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企業倫理・コンプライアンス

考え方

IHIグループは、「IHIグループコンプライアンス基本規程」に基づき、コンプライアンスを推進しています。
この取り組みは、法令遵守にとどまらず、変化する社会の価値観や社会からの要請を的確に把握し、社会の期待に応えることを目的にしています。
また、IHIグループは、社会とお客さまと共に持続的な成長を遂げるためには、ステークホルダーからの期待に応え、信頼を得ることが重要と考えています。この考え方に基づいて、私たちが実践すべきことを「IHIグループ基本行動指針」にまとめています。
さらに、2019年の民間航空機エンジン整備事業における不適切事案を受けて、「IHIグループ基本行動指針」を遵守するためにIHIグループの役員および従業員が日々の業務においていかに判断し行動すべきかを示す「IHIグループ行動規範」を定め、コンプライアンスの日(5月10日)を制定し、トップメッセージの配信などの諸活動を行っています。

組織風土の改革に向けて

IHIグループは、2024年4月にIHI原動機における船舶用および陸上用エンジンの燃料消費率に関する不適切行為、2024年7月に新潟トランシスにおける道路用除雪車の除雪性能に関する不適切行為を相次いで公表しました。また、2025年3月にはIHI運搬機械において独占禁止法に違反する行為があったことが認定されました。
IHIグループは、このような状況を踏まえ、改めて法令違反や不正が起こらないような仕組みづくり、組織や人事体制の構築、組織風土の改革を徹底して行っていきます。

方針

IHIグループ基本行動指針

私たちIHIグループは、「技術をもって社会の発展に貢献する」、「人材こそが最大かつ唯一の財産である」との経営理念のもとに、地球的課題を意識し、お客さまや取引先、株主のみなさまはもちろん、ともに働く人びと、そして地域社会や国際社会の期待に応えるために私たちがなすべきことを自ら実践し、それぞれからの信頼を得ることによって将来にわたって企業としての存在価値を高めることに努めます。

あらゆる場面に共通する私たちの基本的な態度

法の支配の尊重と倫理的な行動
私たちは、法令の意味するところを理解したうえでこれを大切に守り、社会的なルールや国際的な取り決めにも反することのないよう、誠実、公正を旨として倫理的に行動します。
人権の尊重
私たちは、人権の重要性を十分に認識し、事業活動のなかで常に尊重するよう努めます。
相互理解の促進
私たちは、私たちを取り巻く人びとと互いに理解しあうために、事業活動に関わる情報を発信し、それが周囲に与える影響について説明するとともに、常日頃から意見を交換することに努めます。

私たちを取り巻く人びとや社会・環境に対する責任

製品・サービスをとおしてつながる人びとに対する責任
  1. 私たちは、事業を行なうにあたって関わる人びとと互いに信頼できる関係を築き、持てる能力を最大限に活用し、様々な分野の社会的課題の解決に役立ち、世界の人びとのさらなる豊かさの実現のための製品・サービスを開発し、提供します。
  2. 私たちは、開発、提供する製品・サービスの安全性に十分配慮するとともに、お客さまおよびユーザの満足を得られているかを確認し、絶えず製品・サービスの水準を高めるように努めます。
  3. 私たちは、取引にあたっては相手に不正な行為や利益を求めたりすることなく、公正で自由な開かれた関係を築きます。
ともに働く人びとに対する責任
私たちは、ともに働くすべての人びとの人格、個性を互いに尊重し、安全で働きやすい環境を確保するとともに、働く人びとのゆとりと豊かさの実現に努めます。
地域社会および国際社会に対する責任
  1. 私たちは、一人ひとりが社会の一員であることを自覚し、社会が抱える課題の解決のために積極的に活動します。
  2. 私たちは、世界のいかなる地域で事業活動を行なうときでも、それぞれの地域固有の文化の価値を理解し、その地域の人びとの期待に応えるよう努めます。
  3. 私たちは、社会の秩序や安全に脅威を与える勢力および団体に対しては毅然とした態度で臨みます。
地球環境に対する責任
私たちは、地球環境がすべての社会・文化の存立基盤であることを認識し、将来の世代の人びとが必要とするものを損なうことのないように注意を払い、製品・サービスの提供のみならずあらゆる事業活動の局面で、地球環境の保全および環境負荷の低減に努めます。

経営幹部の役割と責任

経営幹部の役割
  1. 経営幹部は、この指針の実現が自らの役割であることを認識し、率先垂範してこの指針の趣旨を実践します。
  2. 経営幹部は、ともに働く人びとにこの指針を周知徹底のうえ、実効ある社内体制の整備を行ない、絶えず企業としての価値を高めることに努めます。
経営幹部の責任
経営幹部は、この指針に反するような事態が発生したときには、自ら解決に当たり、原因究明と再発防止に努め、社会に対して迅速かつ的確に情報を開示し、権限と責任を明確にしたうえで、自らを含めて厳正な処分を行ないます。

IHIグループ行動規範

本指針を遵守するため、IHIグループの役員および従業員が日々の業務においていかに判断し行動すべきかの基準として、「IHIグループ行動規範」を定めるものとします。

IHIグループ行動規範

  1. 私たちは、ルールを理解し、守ります。
  2. 私たちは、決して不正な行為を行ないません。
  3. 私たちは、人権を尊重します。
  4. 私たちは、お客さまにお届けする安全と品質を最優先にします。
  5. 私たちは、公平・公正な取引を行ないます。
  6. 私たちは、自らならびに仲間の安全を決して損ないません。
  7. 私たちは、情報を厳格に管理します。
  8. 私たちは、問題が起きたら直ちに報告します。

「IHIグループ基本行動指針・行動規範」の解説書(1.8MB)

IHIグループコンプライアンス基本規程

IHIグループは、「コンプライアンス」について、「IHIグループ基本行動指針」に則り、従業員などが業務に従事するにあたり、次の行動を実践することと定義しています。

  • 法令や社内規定などのルールを大切にし、守ること
  • 企業人として公正で、かつ責任ある行動をとること

ガバナンス

コンプライアンス委員会

IHIグループは、「IHIグループリスク管理基本規程」に基づき設置されたCEOを議長とするリスク管理会議の下で、コンプライアンス委員会を設置しています。
同委員会は、グループコンプライアンス担当役員を委員長、各部門のコンプライアンス実施推進責任者を委員として構成され、競争法違反防止や贈賄防止なども含むコンプライアンスに関わる重要な方針を審議・立案し、活動を推進しています。委員会の活動については、年度初めに前年度の実績および当年度の計画を経営会議で報告しています。
委員会の決定事項は委員を通じて各事業部門に展開され、事業形態に応じたコンプライアンス活動に反映しています。
また、コーポレート部門は、委員会で定めた活動方針に沿ってIHIグループとしてのコンプライアンス活動を企画・実施するとともに、各部門の活動状況をフォローしながら必要な指導や支援を行っています。
なお、経営上特に重要なコンプライアンス関連事項は、取締役会に報告・付議しています。

コンプライアンス体制図

コンプライアンス委員会

委員長 グループコンプライアンス担当役員
委員 各部門のコンプライアンス実施推進責任者
事務局 法務部
2024年度の開催回数 2回

リスク管理

2024年度のリスク管理活動

IHIグループは、一連の不適切事案の発覚を受け、ほかにも潜在的な不適切事案がある場合は早期発見し対応するため、グループ従業員向けCEOメッセージを通じて、不適切事案の自主申告を促しました。
また、内部監査部と法務部の合同で、社外コンサルタントを起用して、カルテル・談合に関するテーマ監査を実施しました。各製品・サービスの市場環境などを踏まえた独占禁止法違反リスクの評価を行い、リスクの高い製品・サービスから優先的に往査を実施しました。

コンプライアンス・ホットライン

IHIグループは、「IHIグループコンプライアンス・ホットラインに関する基本規程」に基づき、法務部が主管となりコンプライアンス・ホットラインを運用しています。このホットラインは、法令、社内規定や社内外のルールに対する違反やその恐れのある行為などを未然にあるいは早期に把握し、適切な是正を図るための内部通報制度です。同規程では、通報者に対して、通報したことについて不利益な取り扱いや嫌がらせなどを行うことを禁止しており、これに違反した者は就業規則に従い処分されます。また、通報は匿名でも受け付けているほか、通報された内容および調査によって把握した情報は漏洩がないよう保護されます。
IHIグループでは、このホットラインについてグループ従業員が閲覧できる社内ウェブサイトに利用方法や運用方針を掲載しているほか、グループ内のコンプライアンス関連の研修などで周知を行っています。
IHIグループの役員、従業員および派遣従業員などはこのホットラインを利用して、所属部門を通さずに社外の専門機関に直接通報・相談できます。
国内に限らず、海外でも運用しており、通報は各国・地域で主に使用される言語でも受け付けています。
さらに、コンプライアンスに関するリスクをモニタリングし、対応を具体化できるように、通報件数とその内容、従業員意識調査との関連などを踏まえた評価を行い、各部門によるリスク傾向の特定と対応策の策定を支援しています。

コンプライアンス・ホットラインの仕組み

品質・コンプライアンス研修

IHIグループは、2019年度より「品質・コンプライアンス研修」を全グループ会社に展開し、全役職員を対象として1年に1回以上実施しています。本研修は、「IHIグループ行動規範」と「IHIグループ品質宣言」を浸透・定着させるためのものであり、「IHIグループ基本行動指針」にも触れる内容となっています。
また、2020年度より、品質問題への理解を深めることを目的に、品質に関連したコンプライアンス問題が発生するメカニズムや本質的な原因、発生防止のために何をすべきかを、事例を通して学ぶ品質コンプライアンス教育を実施しています。
2024年度は、品質事案の発覚があったことを受け、当該関係会社の全管理職を対象に、特別研修を実施しました。さらに、より深い意識の浸透・定着を目的に当該関係会社の全従業員を対象としたワークショップも実施しました。

役員、従業員、派遣従業員、再雇用者、顧問・嘱託、パート、期間従業員

従業員への浸透

IHIグループは、従業員へのコンプライアンス意識の浸透のため、身近なコンプライアンスの話題を提供する「コンプライアンス通信」を、コンプライアンス担当者を通じて従業員に毎月配信しています。また、社会で話題になっている直近のコンプライアンス問題などを「法務トピックス」として取り上げ解説した記事を、従業員が閲覧できる社内ウェブサイトに年3回程度掲載し、メールでの配信も行っています。

指標と目標

コンプライアンス・ホットライン通報件数

(単位:件、対象:IHIおよび関係会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
通報件数 263 286 314 246

うち、コンプライアンス違反認定件数

9

汚職、贈収賄

0

差別、ハラスメント

9

顧客のプライバシーに関するデータ

0

利益相反

0

マネーロンダリング、インサイダー取引

0

コンプライアンス教育の受講者数

(単位:名)

項目 対象範囲 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
品質・コンプライアンス研修 国内 IHIおよび国内子会社 26,243 25,870 25,379 26,566
海外 海外子会社 4,938 5,334 5,072 5,923
役員研修 IHIおよび国内子会社
ライン管理者向け研修 海外子会社
e-ラーニング 国内 21,659 21,635 21,798 21,028
海外

受講者の範囲は、役員、従業員、派遣従業員、再雇用者、顧問・嘱託、パート、期間従業員です。

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