航空機用ジェットエンジンの運転試験設備(テストセル)が完成~ジェットエンジンの整備事業を強化~
石川島播磨重工(IHI)は、このほど、航空機用ジェットエンジンの性能を確認するために、屋内で試運転するための設備(テストセル)を、瑞穂工場(東京都西多摩郡瑞穂町)に新設しました。
テストセルは、運転するジェットエンジンの推力をはじめ、回転数、温度、圧力、振動などジェットエンジンの各種運転状態を計測することができる設備です。ジェットエンジンの運転に必要な大量の空気を屋外から吸い込み、推力をはじめエンジンの性能を安定して評価できる整流機能を有すると同時に、ジェットエンジン特有の騒音を環境基準まで消音することができるように設計されています。
IHIは、瑞穂工場において、世界中の航空会社のジェットエンジンを対象に、整備事業を行っています。ジェットエンジンの整備は、分解・洗浄・検査・修理および部品交換・組立というプロセスの後、エンジンの性能を確認するために、テストセルで試運転を行う必要があります。
今回、新設したテストセルは、IHIとして、6基目となるファンエンジン用テストセルで、建屋としては、全長約56m、幅約9m、高さ約22mの鉄筋コンクリート構造であり、最大推力4万ポンド(18,000kg)の中型ジェットエンジンまで運転することができます。今回、最も需要が高い中型エンジン用のテストセルが新設されたことにより、整備能力が増強されることになります。
今後、本テストセルを利用して、主に150人乗り旅客機用の中型ジェットエンジンである「V2500」や「CFM56」、70人~100人乗りクラスのリージョナルジェット機用のエンジン「CF34」などの整備を行い、世界的に需要が高まっているエンジン整備事業を更に拡大していきます。