風力発電は自然エネルギーの主力として、導入が進められています。しかし、一部では風車から発生する騒音・低周波音が問題になるケースが見られます。
INC では、風車発生騒音・低周波音に関する豊富な調査・研究の実績を有しています。風車からの騒音・低周波音の発生・伝搬・放射メカニズムの深い理解に基づき、“風車音の特徴”を捉えた調査・予測が可能です。
こんなご要望にお応えします
風車から発生する騒音・低周波音の特徴
風車から発生する音は、ブレードの回転により発生する空力音(ブレードの風切り音)と風車内部の機器類に起因する機械音が合成された音になります。
風車ブレードの先端は、新幹線ほどのスピード(時速250km 前後)で回転しています。空力音は、高速で空気中を運動するブレードの先端付近から主に発生する風切り音です。
空力音は以下のような特徴を持っています。
- 比較的なだらかな周波数特性(顕著なピーク成分を持たない)を持つ。
- 鋭い指向性を有する。ブレードの回転と指向性の複合により、風車周囲では音のレベルがブレードの通過にあわせて周期的に変動する(スイッシュ音、スウォッシュ音などと呼ばれる)。
- 回転が早くなるにつれて音のレベルが上昇する。回転が一定(定格回転数、大型風車では毎分20 回転程度)に達すると、風速が高くなってもそれほど上昇しなくなる。
機械音は、増速機(歯車)、発電機、冷却ファンなどの風車に内蔵される機器類に起因する騒音です。特に増速機(歯車)の振動がタワーに伝わり、外部へ放射される音(固体伝搬音)が顕著な場合が見られます(図参照)。
機械音には以下のような特徴が見られます。
- 機器固有の回転数、歯車枚数などによって定まる周波数のピーク成分を持つ(卓越性騒音)。このため、空力音よりも耳につきやすい傾向がある。
- 風車機種によって機械音のレベルや周波数が異なる。
INC の風車騒音・低周波音計測技術
風車の騒音・低周波音の計測は、通常の機械などの騒音の計測と異なる難しさがあります。自然の風の力で稼働するため、風の強さ、風向は刻々と変化していきます。また、マイクロホンも風にさらされるため、風雑音(マイクロホンに風があたったときに発生)を防ぐ必要があります。
INC はこれらの要因による影響をなるべく少なくし、より正確で効率的な計測方法を提案します。
- 様々な風況でのデータ収集のための効率的な長期間計測
- 風雑音を低減する特殊風防の採用(風コナークン)
- 音の発生部位を特定する音源探査計測
- 発生源側と受音側同時計測による伝搬状況確認
- JIS C 1400-11 に基づく計測
風力発電設備・ウインドファーム・風車の騒音予測・騒音シミュレーション
風力発電設備・ウインドファームの計画時には、周辺地域への騒音の影響の把握が必要です。そのために正確な騒音予測・騒音シミュレーションが重要となります。
INC は、プラント・工場等を対象とした長年の騒音伝搬予測の経験と、風車発生音の知識を組み合わせた精度の高い騒音予測・騒音シミュレーションを提供致します。
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