設計
基盤技術部 電子技術グループ 工学府 機械システム工学専攻 修了
「未知の領域に魅力を感じる。 だから宇宙を選んだ」新たなチャレンジに溢れた制御ソフトウェア設計


01
宇宙に興味を抱き、 AIと機械学習を学び、再び宇宙の道へ
小さいころに家族で天体観測をしたり、宇宙の図鑑を買ってもらったりした経験から、中学生の時には宇宙工学を学びたいと考えるようになっていました。大学を選ぶ際にも宇宙を意識して選び、宇宙工学のサークルにも所属していましたが、大学院では興味のある技術分野を学びたいと考え、ロボット制御やそれに関連したAIや機械学習を専攻していました。宇宙やAI、機械学習など、まだまだ未知の部分が多く、解明や探求の余地がある分野には、とてもワクワクします。 就職活動では、IHIエアロスペースのインターンシップに参加しました。衛星を使った事業を自由に発想していくというオンラインプログラムだったのですが、担当されていた社員の方の話が興味深く、自由な雰囲気の中でこちらの発想を汲み取ってくださったことをよく覚えています。宇宙の可能性をさらに感じた経験となりました。 失敗が許されない宇宙の事業にはどうしても硬い印象がありましたが、新たな挑戦を後押ししてくれそうな雰囲気があったことと、自分自身も楽しみながら主体性を持って取り組める仕事がしたいと思い、以前から興味のあった宇宙事業の中でも、IHIエアロスペースへの入社を決めました。
02
なにもかもが未知の分野。 しかし、専門領域のプロによる丁寧なサポートがある
入社から一貫してソフトウェア開発のチームに所属しています。その中で私は、仕様検討から他部署との調整、コードの記述、検証やエラー修正、そしてハードウェアへの組み込みまで、「一通り経験していこう」という上司の方針から、いろいろな業務に関わっています。幅広く知識を得られるのは嬉しいですね。 私の所属しているチームには、組み込み系ソフトウェアや電子制御に関連する社内のあらゆる案件が舞い込みます。現在私は、宇宙機の自動ドッキング機構の組み込みソフトウェアと制御モデルの設計・開発を担当しています。ロケットに搭載した宇宙補給機は、国際宇宙ステーションにドッキングして補給物資の受け渡しを行うのですが、今まで手動だったものを自動制御にするというプロジェクトです。実証実験のあと、ゲートウェイへの物資補給を見据えています。また昨年度は、イプシロンSロケットのフライトソフトウェアにおいて、機能検証や異常検知・対処方法を明確化する作業も行っていました。 大学時代に学んだ制御系モデルの経験は生かせていますが、どれも未知の分野。課題に対し、まずなぜこうなっているのかという業務の背景の理解から始めなくてはなりません。コーディングの思想を把握することに時間がかかり、もどかしく感じることもありますが、理解できたときの達成感はひとしおです。 私の部署は、扱っているプロジェクトが多岐にわたることもあり、それぞれ得意な専門分野を持つプロフェッショナルがたくさんいます。分からないことがあれば質問しやすい雰囲気もあり、その度にたくさんの知識を授けてくださいます。上司の方針もあり、主体的に楽しく仕事ができています。

03
いつかプロジェクトを最初から手掛けたい。 それができる技術を身につけたい
今年の夏、ドッキング機構の一部機能でソフトウェアの実装を担当しました。出張先では実際にモータや通信装置が繋いであり、そこでソフトウェアが正常に動作するかを確認するためのデバッグを実施。他のファイルとのインタフェース箇所の不具合や、通信の仕様によるエラーが見つかりましたが、それを自ら解消して動かすことができました。ハードウェアを担当している部署に比べて、実際の現場に行くことは少ないですから、とても良い経験になったと思います。 私が所属する部署は、複数の事業や製品に関わることができるため、さらに新しいチャレンジもできています。例えば地上から宇宙物体の位置や軌道を把握するSSA(宇宙状況監視)は、スペースデブリによる事故を防いだり、防衛分野に活用されたりする技術で、提供データを高度化するためのツール開発を始めていくところです。 他には、将来高速輸送や宇宙旅行への活用が期待される有翼実証機にも関わっています。ジェットエンジンとロケットモータの両方を積む機体で、対流圏から宇宙空間まで航行できるもの。現在はサブスケール実験機による飛行試験の段階まで進んでいて、試験の方法を学んでいます。いずれも私は途中参加ですし、一つのプロジェクト期間が長いため、まだ最後までやり遂げた経験はありません。将来的には、新しいプロジェクトの立ち上げから関わり、中心となって推し進めてやり遂げる、そんな技術者になりたいと考えています。その中で、制御やAIといった専門領域を生かし、新たな宇宙ビジネスに繋げていきたいです。

休日・オフの過ごし方
車を購入したら、休日の過ごし方の幅が広がりました
通勤のために車を購入したので、気軽に思いつきでドライブに行くことができ楽しいです。地元である東京にもよく車で帰ります。群馬は星もよく見えるので、山の方まで星を見に行くこともあります。他にも、子どものころから続けているテニスで身体を動かしてリフレッシュするようにしています。 休みはプロジェクトに左右されますが、この日に休みたいと申請しておけば、有給休暇は取得しやすい環境です。また、悠々連休という連休取得制度を活用して、旅行に出かけたりもしています。

schedule
ある1日の流れ
8:30
出社、業務の確認
9:00
チームの定例会
9:30
作業(適宜打ち合わせ)
12:30
昼食
13:30
他部署との打ち合わせ
14:30
作業(適宜打ち合わせ)
18:00
退社