IHIグループは、世界各地でさまざまな吊橋・斜張橋の建設に取り組んできました。今回はIHIインフラシステム(IIS)の島さんに橋梁事業について話を伺います。
将来の社長
島くんは、橋に詳しいそうだね。今日は、いろいろと質問させてね!
島さん
はい。長年、橋の建設に携わってきましたので、何でも聞いてください。何でもお答えします!
将来の社長
じゃあ早速、素朴な疑問なんだけど、『吊橋』って、何で上から吊るしてるの?見た目がカッコイイから?
島さん
正解!と言いたいところですが、それが理由ではありません。短くて小さい橋は下からも支えることができますが、長くて大きな橋になると橋桁(道路となる部分)の重さが凄まじく、その重さに橋自身が耐えられないので、丈夫な支柱を立てて、そこから橋桁を吊ることで、橋として自立できているのです。
将来の社長
登山道なんかにかかってる吊橋って、すごく揺れるイメージだけど...なんで大きな吊橋は揺れないの?
島さん
さすがは将来の社長! 鋭い質問ですね。大型の橋も強風が吹いたり、地震があると大きく揺れるんです。だから、揺れを吸収したり、揺れを最小限にするような、いろいろな技術を使っています。
将来の社長
そうだった!それ、多々羅大橋の時に、大口くんに教わったのを思い出したよ。ダンパーとか、ストッパーとか使ってるんだよね?
島さん
すごい記憶力ですね!
将来の社長
まだ若いからね。今日は、橋のもっと初歩的なことを教えて!そもそも吊橋って、どうやって吊られているの?
島さん
主塔と呼ばれる柱と柱の間に渡したメインケーブルから、または、柱自身から引っ張って吊っています。言葉だけの説明では難しいので、下の図を見てください。
上が吊橋です。柱と柱の間にとても丈夫なワイヤー(メインケーブル)を渡し、そのワイヤーから橋桁を吊っています。
下も広くは吊橋の一種ですが、こちらは斜張橋と呼ばれています。横浜ベイブリッジはこの形を採用しています。斜張橋は柱自身から橋桁を引っ張る構造です。IHIグループは、こうした大型の吊橋や斜張橋の海外実績も多くあります。
将来の社長
例えば、どんな国でつくったの?
島さん
我々が海外で手掛けた最大の吊橋は、トルコのオスマン・ガーズィー橋です。全長2,682mで、完成当時は世界第4位の長さ。42カ月の工期で完成させました。
将来の社長
海の上に、こんな大きな吊橋を3年半でつくったの!?
島さん
はい。IHIグループの技術を結集して、現地の建設会社の尽力もあり、できたことです。ベトナムでは、斜張橋のニャッタン橋をつくりました。主塔が5本続く、世界的にも珍しい形をしています。
将来の社長
うわぁ〜カッコイイね!
島さん
ありがとうございます。また、古くは、1983年完成のコンゴ民主共和国・マタディ橋の建設にも携わりました。この橋は、2018年に別の橋が開通するまで、アフリカで最も長い橋でした。現在もその補修作業などでIHIグループが関わっています。
将来の社長
1983年って、40年前だね。ボクが生まれるうんと前だし、ボクのお母さんも生まれてないかも...
島さん
私たちは、国内では140年以上、海外では50年以上、橋をつくってきた実績があります。
将来の社長
そんな昔から!?ボクのお爺ちゃん、曾祖父ちゃんが生まれる前から?
島さん
そうなります。
将来の社長
ちょっとちょっと、俄然、興味が湧いてきた!もっといろいろ教えてよ!
島さん
はい。それでは、次回に!
将来の社長
えーっ!?
(後編に続く)