エアバス社「A320neo」用エンジン「PW1100G-JM」向け複合材ファンケース量産初号機を出荷
IHIが一般財団法人日本航空機エンジン協会(JAEC)の下,米Pratt & Whitney(P&W), 独MTU Aero Engines AG(MTU)と共同開発を行っているエアバス社「A320neo」用エンジン「PW1100G-JM」向け複合材ファンケースの量産初号機を,このたび,IHIエアロスペース(以下IA,社長:木内重基,本社:東京都江東区)の富岡事業所(群馬県富岡市)から,出荷しました。この量産初号機出荷を記念し,IAでは,2015年4月15日に式典を実施しました。
「PW1100G-JM」の開発は,P&W, JAECおよびMTUによって設立された合弁会社International Aero Engines(IAE)が主体となり,2011年に始まりました。IHIはプログラムシェア約15%で参画しており,ファンモジュール,低圧圧縮機の一部などの主要部品の開発・設計・製造および整備を行います。
IHIが担当するファンケースには,IHIが独自に開発した先進複合材技術が適用されており,エンジンの軽量化,燃費改善に大きく貢献しています。IHIでは,2014年に,複合材の積層・切断から成形,接着,塗装といった工程を1つのラインで行う複合材ファンケースの専門工場を,IHIグループとしては初めて,IAに新設しました。これにより,リードタイムが大幅に短縮し,急激な立ち上がりが計画されている「PW1100G-JM」の量産に対応する体制を整えることに成功しました。
「PW1100G-JM」が搭載される「A320neo」は,2015年第4四半期から商業運航を開始する予定で,民間旅客機の中で最も運航数の多い120~200席クラスの最新型旅客機であり,すでに約4,000機の確定発注がなされています。「PW1100G-JM」も,2014年12月に,米国連邦航空局(FAA)から型式承認が交付され,すでに2,000台以上の受注があり,今後,安定した事業の柱になることが期待されます。
IHIは今後も,新素材や新技術を開発することによって,航空機エンジンの燃費改善に貢献するとともに,航空機エンジン事業を通じて,安全で快適な航空機の運航に貢献していきます。
【参考資料】


提供:一般財団法人日本航空機エンジン協会(JAEC)