アトランチコスル造船およびペルナンブッコ連邦大学と覚書を調印
~ブラジルの造船・海洋産業における人材育成に貢献~
株式会社IHI(本社:東京都江東区/社長:斎藤 保,以下「IHI」),アトランチコスル造船株式会社(所在地:ブラジル ペルナンブッコ州,以下「EAS※1 」),ペルナンブッコ連邦大学(所在地:ブラジル ペルナンブッコ州,以下「UFPE※2 」)は,造船・海洋産業における人材育成を目的として戦略的提携の枠組みを構築するための覚書を締結し,現地時間の8月1日,ブラジル・ブラジリアの大統領府で,ジルマ・ルセフ大統領および安倍晋三内閣総理大臣の立会いのもと,調印式を行いました。
今回締結した覚書の概要は以下のとおりです。
- IHIは,EASに派遣している技術者をUFPEに派遣し,海洋産業および造船業の専攻科(造船技術コース)で講義を行う。
- EASは,同社人材育成センターの短期講座を,UFPEの学生グループに対して実施する。
- UFPEとEASは,UFPEの学生に対して,EASにおけるインターンシップに参加する機会を提供する。
- IHIは,ブラジル連邦政府が実施する「国境なき科学」計画※3 で日本に留学するUFPEの学生を,インターンシップで受け入れる。
署名者の一人であるIHI代表取締役会長 釡和明は,「日伯戦略的経済パートナーシップ賢人会議※4 」の日本側メンバーの一人であり,ジルマ・ルセフ大統領および安倍晋三内閣総理大臣に対して,造船・海洋産業における人材開発を日伯協力の重点領域の一つとして報告しています。
IHIはブラジルにおいて,石川島ブラジル造船所(通称 イシブラス)を通して35年間の造船経験を持ち,現在もEASにおいてブラジル造船・海洋産業の再活性化に貢献しています。今回締結した覚書に基づいたUFPEおよびEASとの協力を通して,ブラジルの造船・海洋産業の発展に更に寄与していきます。
- 1. EAS:IHIが出資している,海洋資源開発において今後大きな成長が見込まれる造船会社。
- 2. UFPE:ブラジル国内で十指に入る連邦大学であり,造船・海洋産業における人材育成のため,造船技術コースの拡充に注力している。
- 3. 「国境なき科学」計画:技術力向上を目的にブラジルが実施する,理工系学生国費留学プログラム。
- 4. 「日伯戦略的経済パートナーシップ賢人会議」:ルーラ大統領(当時)の訪日時に,小泉首相(当時)との間で「日伯21世紀協議会」設置が決定。「日伯21世紀協議会」の提言の経済分野のフォローアップとして,「日伯戦略的経済パートナーシップ賢人会議」が設立。(2007年3月)


ルセフ大統領および安倍首相の立会いのもとでの調印式の様子
(左から二人目がIHI代表取締役会長 釡和明)