90~110席クラスのリージョナルジェット機用エンジンの型式承認を取得 ~環境負荷の低い、高性能ジェットエンジンを開発~
石川島播磨重工(IHI)が、開発に参画し、最新技術を導入した民間航空機用ジェットエンジン「CF34-10E」が、このほど、米国連邦航空局(FAA)から、エンジンの型式承認を交付されジェットエンジンとしての運用が正式に認められることになりました。
本エンジンは、様々な新技術が導入されており、既存エンジンと比べNOxを12%削減させる環境負荷の低いエンジンであると共に、燃費の改善などにより既存機に比べて運航コストを10%以上削減します。
また、本エンジンは、米国GE社と共同で2000年に開発が開始された国際共同開発事業であり、IHIは財団法人日本航空機エンジン協会のもとでエンジン全体の約30%のシェアで設計・開発・製造の事業に参加し、低圧タービンモジュール、高圧コンプレッサ後段部分、シャフトなどジェットエンジンの主要な部位を担当しています。
「CF34-10E」は、エンブラエル社(ブラジル)が開発中の90~118人乗りのEMBRAER190およびEMBRAER195型機に独占塔載されます。このクラスの航空機は、リージョナルジェット(地域間航空機)と呼ばれており、主に中小都市間の短距離の移動ニーズに応える航空機であり、欧米を中心に導入計画が急速に拡大しています。
EMBRAER190および195は、すでに米国ジェットブルー社、エアカナダ社などの航空会社から171機の確定受注を得ており、その他155機のオプション受注を得ています。これにより「CF34-10E」エンジンは現時点において650台以上の受注を得ていることになり、引き続き受注の拡大が予測されています。本エンジンを最初に搭載するEMBRAER190は、本年8月に商業運航が開始される予定です。
IHIは、「CF34-10E」をベースにして開発される「CF34-10A」の開発にも参加することを決めています。「CF34-10A」は、同じく79人から99人乗りの中国が開発するリージョナルジェット機ARJ21に独占塔載されることが決まっており、2007年の飛行試験を予定しています。ARJ21は、500機の需要が見込まれており、エンジン台数にして1000台以上になります。
IHIは、着実に伸びている世界の航空輸送需要に応え、今後とも、ジェットエンジン事業の拡大を図っていきます。