(株)ディーゼル ユナイテッド 電子制御エンジン受注累計100台達成~商船への電子制御エンジン採用が加速~
株式会社IHI(以下IHI)の100%子会社である株式会社ディーゼルユナイテッド(以下DU、所在地:東京都千代田区、社長:小嶋文稔)は、このたびDU-バルチラ(WÄRTSILÄ)製電子制御ディーゼルエンジン(以下 フレックスエンジン)の受注累計台数が100台に到達しました。
DUは、2003年3月に電子制御エンジン初号機である6RT-flex58T-B機関を完成させて以来、環境に優しい次世代エンジンであるフレックスエンジンに特化し、RT-flex96CRT-flex50、RT-flex84T-Dと小口径から大口径までのレンジで受注を重ねてきました。現在までに21台が就航し順調に稼動実績を重ねています。
フレックスエンジンは、(*1)コモンレール方式を採用し、優れたフレキシビリティを持つ先進的な電子制御エンジンで、経済性の向上に加え、窒素酸化物(Nox)や黒煙など排ガス中の有害物質の低減も図られ、舶用ディーゼルエンジンとしての優れた環境性能を実現しています。
DUならびに株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド(以下IHIMU、所在地:東京都港区、社長:今清水 義紀)は、2004年度から8隻連続して建造し引き渡された欧州船社向け8,450TEU大型コンテナにおいて、いち早くフレックスエンジン(12RT-flex96C)を主機として採用しています。 今後は、IHIグループとして両社の豊富な実績を基に、時代の要請に応えるべく、フレックスエンジンを環境に優しいクリーンエンジンとして、市場へアピールしながら今後建造する新造船主機関に積極的に搭載していく方針です。
(*1)コモンレール方式:
1 | .全てのシリンダーに燃料を供給できるコモンレール(共通配管:Common Rail)と呼ばれる燃料供給装置を設置。燃料の圧力を高め一定(1000bar)に保ちます。この共通配管からすべてのシリンダーに供給できる点がコモンレール方式の特徴です。これにより、従来シリンダーごとに設けていた燃料ポンプとそれを稼動させるカムシャフト、駆動歯車が不要になります。 |
2 | .コモンレールから供給された燃料は燃料噴射制御装置を経由してシリンダー内に噴射されます。燃料噴射制御装置は、噴射タイミング、噴射圧をシリンダーごとに個別に調整します。この装置の作動は、併設された電子制御ユニット(バルチラ・スイス社が独自開発したコンピュータソフト)によりコントロールします。 |
3 | .燃焼ガスの排気のタイミングを調整する排気弁の駆動も電子制御によっておこなわれるため、排気のタイミングも適正に調整することができます。その他、機関起動、シリンダーへの注油、冷却などは、全て電子制御されています。 |