ASEAN初となる事業用発電設備での燃料アンモニアの小規模混焼を実施
~東南アジアでの社会実装の早期化につなぐ~
IHIは,インドネシア国営電力会社PLNの100%子会社であるPT PLN Nusantara Power(ヌサンタラ パワー)(以下,PLN NP)と共同で,Gresik(グレシック)ガス汽力発電所1号ボイラにおいて,燃料アンモニアの小規模混焼をインドネシアで初めて実施しました。
同日行われたセレモニーでの主要関係者集合写真
12日に行った燃料アンモニアの小規模混焼は,当該発電所の1号ボイラのバーナを部分的に少量混焼用バーナに改造し,混焼を実施しました。燃料アンモニアの混焼に向けて,各種設備導入のうえで大きな影響や障壁がないことを示すことができました。また,さらなる混焼率拡大に向けて今後の取り組みのイメージと必要な技術について,両社が共通認識を持つことができました。今回の事業用発電設備における,燃料アンモニアの化石燃料との混焼はインドネシアを含むASEAN諸国では初めての取り組みとなります。
同日行われたセレモニーでは,インドネシア/エネルギー鉱物資源省やPLNから主要幹部も出席し,インドネシア初となる燃料アンモニア混焼の実施について,その技術的先進性や実施意義に対して共通認識を持つことができました。今後のインドネシアにおける発電分野の脱炭素に向けて,意義ある大きな一歩となりました。
インドネシア政府およびPLN,PLN NPは,2060 年までに温室効果ガス排出量ゼロを目指し,火力発電所におけるカーボンニュートラル燃料の利活用を検討しています。これに則り,PLN,PLN NPおよびIHIは,石炭火力を含む火力発電所において,特に燃焼時にCO₂を排出しないアンモニアや,再生可能エネルギーとしてインドネシアで利活用が期待されているバイオマスなどの混焼,さらには専焼技術について,具体的な検討を行っています。本混焼実証を通じて,インドネシアを端緒とした,ASEAN諸国におけるカーボンニュートラル燃料への理解促進および早期社会実装を図ります。
IHIは,本事業を通じて世界全体,ASEAN諸国でのカーボンニュートラル実現に向けた具体的な方法を示し,持続可能なエネルギートランジションを推進します。また,カーボンニュートラル燃料の多様な利用モデルを示すことで,燃料アンモニアを含めたカーボンニュートラル燃料の社会実装の早期実現と,質の高いインフラ提供によるグローバルな環境負荷の低減に貢献してまいります。
なお本取り組みは,一般財団法人海外産業人材育成協会(AOTS)より2022年7月に受託した日アセアン経済産業協力委員会(AMEICC)の「(令和3年度補正予算「アジアグリーン成長プロジェクト推進事業」)発電分野における日本の脱炭素技術のASEAN展開に向けた協力促進事業」に係る業務の一部として実施しております。
少量混焼を行ったGresik(グレシック)ガス汽力発電所
【関連URL】
2022年4月25日 インドネシアの火力発電所において,アンモニア混焼および専焼に向けた技術の検討を開始https://www.ihi.co.jp/all_news/2022/resources_energy_environment/1197852_3473.html
2022年7月27日 日アセアン経済産業協力委員会(AMEICC)拠出金事業による,インドネシアにおけるアンモニア混焼・専焼の検討を本格開始 ~ASEAN諸国の脱炭素化につなげる~
https://www.ihi.co.jp/all_news/2022/resources_energy_environment/1198000_3473.html
なお,7月までのプレスリリースに記載の企業名PT. Pembangkitan Jawa-Bali (PJB)は10月より社名をPT.PLN Nusantara Powerに変更しております。