プロセスガスレシプロ圧縮機を連続受注
IHIは、このたび、J&P-AVAX S.A社(社長:Konstantinos Mitzalis)から、欧州マルタ共和国Delimara LNG受入基地向けにLNG BOGレシプロ圧縮機3台を受注しました。受注範囲は、圧縮機本体の設計・製造と試運転指導員派遣で、納期は2015年末の予定です。
本受入基地は、マルタ共和国のエネルギー会社であるEnemalta Corporationが,同国南方のデリマラエリアに計画中の「Delimara Gas and Power」の一部です。
この受入基地は、同国最大の受入基地で、最大で180,000m3のLNGタンク建設が計画されており、稼働開始後は,同国のエネルギー拠点となります。
さらに、東洋エンジニアリング株式会社からは、インド西部グジャラート州のムンドラLNG受入基地(LNG払出能力年産500万トン再ガス化設備の新設プロジェクト)向けLNG BOGレシプロ圧縮機2台を受注するなど、インド等のアジア圏でも受注が増加しています。
当社は、1892年からレシプロ圧縮機の製造を開始し、1930年には他社に先駆けてプロセスガスレシプロ圧縮機を開発しました。LNGやLPGといった低温ガスをはじめ、石油精製や化学工場向けの水素やエチレンといった常温一般ガス向けも含め、プロセスガス用として合計2000台以上の納入実績があり、豊富な実績や高度な技術による高い信頼性から、世界のお客さまからご好評を頂いています。
特にLNG BOGレシプロ圧縮機においては全世界約50基地に200台以上の実績を有し、世界トップシェアを誇っています。
当社では、これらの豊富な実績に裏付けられる技術力・信頼性を柱に、グローバルな営業・サービス体制の強化や、国外における生産拠点の設立なども検討し、今後、石油精製や化学プラント、LNG基地などにおける圧縮機の需要増加によってさらなる拡大が見込まれるASEAN市場を中心に、当社のプロセスガスレシプロ圧縮機のマーケットシェアをさらに拡大させていく方針です。
- LNG BOGとは
LNG(Liquefied Natural Gas)は天然ガスを精製・液化したもので、-162゚Cの超低温の液化ガスとして、低温タンクに貯められますが、外部からの自然入熱によりLNG 貯蔵タンク内の液面からは絶えず -162゚Cの超低温ボイルオフガス (BOG: Boil Off Gas) が発生します。液化されたガスを保存しているタンク内の圧力を保持するために、外部からの自然入熱により気化したガスを再液化装置に送り出したり、都市ガスや火力発電の燃料として送り出すのがLNG BOG圧縮機であり、ほぼ大気圧の LNG ボイルオフガスを超低温のまま直接吸引し、所定の圧力まで昇圧し圧送します。