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プレスリリース
産業システム・汎用機械

中四国地方初の温泉熱利用の小型バイナリー発電装置を納入

 株式会社IHI(本社:東京都江東区豊洲,代表取締役社長:斎藤保)および株式会社IHI回転機械(本社:東京都江東区東雲,代表取締役社長:前田啓二,以下ICM)は,中四国地方初となる温泉を熱源とするバイナリー方式の発電設備として,小型バイナリー発電装置「ヒートリカバリー“HRシリーズ”」を,「協和地建コンサルタント湯梨浜地熱発電所」(鳥取県東伯郡湯梨浜町)向けに納入しました。10月27日(火)に行われた開所式では,鳥取県の平井伸治知事ほか来賓による除幕が行われました。


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開所式画像:
右から3番目:鳥取県平井伸治知事,
右から4番目:協和地建コンサルタント株式会社 石倉昭和 代表取締役社長


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発電所画像:協和地建コンサルタント湯梨浜地熱発電所

 本発電所は,山陰地域を中心に温泉・水源開発他を実施する協和地建コンサルタント株式会社(所在地:島根県松江市,代表取締役社長:石倉昭和 氏)が,東郷温泉管理協同組合から温泉熱供給を受け,鳥取県および湯梨浜町の東郷温泉温泉熱発電支援事業として補助金の交付を受けたうえで,再生可能エネルギーの固定価格買取制度を用いて売電事業を実施するものです。

 当社の「ヒートリカバリー」は,これまで,他の地域で温泉熱を利用した発電で複数の納入実績があり,少量の温水でも効率よく発電可能なことなどから,本事業に採用されたものです。
発電装置本体はIHIが,冷却塔など付帯設備および建設工事はICMが担当しました。

 「ヒートリカバリー」は,70℃~95℃の温水を利用して少量の温水でも最大で20kWの発電が可能な装置です。この装置で発電した電力は、送電網(商用電源)に接続することが可能なため,自家用として利用可能なだけでなく,地熱(温泉)による再生可能エネルギー固定買取制度を適用した売電も容易であることから,今回の受注へと至りました。

 本発電所では,約90℃の温泉熱を利用して発電するほか,熱回収後の温泉は従来どおり浴用などとして配湯されるだけでなく,2016年4月以降は,湯梨浜町により経済産業省の地熱開発理解促進事業を活用した発電後の熱水の二次利用事業も開始される予定で,地熱資源の利活用がさらに進む計画となっています。
当社では,本装置を2013年に販売開始以来,約50台の受注実績があります。メンテナンス拠点も全国30カ所以上有しており,今後もより少量温水の少ない熱エネルギーで高出力を得ることが可能な非常に高効率の小型バイナリー発電装置を,万全のサポートで安心して利用いただくことにより,再生可能なエネルギーの活用および省エネルギーに貢献していきます。


協和地建コンサルタント株式会社
本社 島根県松江市東津田町1326-1
代表取締役社長 石倉 昭和氏
主要事業 山陰地域を中心に,温泉・水源開発,地熱・地中熱活用,地質調査,地すべり対策,測量・設計などの事業を実施

ヒートリカバリー“HRシリーズ”

HP:http://www.ihi.co.jp/compressor/binary/index.html


-概略構成-

  1. 発電方式:オーガニックランキンサイクルにより70℃~95℃の温水からの発電が可能
  2. 作動媒体:HFC-245fa/電気事業法の小型バイナリー発電の規制緩和に適合した不活性ガス
  3. タービン発電機:ラジアルタービンと高速発電機を直結したダイレクトドライブ構造
  4. パッケージ:オーガニックランキンサイクルを構成する機器を小型パッケージに収めるだけでなく,さらに商用電源への接続を可能にする系統連系機能を標準装備

-特長-

  • 1. 小型・軽量 :幅約2m,奥行き約1.4m,高さ約1.6m,重量約1,900kgとコンパクト
  • 2. 取付けが容易 :温水出入口と冷却水出入口配管,電源系統の接続だけで非常に簡単
  • 3. 静粛・低振動 :タービン発電機は直結構造であるため低騒音。装置の振動もほとんど無い
  • 4. 高操作・起動性 :タッチパネルですべての操作と内部状態の確認が可能。温水と冷却水を流して起動するだけで,自動で発電開始
  • 5. 高温冷却水で発電可能:有機媒体を液化させるための冷却水の温度が30℃(一般的な工場の冷却水の平均的な水温)でも,温水が95℃あれば最大発電出力を得ることができる,効率で導入しやすい仕様
  • オーガニックランキンサイクル:沸点の低い有機媒体を作動媒体として用い,蒸発/液化のサイクルを繰り返し,蒸発した作動媒体でタービン発電機を作動させるもので,低位熱からのエネルギー回収に有効な手法。

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