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プレスリリース
資源・エネルギー・環境

ブルガリアから排煙脱硫装置を受注

 石川島播磨重工(IHI)は、三井物産と東芝と共同で、ブルガリア・エネルギー省が保有する国営電力会社マリッツァ・イーストⅡ社(※1)の石炭火力発電所(対象ユニット:改修後出力17万kW×4基)向け排煙脱硫装置(※2)一式を土木工事込みのフルターンキーで受注しました。
 納期は、2008年10月です。

 本プロジェクトは、既設の石炭火力発電設備6基の蒸気タービンと発電機のリハビリ(改修工事)および排煙脱硫装置を新設するものです。リハビリにより、同発電所の6基の総出力は97万5000kWから114万3000kWに増大され、また当社が担当する排煙脱硫装置の新設により、排煙に含まれる硫黄酸化物は従来比で94%減少させる見込みです。

 本案件は、国際協力銀行(JBIC)の輸出金融が適用され、ブルガリアの政府保証も出ることが決定しています。JBICとブルガリア政府間との融資契約は、既に本年7月に調印されています。
 三井物産は、2003年3月に本案件の契約を調印し契約発効を待っていましたが、客先の融資契約調印および頭金手配などの条件が整ったことから、工事が開始されることとなったものです。
 本日10月4日には、現地にてIHI、三井物産、東芝などの幹部、JBIC、在ブルガリア日本大使、ブルガリア・エネルギー大臣、同国首相・副首相クラスの政府高官などが出席の元、鍬入れ式を行い正式な工事開始となります。

 東欧諸国では、EU加盟を見越しEUの環境規制に適合するため、老朽化した発電所のリハビリおよび排煙脱硫装置の設置を急ピッチで進めていることから、当社では本工事を足がかりに、今後東欧向け脱硫装置およびボイラリハビリの市場を開拓していく計画です。

※1 マリッツァ・イーストⅡ社(Maritsa East Ⅱ TPP EAD)
 社 長:Mr. Atanas Dimitrov (アタナス・ディミトロフ)氏
 所在地:Stara Zagora郡Kovachevo地区(ブルガリア中部スタラ・ザゴラ市の南東約60km)

※2 石灰石石膏法排煙脱硫装置は、排ガス中の硫黄酸化物を石灰石に吸着させることにより除去するプラント。副製品として石膏を作り出す。
硫黄酸化物は酸性雨の原因となる為、EUでは厳しい排出制限を加盟国に課している。ブルガリアは2007年にEU加盟を目指して交渉中であり、EU規制に 合わせる必要がある。同発電所で使用されている石炭は多くの硫黄分を含むものであるため、排煙脱硫装置の設置が急務となっている。

<海外向け排煙処理装置の主な受注実績>
1998年12月   台湾電力公司・興達発電所3,4号機(55万kW×2)用石灰石石膏法排煙脱硫装置 2基
2000年7月   台湾電力公司・台中発電所9,10号機(55万kW×2)用石灰石石膏法排煙脱硫装置 2基
(2002年2月 台湾電力公司・興達3,4号機(55万kW×2)用排煙脱硝装置2基)
2003年5月   シンガポール・パワーセラヤ社セラヤ第一発電所(25万kW×3基)用 石灰石石膏法排煙脱硫装置1基
2003年11月   中国上海市電力公司・外高橋石炭火力発電所(30万kW×2)用 石灰石石膏法排煙脱硫装装置2基



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