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プレスリリース
資源・エネルギー・環境

米Aker Solution社およびChart社と連携して、中小LNG液化プロセスプロジェクト分野へ参入

  IHIは、このたび、米大手エンジニアリング会社アーカー・ソリューション社(*1)(Aker Solutions、以下AS社)と共同で、チャート・エネルギー・アンド・ケミカルズ社(*2)(Chart Energy & Chemicals、以下Chart社)の液化プロセスに基づく、中小規模のLNG液化プロセスプロジェクト分野に参入することになりました。

  このたびのChart社を含む3社の連携による中小液化分野への参入は、近年のLNG市場のダイナミックかつスピーディーなニーズの変化をとらえたもので、ここ1年で急速に動きが活発化してきた、シェールガスの大幅な増産を背景とした米国産ガスの液化・輸出プロジェクトなどにも注力して対応していきます。

  二酸化炭素の排出が少なく、クリーンで使いやすいエネルギーであるLNGの需要は今後世界的にますます増加することが見込まれていますが、開発は従来の少数の大規模ガス田を中心としたものから、全世界でおよそ2,000箇所ほどに点在する0.25~5Tcf(兆立方フィート)規模の中小ガス田、これまで燃焼処分(フレアー)などで廃棄されていた未利用ガス(随伴ガス)、さらには炭層メタン、シェールガスなどの非在来型ガスなどその対象も広範囲にわたってきています。

  Chart社の液化プロセス(※3)は単一冷媒(Single Mixed Refrigerant、以下SMR)プロセスを基本として、さらにエネルギー効率の向上を図ったプロセス(Intergrated Pre-Cooled Single Mixed Refrigerant、以下IPSMR)です。IPSMRはプロセスならびに機器構成が極めてシンプルであり、短納期およびライフサイクルコスト低減が主要なポイントとなる、LNG生産規模が年間200万トン程度までの中小規模の液化プロジェクトに適しています。

  Chart社は天然ガスの液化・冷凍プロセス部分のエンジニアリングおよび自社製Cold Boxや熱交換器をはじめとした機器の供給を担当し、AS社とIHIは共同で、それ以外の前処理、貯蔵、出荷、ユーティリティ、オフサイト設備などを含むプラント全体の設計、調達、建設ならびにプロジェクトマネジメントを担当します。

  IHIとAS社は、2004年より共同で北米のLNG受入ターミナルのEPCプロジェクトを受注し、2009年に米国にて最大級のCameron LNG (ルイジアナ州)を完成し、現在2011年の完成に向けてGulf LNG(ミシシッピ州) の建設を順調に進めています。

  IHIは、日本国内では多数のLNG受入ターミナルの建設実績を有しており、海外でも2000年以降、インド、メキシコ、台湾、中国などのLNG受入基地を受注しています。今後、これまでの実績を足掛かりに、LNG事業のバリューチェーンを全て提供できるよう事業を展開してまいります。


<各社概要>

(*1)アーカー・ソリューション社(Aker Solutions)
事業概要 アーカー社(Aker ASA)傘下の総合エンジニアリング会社であり、同グループの米国における石油・化学関連のエンジニアリング拠点。同グループは海 洋開発設備、石油化学プラント、発電プラント、海洋土木、鉱工業設備など幅広い範囲で事業を展開している。特にLNG関連の海洋開発設備に豊富な実績をも つ。


(*2)チャート・エネルギー・アンド・ケミカルズ社(Chart Energy & Chemicals)
本  社 米国
事業概要 ハイドロカーボン系製品の生産・貯蔵・販売用の工学機器の世界的なリーディングカンパニーであり、主要製品は、精製、液化、輸送、貯蔵といった液化ガスのサプライチェーン全般に使われている。

(※3)  SMR液化プロセス:
 ・Cold-Boxと呼ばれる冷凍機内にて冷却された冷媒を用いて、天然ガスを冷却し、天然ガスを液化天然ガスにするものである。冷媒の冷却は圧縮機において高温・高圧になった冷媒を冷却システムにおいて常温・高圧のものとし、それをCold-Boxにおいて低温・高圧にし、最終的に断熱膨張のメカニズムを用いて、低温・低圧のものとし、冷媒として能力を発揮する温度まで冷却する。

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現在建設中のGULF LNGターミナル(米国 ミシシッピ州)の写真

現在建設中のGULF LNGターミナル(米国 ミシシッピ州)の写真

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