株式会社IHI 車両用過給機SBUサイト

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エンジン向けターボチャージャー

概要

 地球環境保護を目的とした法規制が厳しくなる中、自動車にはさらなる燃料消費規制強化と、大気汚染物質排出の大幅削減といった課題が課せられています。

内燃機関の過給技術は、排気ガス処理技術や燃料の燃焼方法最適化と並び、環境負荷低減のためのキーテクノロジーに位置づけられています。過給システムを活用することで、内燃機関のダウンサイジングが可能です。エンジン排気量やシリンダー数が少ないエンジンでも、以前と同等の性能を発揮できるようになります。また、内部摩擦による損失が大幅に減少するため、エンジンの効率も向上します。

内燃機関の過給技術には、エンジンへ常に新鮮な空気を高圧で供給するためのコンプレッサーが必要となります。過給システムは、コンプレッサーの駆動方法によって分類されています。コンプレッサーを駆動する方法には、電気モーターを使う方法(Electric Compressor)、クランクシャフトに直接連結する方法(Supercharging)、タービンを使って排気ガスからエネルギーを取り出す方法(Turbocharging)などがあります。

IHI Turbocharger 製品ラインアップ

製品ラインナップ

ターボチャージャーのテクノロジー

 ターボチャージャーは、エンジンの広い運転範囲において、効率よく機能することが要求されます。そのためには、ターボチャージャーを制御する仕組みが欠かせません。
ウェイストゲート(WG : Wastegate)と可変ジオメトリシステム(VGS : Variable Geometry System)は、広く活用されているターボチャージャーの制御技術です。

WG ターボチャージャー

WGターボチャージャーとは、ウェイストゲート(Wastegate、以下WG)と呼ばれる、タービンを経由せずに排気ガスを逃がすバルブを備えたターボです。
ターボ過給圧が過度に上昇しそうになった際、WGバルブを瞬時に開き排気ガスを逃がすことで、エンジンを保護する役割があります。

IHIのWGターボチャージャーは、40kWから300kW超(ターボ1台あたり)のエンジン出力範囲をカバーできる豊富なラインナップを揃えています。
WGターボチャージャーは、IHIの高速回転機械技術開発で培われた低摩擦損失軸受や、ラジアルおよび斜流タービンホイール、高効率コンプレッサーを標準的に備えています。

また、IHIのターボチャージャーは,お客様の要望に応じてエンジン性能やレスポンスを改良するために,コンプレッサやタービンを最適化し提供することも可能です。
燃料消費量や排出ガスをさらに削減するために、標準仕様のシングルスクロールタービンに加えて、マルチスクロールタービンも提供しています。
WGの開閉には、空圧アクチュエータ(正圧式、負圧式)や電動アクチュエータを用い、きめ細かなエンジン制御に対応しています。


新製品 RHZ シリーズターボチャージャー

RHZシリーズターボチャージャーは、今後の内燃機関の世界的な開発動向を見据えて開発されたIHIの新たなスタンダードとなるターボです。
今後要求される各出力帯のエンジン性能と、それに応じたターボ性能を満足出来るよう、モデルベース開発を活用し、従来ターボからサイズと対応出力帯構成を見直しました。
コンプレッサーの回転数増加と構造強化、タービンの翼形状見直しによってターボチャージャーのより広い作動領域の確保、高圧力比、高効率化を実現しています。
また、回転体(タービン・シャフト・コンプレッサー)のイナーシャを低減しつつ、低粘度油に対応した低摩擦軸受を採用することで、レスポンスを向上させました。
その結果、性能と強度の相反する要素を両立させながらもターボチャージャー全体としてコンパクト化・軽量化を達成しています。

更に詳しい説明は以下を参照ください。

VGS ターボチャージャー

VGSターボチャージャーは、タービンの上流に可動式のガイドベーンを配置し、タービンへ流れる排気ガス流量を最適化するシステムです。
特にエンジン回転数が低く、排気ガス流量が少ない場合であっても、ガイドベーンの開度を絞ることでタービンへ流入する排気ガスの運動量を高めることが可能です。その結果、エンジンの低速トルクや加速性の向上はもちろん、低燃費やPM(粒子状物質)の低減にも貢献しています。

IHIのVGSターボチャージャーは、70kWから300kW(ターボチャージャ1基あたり)のエンジン出力範囲をカバー可能な豊富なサイズを取り揃えています。また、VGS機構部分をカートリッジ化し、組立性・搭載性を改善しました。

最新のVGSは性能ロスに繋がるノズル側面からの漏れ流量を減らすなど、さらなる最適化が進められています。タービンステージ全体として、広いエンジン運転範囲で非常に高い効率を実現しています。


RHV EXシリーズ

RHV*EXシリーズは、排気ブレーキ(Exhaust Brake)対応VGSを備える世界で唯一の商用車向けターボです。商用車の中でも、特に大量の貨物を運ぶ中・大型のトラックは、通常のフットブレーキの補助として、排気ブレーキを備えた車両が数多くあります。排気ブレーキシステムは排気管を閉鎖する弁を閉じることで、エンジンに強い排気抵抗を生じさせてブレーキ力を発揮しています。同時に、エンジンと排気ブレーキの間にあるターボは、弁が閉じて行き場を失った排気ガスによって振動等の大きなストレスを受けます。このストレスはターボ部品に摩擦・摩耗を発生させる原因となります。特にVGSターボの精密機構は摩擦・摩耗の影響を受けトラブルになりやすいため、市場で流通している商用車向けターボチャージャーは、VGS機構が省かれている場合が大半です。

IHIはVGSの構造や部品の材料の選定、表面処理を排気ブレーキ向けに最適化し、商用車であってもVGSの恩恵を受けられるターボを実現しました。


48Vマイルドハイブリッド向け電動アシストターボチャージャー REFシリーズ

REFシリーズは、回転軸にモータを内蔵しています。モータの特性を活かし、ターボの回転上昇を瞬時にアシストすることで、排気ガスエネルギーが小さいときでも、従来のターボでは成し得ない超短時間でターボチャージャーを加速し過給圧を高めることが可能です。

過給圧の上昇が早くなることは、エンジンや車両にとってアクセルペダル操作量に対するトルクレスポンスの向上につながり、ドライバビリティの向上と燃料消費率の削減効果をもたらします。
また、REFはエネルギー回生も可能であり、排気ガスエネルギーが十分にあるときには、発電した電気エネルギーをバッテリーに蓄えることも可能です。

ドライバビリティを重視したハイパフォーマンスカーへの採用をはじめとして、今後ハイブリッドカーや、PHEVといったエコカーのシステム効率向上にも貢献が期待されています。

より詳しい説明は以下を参照ください。(英語)

スーパーチャージャー

IHIのエンジン過給技術はターボチャージャーだけではありません。特に低回転領域のエンジンレスポンスを重視するお客様にはコンパクトかつ高効率なスーパーチャージャーも提案可能です。

ターボチャージャーはエンジンの排気ガスのエネルギーを利用するのに対し、スーパーチャージャーはエンジンのクランクシャフトの回転を動力としています。エンジン回転数に同期したスクリューコンプレッサー(2本のらせん状ロータ)が素早く空気を圧縮し、エンジンへ送り込むことで抜群のレスポンスを発揮します。

電磁クラッチを始めとする各種駆動方式への対応や、内部潤滑方式等、豊富なオプションメニューを用意しています。

更に詳しい説明は以下を参照ください。(英語)

お問い合わせ

エンジン向けターボチャージャーについてご検討の際には,お気軽にお問い合わせください。


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