2022年6月、IHIグループは、ガスタービンで液体アンモニアのみを燃料にしたCO2フリー発電に世界で初めて成功。将来の社長が、プロジェクチームのひとり、アンモニアバリューチェーンプロジェクト部の加藤主幹に話を伺います。
将来の社長
加藤くん、キミたちは凄いことをやってのけたようだね!
加藤主幹
将来の社長、ありがとうございます。2013年から技術開発を続けてきたので、やっと光明が見えた思いです。
将来の社長
アンモニアのことは、以前、「アンモニア混焼」の紹介で勉強したよ(詳しくは、こちら)。
加藤主幹
アンモニア(NH3)は燃やしても都市ガスと比べて、発熱量は半分以下、燃焼速度も1/5と遅く、安定した火炎をつくるのが難しく、これまで燃料として利用されることは、ほぼありませんでした。また、窒素原子(N)が含まれているので、燃焼時に強い温室効果を持つN2Oが発生する問題もありました。
将来の社長
それらの難題を解決できたんだね?
加藤主幹
はい。ガスタービンの燃焼器内部は、部分的には台風以上の風速になります。その環境下でも、燃えにくいアンモニアで安定した火炎をつくり、未燃アンモニアとN2Oの排出を削減。アンモニアだけを燃料とした2,000kWの発電に成功しました。
将来の社長
つまり、アンモニア火力発電の実用化が見えてきたってことだね!
加藤主幹
はい。未燃アンモニアやN2Oの発生もほぼゼロとなり、天然ガス焚きガスタービンと比べた温室効果ガス削減率は99%以上となりました。
将来の社長
すごいぞ! ノーベル賞を取れるんじゃない!?
加藤主幹
いえいえ(笑)
将来の社長
少なくとも、「将来の社長賞」はあげるよ。はい、どうぞ。
加藤主幹
ありがとうございます! 家宝にします!
将来の社長、本当の実用化には乗り越えるハードルが残っていますから、まだ満足するわけにはいきません。
将来の社長
技術の道には終わりなし...か。
よし、これまでの開発の道のりを詳しく聞かせてくれたまえ!
加藤主幹
はい。それは、次回に!
※もっと詳しく知りたい方は、こちらへ
【IHIとGE、アンモニア専焼大型ガスタービン開発に関する覚書を締結】