相馬工場の拡張工事を開始 ~相馬工場をジェットエンジンの中小型部品工場に再編~
石川島播磨重工(IHI)は、航空機用ジェットエンジンの部品を生産している相馬工場(福島県相馬市大野台、敷地面積226,200㎡)の拡張工事を平成17年7月から開始します。これは、航空機用エンジンの生産体制再編の一環であり、これまで中小型部品の生産をおこなってきた田無工場(東京都西東京市、敷地面積93,700㎡)を閉鎖し、その機能をタービン翼の専門工場である相馬工場に移転・集約し、ジェットエンジンの中小型部品工場に位置付けるものです。
今回の拡張工事で増設する建屋の建築面積は37,000㎡であり、完成すると建屋の規模は現状の2倍以上の規模になります。投資規模は、生産設備を含め、H17年度から3年間で約100億円を予定しています。田無工場で生産してきた航空機用エンジンのタービン翼は、既に相馬工場に生産機能を移転していますが、拡張工事後は、その他の航空エンジン用の歯車やギア(歯車などによる伝動装置)、タービン翼を回転させるディスクなど中小型部品の生産機能を全て相馬工場に移転します。
IHIは、現在、田無工場、瑞穂工場(所在地:東京都西多摩郡、主要事業:航空エンジンの最終組立および整備)、呉第二工場(所在地:広島県呉市、主要事業:航空エンジンの大型部品生産)、相馬工場の4つの航空エンジン工場を保有していますが、生産性、国際競争力を更に向上させるために田無工場を閉鎖し、4つの生産体制から3つの生産体制に集約します。これにより、工場の運営費用の削減を図ると共に、関連部門の集約により、より迅速な対応が可能となります。
相馬工場は、IHIの第4番目の航空エンジンの工場として平成10年10月に設立し、タービン翼の専門工場として素材から加工までの一貫生産を行っています。同工場は、民間、防衛向けの各種エンジンを生産していますが、特に民間向けでは現在、需要が高まっている70人~110人クラスのリージョナルジェット機用のエンジンであるCF34が増加しています。また、IHIが、2004年に開発事業に参加したボーイングの新型旅客機787型機に搭載されるGEnxエンジンの生産が2007年頃から本格的に開始されます。IHIは、新たに拡大する相馬工場を「品質・納期・コスト・生産量」の面で国際競争力を有する新鋭工場として位置付け、積極的な事業展開を図っていきます。
<拡張工事計画の概要>
建築面積 : 37,000㎡(既存建築面積 : 28,400㎡)
延床面積 : 42,490㎡(既存延床面積 : 35,160㎡)
建屋着工予定 : 平成17年7月
建屋完成予定 : 平成18年3月