大阪有機化学工業株式会社向け危険物用自動倉庫が完成
石川島播磨重工(IHI)は、大阪有機化学工業株式会社(社長:鎮目 泰昌、本社:大阪府中央区安土町。以下「大阪有機化学工業」)から平成18年に受注しました同社金沢工場(石川県白山市)向け「危険物用自動倉庫建設工事」をこのたび完成しました。
大阪有機化学工業は、アクリル酸エステルモノマー等の有機化学工業製品の製造販売を行なう会社です。このたび完成したのは、アクリル酸エステルモノマーなどの危険物第4類を保管する「冷蔵危険物自動倉庫および常温危険物自動倉庫」の建設工事一式です。「冷蔵危険物立体自動倉庫および常温危険物自動倉庫」は高さ20メートルで、庫内設備はスタッカークレーン2台、保管用パレット892棚、電動台車4台および在庫管理システムで構成されています。本システムは、保管設備として危険物自動倉庫、搬送設備として、電動台車を配置し制御用コンピュータによりトータルコントロールされます。IHIは、本危険物保冷立体自動倉庫の建設工事一式(設計・製作・据付・調整試運転)を担当しました。
上記危険物保冷立体自動倉庫は、ドラム缶・一斗缶等をパレット単位で保管しますが、クレーン毎で違う温度帯(2温度帯)に対応しており、0℃~+10℃まで保管可能である点が大きな特長です。また、冷蔵危険物立体自動倉庫は、倉庫内部と外部との緩衝用に前室を設け、庫内温度の上昇を防ぐことを考慮しています。
現在、危険物物流の分野でも、メーカーが第3者に自社製品の保管・集出荷を委託する3PL(Third Party Logistics)が増加しつつあり、危険物物流企業による危険物用自動倉庫の新設需要が急速に高まってきています。IHIの危険物用自動倉庫は、建屋一体型としては国内トップシェアを誇っていますが、この豊富な納入実績が客先から高く評価され、上記受注に至りました。
IHIでは今後、客先製品・取り扱い物の品質・安全維持、物流センター内での保管・集出荷効率の向上に貢献すべく、重量物・長尺物といった特殊な取扱物や、食品・流通関連を中心に、物流システムの拡販に注力していきます。危険物用自動倉庫については年間10プラントの受注を目標に営業展開を図っていく方針です。