トルコ共和国森林・水資源省気象庁向け高層気象計測機器GPSラジオゾンデ「iMS-100」を10,000台一括受注
~初の海外でのGPSラジオゾンデ「iMS-100」の受注~
IHIの子会社である明星電気株式会社(以下明星電気,社長:石井潔,本社:群馬県伊勢崎市)は,このたび,トルコ共和国森林・水資源省気象庁向けに高層気象計測機器GPSラジオゾンデ「iMS-100」を10,000台一括受注しました。今回の受注は,昨年開発を完了した「iMS-100」としては,初の海外での受注となります。今後、トルコ共和国各地10か所に地上受信局を設置し、2015年7月から出荷する予定です。
今回,受注した「iMS-100」は,昨年明星電気が開発した世界最小,最軽量の高性能ラジオゾンデです。「iMS-100」は,小型・軽量とすることで,飛揚に必要な機材の小型化,省資源化が同時に実現でき,各国で採用されている製品に対して最大30%の運用コスト削減が見込まれます。また,新型湿度センサの開発,温度センサの取付手法の見直しなどにより,高精度の湿度,温度計測を実現しました。
現在,高層気象観測機器であるラジオゾンデによって得られる高精度なデータは,天気予報や気候監視など,様々な社会的ニーズに対して極めて重要な役割を担っています。これまでは,各国気象庁が協力しあい,世界850箇所の観測所で1日2回の観測が実施されてきました。しかし,予算的理由を含む様々な事情により,運用を停止する観測所もあり,現在ではアフリカや南米を中心に200箇所ほどの観測所が運用を停止しています。気候変動等の問題が顕在化する昨今において,この全地球規模の観測を維持することは非常に重要となっています。
明星電気は,今回の受注を足掛かりに,「iMS-100」の海外受注活動を積極的に展開し,地球規模での気象観測の維持に貢献していきます。
- 1. GPSラジオゾンデ:
上空30~35kmまでの大気の温度・湿度・気圧・風向・風速を計測し,その観測データをリアルタイムに地上に送信する機器で,ヘリウムや水素ガスを充填した気球によって飛揚される。機器が直接上空の現場に行って計測するため,非常に高精度な計測が可能であり,天気予報や気候監視の基礎データとして重要な役割を果たしている。明星電気は1938年の創業以来,製造販売に携わっており,現在では国内唯一の製造メーカである。


明星電気㈱ホームページ:http://www.meisei.co.jp/