ベトナム最長の斜張橋「ビン橋」が完成
ベトナム最長の斜張橋となるハイフォン市の「ビン橋」(橋長1280m、幅22.5m、主搭高さ101.6m)の新設工事がこのほど完了しました。同橋の開通式典は、ベトナム政府より Tran Duc Luong(チャン・ドゥック・ルオン)大統領、石川島播磨重工(IHI)からは、代表取締役社長 伊藤 源嗣他の出席のもと、5月13日に行われました。
本橋は、故小渕首相が創設した特別円借款「小渕ファンド」の適用第1号案件で、ベトナム政府の強い要請に応える形で、建設が実現したものです。IHIをリーダーとして、清水建設と三井住友建設の3社JV(共同事業体)で受注し、2002年8月より工事着工していました。
本橋の位置は、ベトナムの首都ハノイから東へ約100km(車で1時間半程)の距離にあるベトナム第3の都市ハイフォン市を東西に流れているカム川(川幅300m)上です。従来カム川の渡河はフェリーに頼っていましたが、近年は増大する交通量への対応が難しくなっていました。
ビン橋の完成により、交通の利便性向上による物流の効率化を図れるため、ベトナム経済の活性化、雇用促進などの効果が期待されています。
本橋は広島県にあるIHI呉新宮工場で製作されましたが、日本における施工実績がない、(*)二主合成鈑桁の斜張橋であり、IHIの高い技術力並びに豊富な橋梁建設の経験が活かされています。
IHIは、今回のビン橋完成により、改めてその実績と高い技術力を世界に示すこととなりました。今後も引き続き、国内外での橋梁受注活動を積極的に展開していく方針です。
<ビン橋の主要目>
橋長:1,280m
幅員:22.5m{4車線(片側2車線)+2歩道}
塔高:101.6m(RC主塔)
主径間:260m
*ニ主合成鈑桁・・・主径間に二つの桁があり、桁と床(道路)の部分が完全に合体している鈑桁