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踏切事故を防げ!(前編)

IHIグループは、3次元レーザレーダ(3DLR)技術を使った踏切事故防止の取り組みを進めてきました。将来の社長が、セキュリティプロジェクト部カスタマーサポートグループの小鷲さんに話を伺います。

将来の社長
小鷲くん、今日はよろしくね。

小鷲さん
将来の社長、よろしくお願いします!

将来の社長
キミのところはどんな技術を持っているの?

小鷲さん
我々は、踏切内に止まっている車両などの障害物を検知して、電車に知らせ、事故を未然に防ぐ技術について研究・開発を進めています。ご存知かと思いますが、レーザを使って障害物を見分ける技術です。

将来の社長
えっ、レーザ!? 監視カメラじゃないんだね。

小鷲さん
我々の検知技術では、レーザを使っています。レーザの技術を駆使して、踏切の監視に役立てています。24時間、自動検知できることも特長です。

将来の社長
レーザでは、距離を測るんじゃないの?

小鷲さん
その通りです!そこで、3DLRの出番です。

将来の社長
何かの略なの?

小鷲さん
「3次元レーザレーダ」の英語を略したものです。

将来の社長
キミたち世代は略すのが好きだね。会社名も「IHI」に略したしね。

小鷲さん
アハハハ...
3DLRは、上下左右に向きを変えながら何本ものレーザを放ちます。扇風機の首振り機能をイメージしてください。3DLRは横方向にレーザを放った後に、少しだけ上を向いて、再度、横方向に放つという動きを繰り返していきます。それで、3次元の位置情報データができます。

スキャンの様子・3DLRデータ スキャンの様子・3DLRデータ

将来の社長
なんとなく、大きさや形が分かるね。真ん中に写っているのは車かな?

小鷲さん
はい、ここでは車を検知しています。「何かがある」というだけでなく、「それがどのくらいの大きさなのか」についても見て取ることが可能です。また、積雪や雑草、小動物などに対しては反応しない仕組みを取り入れて、危険な接触事故に繋がる物体のみを検知するように改良を続けています。

将来の社長
どんな改良をしているの?

小鷲さん
レーザにも問題があります。レーザは対象物までの距離は測れますが、大きさなどの判別は難しいものがありました。社長、想像してください。もし、踏切内で高く伸びた雑草を3DLRが踏切で立ち往生した車両だと判断してしまったら...

将来の社長
信号が送られて、電車が止まっちゃうね。

小鷲さん
そうです。踏切事故は絶対に防ぎたいのですが、止まる必要のない時まで電車を止めてしまっては、運行に支障が出てしまいます。これを防ぐためには絶対にぶつかってはいけない対象物と、それ以外の、電車の運行を妨げないものを見分けることが必要です。

将来の社長
なるほど。その「見分ける技術」が重要ということだね?雑草の例えが出たけど、降っている雪には反応しないの?大雪の日なんか、レーザは遮られるんじゃない?

小鷲さん
さすがは社長、鋭い視点ですね!日本の積雪量は世界でもトップクラスなんです。降雪時の検知精度は大きな課題でした。これに関しては順次改良を重ねてきて、豪雪地帯で実証試験を行い、現在は、安定した検知性能が得られるようになりました。

将来の社長
ちゃんと実地で試験をしてるんだね。安心したよ。

小鷲さん
各方面から高い信頼を得たことで、世界で初めて3DLRを使った踏切障害物検知装置を製品化することができました。現在国内では2,500台ほどをすでに販売しています。海外でも使用され、評価されるようになってきました。

将来の社長
海外でも使われてるの!?

小鷲さん
はい。その話は後編でご紹介します。

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