ペトロブラスの調査に関する一部報道に対する当社見解,ならびにブラジルビジネスにおける当社の取り組み状況等について
先週2月9日の一部外国経済紙(Financial Times)において,ブラジル・ペトロブラスの贈収賄の事件に,日本株主グループ(特定目的会社:JAPAN EAS INVESTMENTOS E PARTICIPAÇÕES LTDA 以下JEI)の一員として当社が部分出資しているアトランチコスル造船所(Estaleiro Atlântico Sul S.A. 以下EAS)が関わっている疑いがある,との報道がなされました。
贈収賄事件は当社が出資する以前の出来事であり,当社は贈収賄事件と一切関わりはございません。
一方,EASの関与につきましては,現在行われている現地当局の調査に全面的に協力するとともに,当社としても現地での事実確認を急いでいるところです。
さて,当社のブラジルビジネスにおける取り組み状況(EASへの投資目的・出資関係)については,これまでの当社の開示内容に関し,資本市場において一部混乱が生じている状況が窺えることから,改めて以下のとおり説明させていただきます。
①EASへの投資目的
当社は貯蔵タンク,液化プラント,浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備などLNG関連ビジネスに注力しております。
2013年の出資当時,豊富な海洋地下資源を背景としてブラジル経済の成長性は高いと判断しました。また,EASがブラジル・ペトロブラス向けタンカーやドリルシップなどの受注残を豊富に有し,十分な投資回収が見込まれること,更に海洋資源用開発設備・構造物分野でのビジネス拡大の機会と判断し,同社への投資を実行しました。
②EASとの出資関係
EASへの出資比率は,ブラジル株主2社が2/3を保有,JEIが1/3を保有しております。JEIのうち,約60%が当社の持分で投資額は約60億円です。また,EASに対する当社の2014年12月末の債務保証残高は,2月12日提出の第3四半期報告書で開示のとおり,約220億円(当社分)です。
この債務保証は,株主間協定に従ってJEIが親会社として応じたもののうち当社の負担分で,内訳は約120億円がEASの設備投資資金の借入に係るもの,約100億円が運転資金の借入に係るものです。前期末比で増加した約100億円はこの運転資金に係る債務保証であります。
③EASとの連携
当社はEASの生産性改善・向上のため,技術者・技能者などをEASに派遣し指導・教育を実施しており連携強化を図っております。当社の業績への寄与はまだ十分ではありませんが,鋭意努力をしております。
なお,海洋浮体構造物などを製作する愛知工場では,ドリルシップの居住区ならびに船殻ブロックの建造(契約金額は総額で約200億円)を手掛けておりましたが,現在,進捗率40%のところで建造をほぼ中断している状況です。
今後の経営判断につきましては,事実確認の結果をはじめ,ブラジル経済動向とEASの今後の業績動向を総合的に踏まえて,行なってまいります。