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※役職は取材当時のものです
今ここに居る意味 IHI代表取締役副社長 識名朝春
IHI代表取締役副社長識名朝春
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一番記憶に残っている仕事

今ここに居る意味

私が仕事をする上で、いつも意識してきたことがあります。それは、「今ここに居る意味」というものです。

私は自宅から大学に通っていましたが、就職の時期が近づく頃から、苦労して育ててくれた両親、特に母親のことが気がかりになってきました。出来れば近くに居て、寂しい思いをさせず、楽しい老後を過ごさせてあげたいと。

だから、福岡を離れてIHIへの就職を決めるまでずいぶんと悩みました。数年後に家族に大きな不幸があった際も、更に十年ほど経って母自身が難病にかかり余命僅かと分かった時にも、母の近くに居てあげるために退職することを真剣に考え、悩みました。

いずれも、最終的には会社に留まることを選択したのですが、それは素晴らしい上司や仲間、そして魅力ある仕事から離れることがどうしても出来なかったからです。しかし、その一方で母親のそばに居てあげることは出来ない。であれば、それを諦めてまで今ここに居る意味、IHIで仕事をする意義をしっかりと噛みしめながら仕事をしないと・・・・・・。ずっとそう思いながら、仕事に取り組んできました。

皆さんも、あらゆる選択肢の中からIHIで仕事をすることを選び、今の仕事に就いているわけです。だとしたら、選ばなかった他の可能性や諦めたいろいろな事を後悔することがないように、自分に胸を張れる仕事をしてほしいと思います。そして、幸運なことに、IHIはそれに値する仕事がたくさんある会社です。

 会ったこともない誰かの人生につながっているかもしれない

母のそばに居てあげられないという思いを、私の中で少し緩和してくれたのは、「飛行機」の存在でした。羽田から福岡までは飛行機で1時間半。何かあったらいつでも飛んでいける。

私は20代後半から十年ほど民間航空機用エンジンの開発に参加させてもらいました。50代になってからは、事業部長、領域長として開発、量産、整備といった広範な民間航空エンジン事業に関わってきました。

そういった仕事をする中で、常に私の心にあったのは、「飛行機の存在が自分の心と故郷をつないでくれたように、自分たちの仕事が世界の人たちにとっての『何か』をつなぐことになるんだ。」という想いでした。エンジンの性能向上、製造や整備に関わるコストの削減等を通じて、飛行機による移動が特別なものでなく、誰にとっても身近なものになる。

例えば、いままで長距離移動手段としてはバスや船、鉄道しかなかった東南アジアの地方に住み、広い世界に羽ばたき活躍する夢を持ちながらもそれはあくまで夢であり実現が難しかった若者もいるかもしれない。

でも飛行機による移動が身近な世界では、故郷とつながる飛行機の存在が、その背中を押すかもしれない。その若者を送り出す側の人たちの「切ない気持ち」や「寂しい気持ち」を少しでも抑え、「祝福の気持ち」に変えることが出来るかもしれない。自分たちの仕事の成果は、会ったこともない世界の誰かの人生にどこかで寄与する・・・・・そういう想いです。

これは航空機エンジン事業に限らず、IHIでの仕事は、全ていろいろな形で世界中の誰かの日々や人生とつながっているはずです。

仕事を通して社会に奉ずる

私は20代に英国駐在を経験させてもらいました。そこで次女も生まれ、大変思い出深い4年間でした。よく言われることですが、海外に駐在すると、日本人であることを意識し、「国」というものについて深く考えるようになります。私もそうでした。

折しも駐在期間も終わりに近づいた頃、日本は昭和から平成に変わることになりました。昭和天皇の崩御に関連して、英国では先の大戦に関わる特集番組が数多く放送され、その中には英国側からの一方的な見方ではないかと思わざるを得ないものもあり、ますます日本という国の存在が自分の中で大きくなりました。帰国後数年経ったころから、防衛事業を長年担当することになりました。我が国の安全保障に少しでも関わっているというやりがいと誇りを感じることができる素晴らしい仕事です。

そういうことが重なり、私の中で「IHIでの仕事を通じて、この国に奉ずる」というのが職業観の柱の一つになりました。もちろん、先に述べたように、世界中の人たちとつながっているという思いも、私が仕事をする上で大切にしてきた価値観です。

いろいろな形で世界中とつながっているIHIは、仕事を通じて社会とつながり、貢献できる会社です。私はそんな会社に勤められたことを大変幸せに思い、誇りにも思うと同時に、皆さんにもその手ごたえを感じて頂きたいと心から願っています。IHIはそれが可能な会社です。

入社当時の識名副社長 入社当時の識名副社長

Q.10年後のIHIグループは世の中でどんな存在であって欲しいですか?

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