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プレスリリース
産業システム・汎用機械

世界初の有機溶剤系蒸留プロセスにおける省エネ技術向けコンプレッサーを納入
~IHI初のプロセスガス用ギヤードターボコンプレッサーで30%省エネに寄与~

 IHIは,プロセスガス用ギヤードターボコンプレッサー1台を大手化学メーカーの株式会社ダイセル(社長:札場 操氏,以下、ダイセル)の姫路製造所網干工場(兵庫県姫路市網干区)に納入,試運転を終えて引き渡しを完了しました。

 ダイセルは,世界初の有機溶剤系蒸留プロセスにおける省エネ技術を開発中で、同社主力製品の一つである網干工場の酢酸セルロースの製造設備にVRC(蒸気再圧縮)実証設備を設置し,蒸留塔省エネ化の実証試験を行っています。
 このたび当社が納入したコンプレッサーは,この蒸留プロセスにおいて発生する低温蒸気を圧縮することで高温の蒸気に変えて熱回収を行うVRC技術のキーとなる圧縮機設備として採用されたものです。
 ダイセルのVRCは,有機溶剤系蒸留への適用としては世界初であり,従来利用されていなかった低温蒸気を再利用することで蒸留塔の消費エネルギーを30%も低減できる画期的な技術であり,当社は本システムに対し,コンプレッサー圧縮技術を以て蒸留塔の省エネに寄与しています。

 当社のプロセスガス用ギヤードターボコンプレッサーは,120年以上にわたる各種コンプレッサー設計・製造実績と,プロセスガス用の一軸多段コンプレッサー製造で培ったノウハウを応用して独自開発しました。従来,主に工場用エアおよび空気分離プラント用としてギヤードターボコンプレッサーの製造・販売してきており,世界各地に累計8,000台以上を納入,日本国内においてはトップシェアを誇っています。
 今回受注したギヤードターボコンプレッサーは,プロセスガス用として,ガスの機外漏洩を防止する為に装置の密閉度を高め,処理ガスに応じた接ガス部の材料選定など改良を施したもので,当社のこれまでの豊富な納入実績による高い信頼性により,このたび,IHIギヤードターボコンプレッサーとしては初のプロセスガス用としての採用となりました。
 今後は,今回の納入をきっかけに,プロセスガス用のギヤードターボコンプレッサー分野においても,受注を拡大させていく方針です。


  • VRC:蒸気再圧縮(Vapor Re-Compression)。生産工程などで発生する低温蒸気を圧縮し、再度工程内で熱源として有効活用するシステム。

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