株式会社IHI 車両用過給機SBUサイト

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ターボチャージャーとは?

概要

 今や私たちの生活に欠かせない自動車。その多くは、ガソリンや軽油を燃料としたエンジンを動力源としています。ターボチャージャーはエンジンの動力・環境性能を向上させることに貢献してきました。


構造・機能

 エンジンは、エンジン内部に吸い込んだ空気と燃料を混合し、ピストンで圧縮・燃焼させることで、燃焼ガスが膨張してピストンを押し下げる力を発生させ、動力に変換します。より大きな動力を発生させるには、多くの空気と燃料が必要になります。より多くの空気をエンジンに送り込むために、過給(Supercharging)技術が使われてきました。

 ターボチャージャーは、エンジンの排気を動力源としたエンジンを過給する機械です。従来は車外に捨てていた排気ガスからタービンで動力を回収し、同軸につながったコンプレッサを駆動して、エンジンに圧縮空気を送り込むことができます。ガソリンエンジン向けターボチャージャーは、950℃以上の排気にさらされ、一分間当たり30万回転に届くような過酷な条件で使用される高速回転機械です。エンジンにターボチャージャーを装着する目的は3つあります。


出力向上:

同じ排気量のエンジンなら、より高出力になります。また、同じ出力・トルクを出すなら、エンジン排気量を小さくすることができます。エンジンを小さくすることで、エンジン周りのポンピング損失と機械摩擦損失を低減することができ、燃費向上にも寄与します。これが所謂「過給ダウンサイジング」です。加えて、ディーゼルエンジンや大排気量ガソリンエンジン、レース用エンジンなどでは,過給化やダウンサイジングにより車重軽量化も期待できます。


熱効率向上:

特にディーゼルエンジンでは、スロットルが無くターボとの相性が良いこと、異常燃焼の恐れもないため、熱効率が向上します。ガソリンエンジンの熱効率向上はストイキ燃焼による部分が大きく、ターボによるサイクル論上の熱効率向上効果は限定的になりますが、ダウンサイジングによるポンピング損失低減と合わせて、高い燃費向上効果が得られます。


排気ガスのクリーン化:

ディーゼルエンジンでは煤対策に有効で、過給機なしに排気ガス規制をクリアできません。


小さくても力持ち

 10トントラックのエンジンの重量は約1tで出力は約300kW。この出力を出すために、圧縮機出力80kW程度の約20kgのターボチャージャーが使われています。このターボチャージャーが空気を圧縮する動力を仮にガソリンエンジンで取り出そうとすると、重さ約100kgの1.2Lエンジンが必要になります。仮に、電動コンプレッサで賄おうとすると、その駆動力分余計にエンジン出力が必要になるため、エンジンは約200kg重くなります。いかにターボチャージャーが小さくて力持ちかがわかります。


カーボンニュートラルへの貢献

CO2排出量削減、さらにその先のカーボンニュートラルへ向けて、車両の電動化や電気自動車の普及が加速しています。電気自動車は航続距離や充電時間、給電設備、電池のリサイクルに難点も抱えているため、その他の選択肢として50%を超える超高熱効率エンジン、水素やバイオメタンなどのカーボンニュートラルな燃料を使うエンジン、燃料電池など多様な駆動源持つ車両の開発も進められています。超高熱効率エンジンやカーボンニュートラル燃料を使うエンジンは、ターボチャージャーなしには成立しません。また燃料電池の高効率化にも電動ターボチャージャーが必須です。IHIは様々な形の過給技術で、カーボンニュートラル達成に貢献していきます。


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