2024年度のリスク管理活動
IHIグループは、一連の不適切事案の発覚を受け、ほかにも潜在的な不適切事案がある場合は早期発見し対応するため、グループ従業員向けCEOメッセージを通じて、不適切事案の自主申告を促しました。
また、内部監査部と法務部の合同で、社外コンサルタントを起用して、カルテル・談合に関するテーマ監査を実施しました。各製品・サービスの市場環境などを踏まえた独占禁止法違反リスクの評価を行い、リスクの高い製品・サービスから優先的に往査を実施しました。
コンプライアンス・ホットライン
IHIグループは、「IHIグループコンプライアンス・ホットラインに関する基本規程」に基づき、法務部が主管となりコンプライアンス・ホットラインを運用しています。このホットラインは、法令、社内規定や社内外のルールに対する違反やその恐れのある行為などを未然にあるいは早期に把握し、適切な是正を図るための内部通報制度です。同規程では、通報者に対して、通報したことについて不利益な取り扱いや嫌がらせなどを行うことを禁止しており、これに違反した者は就業規則に従い処分されます。また、通報は匿名でも受け付けているほか、通報された内容および調査によって把握した情報は漏洩がないよう保護されます。
IHIグループでは、このホットラインについてグループ従業員が閲覧できる社内ウェブサイトに利用方法や運用方針を掲載しているほか、グループ内のコンプライアンス関連の研修などで周知を行っています。
IHIグループの役員、従業員および派遣従業員などはこのホットラインを利用して、所属部門を通さずに社外の専門機関に直接通報・相談できます。
国内に限らず、海外でも運用しており、通報は各国・地域で主に使用される言語でも受け付けています。
さらに、コンプライアンスに関するリスクをモニタリングし、対応を具体化できるように、通報件数とその内容、従業員意識調査との関連などを踏まえた評価を行い、各部門によるリスク傾向の特定と対応策の策定を支援しています。
コンプライアンス・ホットラインの仕組み
品質・コンプライアンス研修
IHIグループは、2019年度より「品質・コンプライアンス研修」を全グループ会社に展開し、全役職員※を対象として1年に1回以上実施しています。本研修は、「IHIグループ行動規範」と「IHIグループ品質宣言」を浸透・定着させるためのものであり、「IHIグループ基本行動指針」にも触れる内容となっています。
また、2020年度より、品質問題への理解を深めることを目的に、品質に関連したコンプライアンス問題が発生するメカニズムや本質的な原因、発生防止のために何をすべきかを、事例を通して学ぶ品質コンプライアンス教育を実施しています。
2024年度は、品質事案の発覚があったことを受け、当該関係会社の全管理職を対象に、特別研修を実施しました。さらに、より深い意識の浸透・定着を目的に当該関係会社の全従業員を対象としたワークショップも実施しました。
役員、従業員、派遣従業員、再雇用者、顧問・嘱託、パート、期間従業員
従業員への浸透
IHIグループは、従業員へのコンプライアンス意識の浸透のため、身近なコンプライアンスの話題を提供する「コンプライアンス通信」を、コンプライアンス担当者を通じて従業員に毎月配信しています。また、社会で話題になっている直近のコンプライアンス問題などを「法務トピックス」として取り上げ解説した記事を、従業員が閲覧できる社内ウェブサイトに年3回程度掲載し、メールでの配信も行っています。