技術開発への取り組み

　脱 CO2・資源循環型社会の実現に向けて、世界の自動車メーカーは、既存の内燃機関の効率改善、排気ガスクリーン化に加え、これまでのガソリン車やディーゼル車から、HEV（ハイブリッド車）、BEV（電気自動車）、FCV（燃料電池車）へシフトすべく、開発を進めています。

　IHIグループは、「社会課題起点・お客さま起点」の技術開発を目指しており、このような社会とお客さまの課題に対して、お客さまとともに真正面から取り組み、新たな価値を創造するよう、一丸となって取り組んでいます。

　内燃機関向けでは、エンジンの定格出力やシステムの動的応答を損なうことなく、CO2 排出量を削減する、ターボチャージャーRHZシリーズを開発しました。この開発において、長年のノウハウの積み重ねである解析技術を活用した限界設計に加え、モデルベース開発 ( Model Based Development：MBD ) を活用した最適化設計を適用し、高性能かつ、軽量コンパクトなデザインを実現しました。

　また、FCV向けには、オイルフリー電動ターボチャージャー（ETC）を2018年に製品化し、乗用車向けに供給しました。IHIは、FCV・定置式発電を含め、燃料電池システム用空気供給装置を約20年前から開発し、製品化を重ねてきました。これまでの事業分野を超えた製品開発として、車両過給機や航空機エンジン向けで培ってきた高速回転機械技術と、産業用分野で培ってきたパワーエレクトロニクス技術を融合させることで、超高回転かつ大出力のモーターの開発に取り組んでいます。

　車両用過給機をベースとした新たな市場の開拓に挑戦することで、持続可能なモビリティ社会の実現、さらには水素・燃料電池関連技術を通じてカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。