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プレスリリース
産業システム・汎用機械

高効率で系統連系可能な最大送電端発電出力20kWのパッケージタイプ小型バイナリー発電装置の1・2号機を連続受注

 IHIは、最大送電端発電出力20kWのパッケージタイプの小型バイナリー発電装置「ヒートリカバリー“HRシリーズ”」の初号機を受注しました。
当初号機は、福島ミドリ安全株式会社(所在地:福島県郡山市、代表取締役社長:白石昇央 氏)が林野庁から受託した「平成25年度木質バイオマスエネルギーを活用したモデル地域づくり推進事業」において、木質バイオマスボイラーと小型バイナリー発電装置を組み合わせた地域熱電供給プロジェクトとして採用が決定されたもので、国内初のシステムになります。
バイオマスボイラーで作られた温水は、熱供給(暖房、給湯、浴槽加温)と、小型バイナリー発電装置の熱源として利用されます。

また、本装置の2号機を、焼却炉メーカーである株式会社キンセイ産業(所在地:群馬県高崎市、代表者:金子正元 氏)から受注しました。
 同社が製造する焼却炉に本装置を組み込み、発電可能な次世代型の焼却炉としての実証試験のために導入されるものです。

 2機とも、納期は2014年3月の予定です。

 ヒートリカバリーは、従来、バイナリー発電に適さないとされ捨てられていた、少量の温水の利用実現を目的に開発したものです。
 最大送電端発電出力20kWの小型・軽量タイプで、これまで熱エネルギーの回収が難しいとされてきた、工場などで分散して排出されている100℃未満の温水を集約せずに利用可能なことから、今回の受注となりました。

 本装置は、使用する温水・冷却水の温度・量により、数kW~20kWの発電が可能です。
 まとまった温水が排出される工場や温泉では、本装置を複数台設置し、温水を各装置に分散させて発電することも可能で、メンテナンス時には一台ずつ停止して他の装置で発電することにより、発電装置の稼働ロスを最小限に抑えることができ、効率の良い運用を可能とします。

 また、商用電源に接続可能な系統連系機能を標準装備することで、発電した電力の品質を上げるとともに電力の用途を広げ、温泉での再生可能エネルギーの固定価格買取制度の適用や工場での省エネにも貢献します。

 当社では、今年度末までに、20台以上の受注を目標に営業活動を展開するとともに、今後、更なるラインナップの拡充を図り、お客様の様々な省エネ・発電のニーズに対応していきます。

  

バイナリー発電装置:

 
100℃未満の工場排水や温泉などの熱エネルギーを利用し、沸点の低い媒体を蒸発させてタービン発電機を
作動させるもの。これまで未利用であったエネルギーを活用し、低位熱からのエネルギー回収および有効利用
による“省エネ”、または再生可能エネルギーから発電することによる“創エネ”への適用が期待されている。

 
<ヒートリカバリー“HRシリーズ”の概略構成> 

1. 発電方式: オーガニックランキンサイクル(*1)により70℃~95℃の温水からの発電が可能
2. 作動媒体: HFC-245fa/電気事業法の小型バイナリー発電の規制緩和に適合した不活性ガス
3. タービン発電機: ラジアルタービンと高速発電機を直結したダイレクトドライブ構造
4. パッケージ: オーガニックランキンサイクルを構成する機器を小型パッケージに収めるだけでなく、さらに商用電源への
接続を可能にする系統連系機能を標準装備

 

<ヒートリカバリー“HRシリーズ”の特長> 

1. 小規模・小型: 幅:約2m、奥行き:約1.4m、高さ:約1.6m、重量:約1,900kgとコンパクト
2. 容易な取付け: 温水出入口と冷却水出入口配管、電源系統の接続だけで非常に簡単
3. 静粛・低振動: タービン発電機は直結構造であるため騒音も少なく、装置の振動もほとんど無い
4. 操作性、起動性:
 
タッチパネルですべての操作と内部状態の確認が可能。温水と冷却水を流して起動するだけで、
自動で発電開始
5. 高温冷却水で発電可能:
 
有機媒体を液化させるための冷却水の温度が30℃(一般的な工場の冷却水の平均的な水温)
でも、温水が95℃あれば最大発電出力を得ることができる、高効率で導入しやすい仕様

 

*1
 
オーガニックランキンサイクル:沸点の低い有機媒体を作動媒体として用い、蒸発/液化のサイクルを繰り返し、
蒸発した作動媒体でタービン発電機を作動させるもので、低位熱からのエネルギー回収に有効な手法。

 
IHI小型バイナリー発電装置“HRシリーズ”
http://www.ihi.co.jp/compressor/binary/index.html


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小型バイナリー発電装置外観

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