考え方
IHIグループは、IHIグループ基本行動指針にあるとおり、「開発、提供する製品・サービスの安全性に十分配慮するとともに、お客さまおよびユーザの満足を得られているかを確認し、絶えず製品・サービスの水準を高めるように努める」ことを基本として事業を展開しています。製品・サービスの品質は、IHIグループとお客さまや社会とを結ぶ信頼の絆であり、品質の確保は、企業としての社会的使命と存立の基本と考えています。
また、2019年の民間航空エンジン整備事業における不適切事案を受けて、安全と同様に品質を最優先することを示した「IHIグループ品質宣言」を定めました。これは、ものづくりの基本的な考え方と、私たちの「品質」に対する行動や意識を改めて明確にしたものです。
戦略
リスク
IHIグループは、お客さまの満足、安全、安心を実現する製品・サービスを提供するために品質保証体制を構築し、品質を保証する品質マネジメントシステム(QMS)を整備しています。QMSは、お客さまが製品やサービスに求める内容の変化、法的な要求を含めた外部環境の変化などに対して適時適正に見直しを行うことで、常に適切な状態を維持することに努めています。
しかし、想定外の事態が発生した場合には、お客さまの安全性や社会的評価の低下を招くとともに損害賠償などが生じ、IHIグループの業績および財政状態に悪影響をおよぼす可能性があります。
機会
IHIグループにとって品質・製品安全の確保は、顧客満足度の向上、ブランドイメージの強化、そして市場競争力の向上という大きな機会を提供します。
また、品質マネジメントシステムにおける厳格な姿勢は、組織全体の品質保証能力を高め、環境変化に対する適時適正な対応は製品の革新性を促進します。
リスク管理
品質保証活動
IHIグループは、事業所や工場において、ISO9001に代表される品質マネジメントシステム(QMS)の認証を取得した上で事業活動を進めています。認証を得ているQMSは、お客さまの要求により、ISO9001以外の認証を求められるケースがあり、事業の特性上、意図的に外部認証を取得しないケースもあります。この結果、国内事業所・工場のQMS認証取得率は、ISO9001で90.6%、それ以外の規格を含めると96.2%になります。
また、QMSによる品質保証活動をより効果的にする目的で、職場の困りごとを起点とした問題解決を通じて働きやすい職場を実現する活動を2019年から継続しています。優秀な活動についてはグループ全体の成果報告会で発表することで、全社的な浸透を図っています。
製品安全の確保
IHIグループは、製品開発時にライフサイクルに基づくリスクアセスメントを実施し、リスクを可能な限り低減するよう設計上の対策を行います。その上で、残留するリスク情報をお客さまに提供します。
一方、お客さまに提供した製品に製品安全に関わる問題を含め、お客さまや社会からの要求事項を満たさない事案(不適合)が発生した場合は、各組織の品質マネジメントシステム(QMS)によって定められた手順に従い、発生した不適合への処置を行います。
また、これとは別に発生した不適合の再発防止として、問題を深掘りすることで根本原因として仕組みや手順、それらの管理および運用、力量管理や教育、品質に対する意識などにおける問題の有無を明らかにします。そして、それらを包含する QMSの見直しと、必要な教育やトレーニングを進めることで、より確実な再発防止を実現します。
顧客満足度調査
IHIグループは、お客さまへのアンケートやヒアリングなどにより、お客さま満足度を調査しています。調査項目は事業の特性に合わせて決めています。その結果を分析し関連部門で共有して、お客さま満足度をさらに向上させるための改善活動につなげています。
取り組み
従業員への教育・浸透
IHIグループは、従業員の意識向上を目的に、製品・サービスの品質や安全の重要性について、受講者のキャリアや職種に応じた教育・研修などを実施しています。
新規入社者向けには、「IHIグループ品質宣言」について、その内容を理解する研修を行っています。一方、各組織で核となり品質保証を推進するリーダーを育成する教育プログラムも展開しています。また、全従業員向けに「品質改善キャンペーン」として、「IHIグループ品質宣言」の内容を今一度考えるイベントを行い、従業員の同宣言への納得度や問題意識をアンケート調査します。その結果は、次年度の品質重点施策を含む、各種品質保証活動でも活用しています。
製品・サービスに関する情報開示
IHIグループは、事業活動を広くステークホルダーの皆さまに身近に感じていただけるよう、テレビCM・新聞広告・ウェブサイト・SNSなどを通して製品・サービスに関する情報を発信しています。この施策にあたり事実に基づいた正確な情報発信を行うため、社内関連部署と連携し、著作権法や商標法などの関連法規・関連業界規定にのっとった対応を行っています。また定期的な効果測定を実施し、施策を改善しています。