歩的なことから?

加藤主幹
アンモニアは燃料として利用された実績がほぼなく、"燃焼"に関する基礎的知識が圧倒的に不足していました。教科書にも「燃えるらしい」と書いてあるだけで(笑)。私たちは、小さな実験室にアンモニアのガスボンベを持ち込み、チャッカマンで火をつけるところから始めました。

将来の社長
理科の実験みたいだね。

加藤主幹
1つひとつトライ&エラーの繰り返しで、自分たちで「アンモニアの教科書」をつくる感覚でした。アンモニアを燃料とした実績がないので、大きな試験設備をつくる際の申請も、なかなか許可が下りずに苦労しました。

将来の社長
本当に、ゼロからの挑戦だったんだ...客観的に見れば、10年で、よく達成できたね!

加藤主幹
IHIには、ジェットエンジン開発で培った高圧燃焼技術や試験設備・ノウハウが揃っているので、開発スピードを上げることができました。

将来の社長
これまで培った別の技術や経験が活かされる。まさに「技術と叡智のIHI」だね。よし、その勢いで実用化まで突っ走ってくれたまえ!

加藤主幹
はい!と言いたいところですが...耐久性の確保や、発電所の要求基準をクリアする、もっと排気ガスをクリーンにするなど、さらに取り組んでいかなければならない技術的課題があるのです。また、アンモニアは腐食性があり、既存のバルブやポンプの中には使えないものがあり、アンモニアに対応したパーツも必要になります。アンモニアを安全に使うためのノウハウ蓄積も大切です。

将来の社長
いろんな所にハードルがあるんだね...

加藤主幹
はい。でも、そのハードルは、越えていけると思います。10年前ならアンモニアを燃料として使う話を機器メーカーに持って行っても門前払いでしたが、今は、興味を持ってくれるメーカーが増え、協力も得やすくなっています。エネルギー基本計画に「アンモニア」という単語が出たことは、日本の関心の高さを表していると思います。

将来の社長
良い流れが来てるの?

加藤主幹
来てます!まずは、耐久試験を行い、運用に問題がないか確認していきます。そして、これまで開発してきたものより、もっと大きなガスタービンでもアンモニアが使えるようにする研究開発も進めていきます。その上で、燃料を、ブルーアンモニア*¹・グリーンアンモニア*²に切り替えることで、燃料製造から発電までの全工程でCO₂を削減していきます。

将来の社長
将来から来た者として、キミたちは頼もしいよ!IHIは、CO₂を出さない火力発電の実現に向けて、

加藤主幹
今日も動いています!

天然ガス100%燃焼と、アンモニア100%燃焼の火炎の違い

天然ガス100%とアンモニア100%の炎を比較すると、燃料の違いで炎の色が異なることがよくわかります。



※もっと詳しく知りたい方は、こちらへ
【IHIとGE、アンモニア専焼大型ガスタービン開発に関する覚書を締結】

*¹ 天然ガスや石炭などの化石燃料を原料とし、製造過程で排出されるCO₂を回収、排出を実質ゼロにして作られたアンモニア
*² 再生可能エネルギーを用い、製造過程でのCO₂発生を伴わないアンモニア

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