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世界に希望を架ける日本の長大橋技術(後編)

前編ではIHIグループが得意とする吊橋・斜張橋についてIHIインフラシステム(IIS)の島さんに伺いました。後編では、橋梁事業の目的や長大橋の生むさまざまな効果について伺います。

将来の社長
前編で、島くんは「何でも質問してください」って言ったよね?

島さん
はい。言いました。

将来の社長
じゃあ、教えて。そもそも、なぜ橋をつくるの?川や海を渡るのに便利になるからだよね?

島さん
橋梁建設の目的は、急流な河川を船で渡るよりも安全な移動が可能になることだったりと、状況によっていろいろありますが、主には、社長のおっしゃった「利便性」です。橋が開通すれば、対岸までの移動に掛かる時間が大幅に短縮されます。例として、トルコのオスマン・ガーズィー橋を見てみましょう。

オスマン・ガーズィー橋

最大都市イスタンブールと第3の都市イズミルを結ぶ高速道路にあるこの橋はイズミット湾に架かる全長2,682mの吊橋です。この橋の建設以前は、湾の対岸まで渡るにはフェリーで90分、陸路で60分掛かっていました。今、オスマン・ガーズィー橋を車で渡れば6分です。船に比べると1/15の時間短縮です。

将来の社長
それ、片道の数字だよね?毎日フェリーで往復してる人がいたら、月曜から金曜の平日5日間だけでも840分、14時間ほどの短縮になるね。

島さん
すごい!暗算が得意なんですね!

将来の社長
いや、電卓を使ったよ。しかし、これだけ時間が短縮されたら、人だけじゃなく、モノもたくさん行き来するようになるね!

島さん
その通りです。大きな橋になると周辺地域に生む経済効果も大きいと思います。また、毎日、車で片道60分走っていたものが6分で済むとなれば、そこを通る車全体で見れば、エネルギー消費量とCO2排出量の削減にも大きな効果が期待できます。

将来の社長
所要時間、使用エネルギー、排出CO2、すべてが減る。一石三鳥じゃないか!

島さん
まだあります。こういう海外の大きな橋梁建設プロジェクトは、現地で多くの雇用を生むと同時に、我々にとっては技術の継承の場にもなります。

将来の社長
技術の継承?

島さん
はい。日本国内では明石海峡大橋(98年)や来島海峡大橋(99年)以降、大きな橋の建設はありません。長大橋をつくる特殊な技術は使わなければ、継承されずに次第に失われていきます。海外でその技術を使うことで、次の世代へ継承されていくのです。

将来の社長
「技術と叡智」のIHIなんだから、ボクが本物の社長になるまで、ちゃんと継承してね!

島さん
はい。ちゃんとつないでいきます。

将来の社長
じゃあ、海外での長大橋の事業は、今後もあるんだね?

島さん
はい。現在、いくつかの国で建設が同時に動いています。北欧ノルウェーでは、フィヨルドを跨ぐ長大橋案件がいくつも予定されています。このプロジェクトは20年間に渡るもので、いろいろな最新技術が使われる予定です。

将来の社長
20年間!? 最新技術!? それは、ワクワクするね!

島さん
もしかしたら、20年後には将来の社長が、本物の社長になっているかもしれませんね!

将来の社長
30代で社長!?...ちょっと早すぎない?

島さん
そうですか? 将来の社長なら可能だと思いますよ。以前、「10年ひと昔」という言葉がありましたが、今は、もっと短い期間で、大きな変化が起こっています。20年も経てば、いろんな常識が大きく変わっていると思います。

将来の社長
島くん、今、ボクは自分の言葉を反省してるよ。強い者が生き残るのではなく、変化できた者が生き残ったとダーウィンが言ってるね。IHIも、時代の声に応えて業態を変化させ続けてきたしね。

島さん
さすがは将来の社長!自社の歴史にお詳しいですね!

将来の社長
ボクも過去の常識や当たり前に囚われないように、どんどん変化していき、30代で本物の社長になれるように、頑張ってみるよ!

島さん
頼もしいお言葉です。

将来の社長
キミたちも、その日が来るまで、社会のため、技術の継承のため、世界中に良い橋をつくり続けてくれたまえ!

島さん
はい!IHIグループは技術と叡智で、今日も明日も、世界中で変化し、動き続けていきます!

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