IHIと北海道大学による包括連携に関する協定の締結
石川島播磨重工(IHI)と国立大学法人 北海道大学(総長:中村 睦男)は、バイオリソースのネオプロセシング・ゼロエミッションリサイクルシステムの開発をキーワードとして、両機関の連携によって相互に有する資源を有機的に活かしながら、より効率的で効果的な協力関係を構築することを合意し、12日に、連携プログラムに関する協定を締結することとしました。
両者は当プログラムにより、北海道大学の有する農畜産・水産系バイオマス利用に関する知見と、IHIの有する豊富なプラント技術を融合させ、新たな領域での研究開発を目指します。
現時点において想定される取り組みは次のとおりです。
- 畜産系バイオマスからの有用物質探索とその大量生産システムの開発を目指して共同研究を実施します。
- 水産系バイオマスからの有用物質探索とその大量生産システムの開発を目指して共同研究を実施します。
- マイクロバブルとオゾンの技術をあわせた殺菌技術の開発を目指して共同研究を実施します。
- 上記3つを通して人材交流と人材育成をはかります。
- 「連携委員会」を通して研究の進捗管理を行うことにより、研究のスピードアップと成功確率を高めます。
両者は、この包括連携を通して共に技術の最先端を追求します。
<ご参考>
○バイオリソースのネオプロセシング・ゼロエミッションシステム
バイオリソース(生物由来資源)のネオプロセッシング(革新的加工技術)・ゼロエミッションシステムとは、食品の付加価値向上と従来食用とされていなかった部分(家畜の肋軟骨・骨・臓器、魚介類のあら・卵巣、藻類など)の利活用を図っていく新しい加工プロセスコンセプト。
これまで北海道大学にて種々の生活性物質となるアミノ酸、ペプチド、タンパク質を探索してきており、高血圧や肥満、糖尿病に有効なものが発見されていたが、今後はその製造方法の確立までを北海道に根ざした食品会社や製薬会社に北海道大学やIHIを含めたチームで検討を進めていく。
○オゾンマイクロバブルによる殺菌
マイクロバブルと呼ばれる超微細の泡でのオゾン水を作ることにより、従来のオゾン水では分解が難しかった有機系化学物質を分解し、殺菌を行うもの。野菜などの農産物や海産物(カキ他)、医療器具、温泉のレジオネラ菌などの殺菌を対象としている。