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考え方

IHIグループは、IHIグループの従業員が共通の価値観の下で持てる能力を最大限に発揮できるよう、「IHIグループ人財マネジメント方針」を定めています。
2024年度の改訂で、経営理念、中期経営計画およびグループ人財戦略とそれに基づく人財マネジメント諸施策との関係性を再定義しました。その中で、グループ人財戦略において組織と人財の将来の目指す姿を示すこと、従業員が共有すべき価値観として「求める発揮行動と人財像」を定めて浸透を図ることを明確化し、具体的な施策を展開しています。

方針

IHIグループ人財マネジメント方針

「技術をもって社会の発展に貢献する」「人材こそが最大かつ唯一の財産である」との「経営理念」およびIHIグループの中期経営計画を実現するため、「グループ人財戦略」を定め人財マネジメントの諸施策を実施する。
IHIグループ各社の従業員が共通の価値観のもとで持てる能力を最大限に発揮できるよう、仕組みや環境の整備および風土改革を進める。

全体方針
「グループ人財戦略」において、組織と人財の「将来の目指す姿」を示し、その実現のために、従業員が共有すべき価値観として「求める発揮行動と人財像」を定め、浸透を図る。

ガバナンス

IHIグループは、「グループ経営方針2023」が目指す「持続的な高成長を実現する事業の変革」の実現に向けて克服すべき人財マネジメント上の課題について、「グループ人財戦略2023」での取り組みの方向性を、2024年7月22日の取締役会で報告しています。
また、経営的観点から経営陣が人財マネジメントに関するディスカッションを行う人財委員会や経営会議への定期的な報告のほか、人事部が展開する人財マネジメント施策について人事担当管理職が意見交換を行うHRBP会議を実施しています。

人財マネジメントに関する会議体

会議体名 人財委員会 HRBP会議
目的 経営的観点からの人財マネジメントに関するディスカッション 本社人事部が展開する人財マネジメント施策についての伝達および意見交換
責任者 グループ人財・人事担当役員 人事部長
出席者 代表取締役、人事部長 人事部長、人事部各グループ長、IHIアカデミー長、各事業領域人事担当管理職
2024年度の開催頻度 随時 月1回

戦略

グループ人財戦略2023

IHIグループは、2023年5月に「グループ経営方針2023」を踏まえた「グループ人財戦略2023」を発表しました。
「グループ人財戦略2023」では、経営方針を達成するために、「良い+強い」会社と、個人の「成長+幸せ」の両立を将来の目指す姿として掲げています。そして、その実現に向けた人財と組織の具体的な姿を、「新たなリーダーシップ」「素早い自己変革能力」「従業員の成功/幸せ」「新たなパートナーシップ」の4つで表現し、変革への挑戦を評価する制度改革と風土醸成に取り組んでいます。
また、IHIグループ入社者教育プログラムや、グループ経営方針の重点施策とその施策を実現するために求められる行動を理解し自分事化するためのワークショップなど、さまざまな機会を活用し海外を含むグループ全従業員への浸透を図っています。

グループ人財戦略2023<将来の目指す姿>

「求める発揮行動」と「求める人財像」

IHIグループでは、「グループ経営方針2023」、「グループ人財戦略2023」で目指す姿を実現するため、従業員一人一人に求められる人財像を7項目の「求める人財像」として定めています。そのうち、「①課題設定」「②挑戦」「③越境」「④実践」の4項目を、変革へ挑戦する組織風土を醸成するために会社が奨励する行動=「求める発揮行動」として示しています。また、求める発揮行動以外の3項目は、「⑤高い専門性」「⑥社会とお客さまのために」「⑦倫理観とコンプライアンス意識」であり、従来もこれからも変わらず従業員に求められるスキルやマインドとして設定しています。
「求める発揮行動」や「求める人財像」は評価項目としても位置付けられており、評価結果を処遇や育成、日々のマネジメントと結び付けることで、従業員一人一人の行動変容とそれを通じた変革実現を促進するために活用しています。

リスク

IHIグループの事業基盤を維持し、将来の成長につなげていくためには、事業活動に必要な人財の獲得、定着、育成、適正配置が必要になります。外部人財の獲得や変革人財などのキーパーソンとなりうる人財の確保・育成ができなかった場合、適正な配置を実行できなかった場合には、IHIグループの将来の成長、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

機会

IHIグループの従業員一人一人が、経営理念や中期経営方針、人財戦略に示す将来の目指す姿や求める発揮行動を理解することで、社会における企業としての使命や自身の役割の重要性に自覚が高まります。それにより、従業員の行動変容とそれを通じた変革の実現が促進され、事業の社会的価値が高まり、企業価値の向上につながります。

リスク管理

IHIグループでは、人財マネジメントに関する諸施策の進捗や効果を測るため、以下の項目をモニタリングしています。

  1. 採用計画に対する実績
  2. 従業員エンゲージメントサーベイのポイント改善状況
  3. 手上げ式のキャリアチャレンジ制度による異動者数
  4. 選択型研修の受講状況

採用計画に対する実績

IHIグループでは、人財が計画どおりに獲得できているか定量的に把握するため、年に4回、IHIと主要な関係会社(従業員数100名以上の20社)を対象に、採用計画に対する採用実績をモニタリングしています。
2024年度の実績は新卒定期採用384名(計画338名)、キャリア採用468名(計画341名)でした。今後も事業活動に必要な人財の獲得を進めるとともに、新たな人財が定着し早期活躍を可能にする取り組みに注力していきます。

従業員エンゲージメントサーベイのポイント改善状況

IHIグループでは、人財マネジメント諸施策の効果が従業員エンゲージメントに現れると考えているため、国内外の従業員を対象に年1回実施しているエンゲージメントサーベイの結果をモニタリングしています。エンゲージメントサーベイは、戦略・方向性、リーダーシップ、品質・顧客志向、個人の尊重、成長の機会、報酬・福利厚生、業績管理、権限・裁量、リソース、教育・研修、協力体制、業績プロセス・組織体制などの項目から構成されています。
2024年度は、従業員エンゲージメントが55ポイントとなり、2023年度の調査に続き2年連続で1ポイント改善しており、「社員を生かす環境」、「成長の機会」、「個人の尊重」が特に向上しています。
また、2023年度の調査結果について、分析方法と対策立案に向けた気づきを得るための説明会を実施した上で、各部門が対策に取り組んだ結果「調査後アクション」の肯定率も改善しています。

手上げ式のキャリアチャレンジ制度による異動者数

IHIグループでは、「グループ人財戦略2023」で推奨している「自律的なキャリア形成」の浸透度を測るため、その指標の一つとして、手上げ式の異動方式であるキャリアチャレンジ制度(グループ内公募制度)による異動者数をモニタリングしています。2024年度は56名がこの制度を利用して異動しており、制度導入以来、405名が新たなキャリアにチャレンジしています。

選択型研修の受講状況

IHIグループでは、教育・研修を通じた人財の育成状況を把握するため、選択型研修の受講状況をモニタリングしています。
2021年度からe-ラーニングを中心とした選択型研修の提供を開始した結果、開始前の2020年度(1,948名)に対し、年間の延べ受講者数は約25,000名以上となっています。

指標と目標

エンゲージメント

従業員意識調査

(単位:ポイント、対象:IHIおよび関係会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
従業員エンゲージメント指数(100点満点) 54 53 54 55
従業員意識調査の回答率 88% 84% 83% 85%

労働組合に加入している従業員の割合

(対象:IHIおよび国内関係会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
労働組合に加入している従業員の割合 59% 60% 62% 63%

労働に関する苦情受付件数

(単位:件、対象:IHI)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
労働に関する苦情受付件数 0 0 0 0

従業員数

グループ従業員数

(単位:名、対象:IHIおよび連結子会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
連結従業員数 28,801 28,486 28,237 27,990
IHI従業員数 7,779 7,768 7,840 7,911

男性

6,727 6,695 6,753 6,773

女性

1,052 1,073 1,087 1,138

女性従業員比率

13.5% 13.8% 13.9% 14.4%

地域別従業員数

(単位:名、対象:IHIおよび連結子会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
日本 21,390 21,266 21,187 21,316
アジア・オセアニア 4,053 3,902 3,912 3,723
米州 1,291 1,406 1,443 1,284
欧州・中東・アフリカ 2,067 1,912 1,695 1,667

事業部門別従業員数

(単位:名、対象:IHIおよび連結子会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
資源・エネルギー・環境 6,514 6,626 6,434 5,973
社会基盤 2,443 2,344 2,396 2,379
産業システム・汎用機械 9,797 9,645 9,574 9,292
航空・宇宙・防衛 7,062 7,010 7,111 7,520
その他 1,945 1,802 1,624 1,601
全社(共通) 1,040 1,059 1,098 1,225

世代別従業員数(男女別)

(単位:名、対象:IHI)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
30歳未満 1,401 1,452 1,137 1,085

男性

1,261 978 925

女性

191 159 160
30〜39歳 2,327 2,341 2,405 2,424

男性

2,035 2,101 2,102

女性

306 304 322
40〜49歳 2,086 2,090 2,014 2,000

男性

1,745 1,720 1,704

女性

345 294 296
50〜59歳 1,687 1,664 1,912 1,997

男性

1,445 1,610 1,677

女性

219 302 320
60歳以上 278 221 372 405

男性

209 344 365

女性

12 28 40

外国籍従業員数・比率

(単位:名、対象:IHI)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
外国籍従業員数 74 66 59 36
外国籍従業員比率 0.9% 0.8% 0.8% 0.5%

各年4月1日時点、2024年度に集計範囲の見直しを行いました。

国籍別従業員数・比率※1

(単位:名、対象:IHI)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
日本 従業員数 7,875
比率 99.50%
中国 従業員数 11
比率 0.14%
韓国 従業員数 10
比率 0.13%
フランス 従業員数 2
比率 0.03%
タイ 従業員数 2
比率 0.03%
その他※2 従業員数 11
比率 0.14%
  1. 比率は四捨五入しているため、合計値は100%になっていません。
  2. イギリス、インド、イタリア、ケニア、ケイマン諸島、モンゴル、マレーシア、フィリピン、ロシア、スウェーデン、アメリカ各1名

雇用形態別従業員数

(単位:名、対象:IHI)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
正規従業員数

一般従業員

7,400 7,358 7,416 7,479

男性

6,397 6,339 6,381 6,392

女性

1,003 1,019 1,035 1,087

女性従業員比率

13.6% 13.8% 14.0% 14.5%

受入出向者

270 283 286 283

男性

222 232 238 237

女性

48 51 48 46

女性従業員比率

17.8% 18.0% 16.8% 16.3%
非正規従業員数

再雇用者

109 127 138 149

男性

108 124 134 144

女性

1 3 4 5

女性従業員比率

0.9% 2.4% 2.9% 3.4%

顧問・嘱託

102 117 129 140

男性

97 109 120 132

女性

5 8 9 8

女性従業員比率

4.9% 6.8% 7.0% 5.7%

パート

453 436 453 466

男性

81 77 73 71

女性

372 359 380 395

女性従業員比率

82.1% 82.3% 83.9% 84.8%

期間従業員

35 15 31 28

男性

24 9 18 19

女性

11 6 13 9

女性従業員比率

31.4% 40.0% 41.9% 32.1%

派遣従業員数

(単位:名、対象:IHI)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
派遣従業員数 986 998 823 1,161

IHIグループでは、派遣従業員について性別情報の取り扱いへの配慮から、2023年度実績値より、男女別の人数開示を行わないこととしました。

勤続・離職の状況

平均勤続年数

(単位:年、対象:IHI)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
全従業員 16.1 16.5 16.6 16.1
男性従業員 16.2 16.6 16.7 16.2
女性従業員 15.4 15.8 16.0 15.4

離職率

(対象:IHI)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
総離職率 3.1% 2.7% 2.8% 2.7%

男性

3.0%

女性

1.4%
自己都合退職率 1.6% 1.5% 1.5% 1.5%
年齢別
自己都合退職率

30歳未満

3.9% 3.7% 3.0% 2.3%

30〜39歳

2.5% 1.9% 0.6% 1.8%

40〜49歳

0.5% 0.5% 1.0% 1.2%

50〜59歳

2.4% 0.1% 0.2% 3.0%

60歳以上

37.6% 26.4% 14.5% 16.6%
入社3年目以内の離職率 3.4% 5.5% 5.3% 4.6%

離職者数

(単位:名、対象:IHI)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
1年間の離職者数 248 203 208 209

男性

232 175 182 194

女性

16 28 26 15

女性比率

6.5% 13.8% 12.5% 7.2%

採用実績

新卒およびキャリア採用実績

(単位:名、対象:IHIおよび国内関係会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
採用者総数 194 196 685 852

男性

153 156 577 682

女性

41 40 108 170

女性比率

21.1% 20.4% 15.8% 20.0%
新卒採用総数 109 98 358 384

男性

87 84 302 320

女性

22 14 56 64

女性比率

20.2% 14.3% 15.6% 16.7%
キャリア採用総数 85 98 327 468

男性

66 72 275 362

女性

19 26 52 106

女性比率

22.4% 26.5% 15.9% 22.6%

2023年度から、集計範囲をIHI単体からIHIおよび国内関係会社に変更しました。

年齢層別の採用実績

(単位:名、対象:IHI)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
年齢別 30歳未満 140 116 152 189
30~39歳 28 24 56 81
40~49歳 8 12 30 36
50~59歳 5 4 16 16
60歳以上 2 4 3 6

内部採用で充当したオープンポジションの割合(管理職のみ)

(対象:IHI)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
内部採用で充当したオープンポジションの割合(管理職のみ) 97.3%

従業員1名当たりの平均採用コスト

(単位:円、対象:IHI)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
従業員1名当たりの平均採用コスト 711,528 1,040,766 1,103,790

キャリアチャレンジ制度による異動者数

(単位:名、対象:IHIおよび国内関係会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
異動者数 67 112 89 56

研修の実績

主な教育の受講者数と受講時間数、従業員1人当たりの研修時間

(対象:IHIおよび国内関係会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
職位別研修 受講者数 672名 795名 871名 920名
受講時間 24,028時間 25,960時間 29,616時間 19,726時間
選択型研修 受講者数(延べ) 17,430名 37,057名 27,920名 33,808名
受講時間 49,648時間 88,822時間 71,348時間 79,248時間
会社指定講座 受講者数(延べ) 253,716名 282,415名 412,942名 362,973名
受講時間 188,927時間 170,164時間 362,415時間 206,858時間
経営幹部候補者研修 受講者数(延べ) 132名 118名 359名 144名
受講時間 13,992時間 10,525時間 47,444時間 5,762時間
プロフェッショナル教育 受講者数(延べ) 275名 249名 186名 180名
受講時間 8,443時間 7,615時間 5,725時間 5,289時間
IHI部門独自/関係会社独自研修 受講者数(延べ) 70,147名 63,752名
受講時間 216,303時間 178,460時間
従業員1人当たりの研修時間 12.1時間 14.3時間 34.9時間 23.4時間

従業員1人当たりの教育研修費用

(対象:IHIおよび国内関係会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
教育研修費用 23,512円 40,380円 40,432円

キャリア開発

キャリア開発に関して定期的なレビューを受けている従業員数(男女別)

(単位:名、対象:IHIおよび国内関係会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
総数 15,327 14,939 14,455

男性

13,024 12,605 12,191

女性

2,303 2,334 2,264

高度技能者認定制度認定者数

(単位:名、対象:IHI)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
認定者数 41 41 37 38

相馬

12 12 15 16

瑞穂

13 10 8 8

富岡

2 1 1 1

横浜

4 9 5 5

相生

3 3 3 3

7 6 5 5

取り組み

採用

新卒採用

IHIグループは、多様化する学生のキャリア観や早期化する就活スケジュールを捉え、現場におけるインターンシップのテーマ数や受け入れ人数の増加を進めています。学生時代の研究内容が、IHIグループに入社してどのように社会の発展に貢献できるのか、インターンシップによって具体的にイメージしてもらうことで当社事業への理解を深め、志望度の向上と入社後の早期離職防止につなげています。

キャリア採用

IHIグループは「グループ人財戦略2023」に掲げる事業と企業体質の変革を成し遂げるため、IHIグループの知見が不足している事業・技術分野に、継続的に外部から人財を獲得し、活躍を推進するとともにその知識の内部化を進めています。
「成長事業」と位置付けている「航空・宇宙・防衛事業領域」においても、キャリア採用者がこれまでの経験、高い技術力や専門性、IHIとは異なる視点・価値観を生かし活躍しています。

人財育成プログラム

IHIグループでは、従業員一人一人のキャリアプラン実現に向けた挑戦と学びをサポートするための「キャリア形成支援プログラム」や、その実現を支援するための教育体系を整備しています。
2023年4月に発足したCEO直属のIHIアカデミーでは、IHIグループの変革をリードし、グローバルで活躍できる経営・DX人財および専門人財の育成を行っています。
職位別研修では、新規入社者への導入研修のほか、新任基幹職、新任職長、新任班長を対象に、その職位に必要な知識・スキルを身に付けるための研修を実施しています。
グローバル人財育成では、海外生産拠点やプロジェクトにおける主要業務の経験を計画的に積むとともに、海外赴任前には、グローバルコミュニケーションスキルや異文化対応力に関する講座などを実施しています。
また、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」を重視した研修も実施しています。

変革をリードするグローバルで通用する経営・専門人財の育成

「IHIアカデミー」では、IHIグループの変革をリードする“グローバルで活躍する経営・専門人財”の育成を進めるため、経営・DX分野と高度専門分野を2本柱としてプログラムを展開しています。共通する特徴は、アクションラーニングを採用していることで、受講者に対して育成・学びの成果を実務に求め、社会やお客さまに対して価値を提供し続けるための構想力と組織を動かすリーダーシップが磨けるプログラムとしています。
アカデミー発足以降2年間での育成者は、全プログラムの延べ人数で372名(経営・DX分野315名、高度専門分野57名)となっています。
また、経営・DX分野のエントリープログラムとなる「Growth」プログラムでは公募制を導入し、将来世代の意欲のある多様な人財の発掘・確保に取り組んでいます。

アクションラーニング:現実の課題を題材として、戦略や解決策の策定・実行・内省をとおし、個人・組織の学習する力を高める学習法

次世代経営リーダー育成研修

IHIグループは、次世代経営リーダーに対し、未経験の領域でも課題の構造を捉え全体最適の視点で変革を推し進める変革のリーダーシップと、IHIグループの経営課題を認識した具体的な事業運営への実践を求めています。そのため、2024年度の次世代経営リーダー育成研修では、投資家へのプレゼンテーションを模擬した「サステナビリティ経営」プログラムのほか、品質、DX、AIなど、現在の重点施策や経営課題に結び付いたプログラムを実施しました。
今後も次世代経営リーダーに求められる要素を考慮し、必要となるプログラムを提供していきます。

DX人財育成研修

IHIグループが、これからの社会課題の解決やお客さまへの価値提供をタイムリーに行い事業を展開していくためには、デジタル・生成AIなどの活用が必須となります。
IHIグループでは、経営リーダーに求めるDX推進上の役割をデジタルスキル標準(IPA)におけるビジネスアーキテクトであると定義し、必要な知識・スキルを身に付けてもらうため、受講者の現在の傾向を踏まえたDXマインドセットや生成AIへの理解促進と活用などを含むプログラムを実施しています。
これらのプログラムは、全社的なDX推進を統括する高度情報マネジメント統括本部と連携して設計・実施しており、デジタル時代の経営課題に対応できる人財の育成を加速し、企業価値のさらなる向上を目指しています。

プロフェッショナル育成研修

IHIグループでは、品質・設計・生産、ものづくり・知的財産の各分野における高い専門性を持つ変革リーダーの育成に取り組んでいます。それぞれの専門分野における知識を習得するだけでなく、ライフサイクルビジネスの視点やデジタル活用の視点も取り込み、あるべき姿の策定や事業環境の分析を通じて課題を抽出し、解決に向けた戦略策定と実行に取り組むプログラムとなっています。

人財育成の全体像

IHIグループ教育研修プログラム

選択型研修

IHIグループは、「グループ人財戦略2023」に基づき、従業員の自律的なキャリア形成およびスキル開発を支援しています。従業員一人一人のキャリアプランに応じて、自ら選択し、いつでも・どこでも・誰でも学べる仕組みとして、選択型研修を2021年度から整備・拡充しています。
2024年度は、約450講座の提供に加え、新たにOffice関連講座を追加するなど、講座内容をさらに充実させました。また、「IHIグループラーニングプラットフォーム」の機能を強化し、QAを辿ることで自分に合った講座が見つかる「講座ナビゲーション」や、職能等級に応じ推奨講座を表示する「おすすめ講座ページ」を新たに導入しました。さらに、受講促進を目的として、受講推奨講座のPRメールを定期的に配信するなど、従業員が学びやすい環境の整備を一層進めています。

キャリア形成支援制度

キャリア形成支援プログラム

IHIグループでは、従業員の自律的なキャリアデザインの浸透とワークキャリア・ライフキャリアの充実を図るために、 一人一人が活躍できる環境づくりの一つとして、キャリアデザインをサポートする「キャリア形成支援プログラム」を提供しています。このプログラムの下、将来的に充実したキャリアを歩むためのスキルや能力の開発計画を自ら考え、実行できるようにすることを目的に、キャリアステージに合わせたキャリアデザインセミナーを開催しています。
また、キャリアプラン作成支援の一環として、社内外のキャリアアドバイザーと1対1で自身のキャリアプランを考えることができる支援窓口を運営しており、これまでに延べ約250名が利用しています。

キャリア・デべロップメント・プログラム(CDP)

IHIグループでは、キャリア形成・能力開発の基本的な枠組みを「キャリア・デベロップメント・プログラム(略称:CDP)」として実施しています。自律的なキャリア形成を促す仕組みとして、2019年度よりグループ共通の個人別キャリア開発プログラムとして導入しており、一人一人が作成するキャリアプラン(未来設計図)を起点に、その実現に向けて、どのような挑戦や学びに取り組んでいくかを上司と話し合い、具体的な計画に落とし込んで実行しています。
この仕組みにより、従業員一人一人が、自律的に自身のキャリアプランを考え、業務や教育などの機会を通じて成長し、学び続けることを支援しています。

キャリアチャレンジ制度

IHIグループでは、従業員の自律的なキャリア形成およびスキル開発の機会を提供すること、またIHIグループ内の双方向的な人財異動を促進することで人財の機動的な最適配置を実現することを目的としたキャリアチャレンジ制度(グループ内公募制度)を導入しています。常時掲載されている各部門からの求人案件に対して、応募条件を満たした従業員が自ら応募し、求人部門による選考などを通じて、求人部門と応募者の双方が合意することで異動が成立する仕組みです。
制度導入から2024年度末までに、405名の従業員がこの制度を活用して異動し、新たなキャリアにチャレンジしています。

ジョブクラフティング・キャリアシフトへの支援

IHIグループでは、40歳代・50歳代の従業員が仕事へのモチベーションを高めることへのサポートとして、仕事の意味付けと役割を改めて明確化したり、新しい視点を取り入れたりするためのジョブクラフティング研修を、所属会社や職位に関係なく希望者へ提供しています。
また、IHIに在籍する管理職を対象とする「キャリアシフト・プログラム」を整備しており、50歳になる前にキャリア研修を受講した上で、以降の働き方を複数のキャリアコースから選択できるようにしています。コースの中には、主体的に社外に転進して第2の人生を切り拓こうとする人を支援する「キャリアシフトサポート制度」も準備しており、制度利用者には年齢に応じたキャリアシフト退職加算金が支給されます。

異動・配置

IHIグループは、異部門間ローテーションや社外研修派遣、パートナー企業・官公庁・スタートアップ企業への派遣、大学・研究機関や他社との共同開発への参加など、多様な経験・異なる視点を身に付けられる越境・挑戦・実践の機会を提供しています。
また、従業員一人一人の自律的なキャリア形成に対応するため、キャリアチャレンジ制度(グループ内公募制度)も継続的に実施しています。
さらに、IHIアカデミーでは実践を通じた成長を重視しており、志を持つ人財を高難度なミッションや重要ポジションへ配置・登用することも行っています。目指すキャリアに必要なリーダーシップやスキルを実務で磨くべく、変革リーダーたちが新たなミッションに日々挑戦しています。

社外研修

IHIグループは、社外研修派遣や社外活動・学会への派遣など、社外の人財との積極的な交流を通じて、多様な経験・異なる視点を身に付ける機会を提供しています。
社外研修では、専門的なスキルを深化させるだけでなく、業界の最新動向や他の企業のベストプラクティスを学んでいます。
社外活動では、従業員は多様なバックグラウンドを持つ人びとと交流し、異なる視点やアイデアを自社に取り入れる可能性を広げています。
学会への参加は、最先端の研究や技術の理解を深めるだけでなく、他の専門家とのネットワークを広げる機会となっています。

社外での兼業、社内での副業

IHIグループでは、従業員がキャリアの自己実現や成長に向けて、自律的・主体的に考え、新たなことに挑戦する場を提供しています。その一環として、社内外での多様な経験を促し、多様な視点・発想を経営に生かしていく目的で、社外での兼業(セカンドジョブ)や社内での副業の促進に取り組んでいます。
一例では、社外兼業での大学・研究機関、行政機関・スタートアップへの参画や、社内副業でのSTEAM教育企画、ジェンダーギャップ解消、グリーンダイヤモンド事業検討などの活動テーマがあります。
2024年度においては、社外での兼業約130件、社内での副業約45件、延べ約130名の活動が登録されています。

業績評価

IHIグループでは、期初に上司・部下間で面談を実施した上で年間の目標を設定し、原則として月1回以上の1on1面談をはじめとした日常的なコミュニケーションを通じて、目標の進捗を確認していきます。年度末には年間の業績を踏まえて評価を行い、評価後は上司から部下へフィードバックを行うことで次年度以降の改善につなげています。
また、会社業績への著しい貢献や業務上の有益な発明・考案、従業員の模範となる行為などがあった場合に、その功労を称える全社表彰制度を設け、チーム単位での業績を評価する仕組みを整備しています。

60歳以上の従業員の活躍推進

IHIグループは、シニア従業員のさまざまな場面での活躍を推進しています。従業員一人一人が満60歳から満65歳の間で自ら定年年齢を選択できる選択定年制度に加え、年齢にかかわらず挑戦を奨励し60歳以降においても昇進を可能とする制度を導入し、多くのシニア従業員が活躍しています。
2025年4月には、60歳以降の従業員の賃金を減額する仕組みを廃止しました。また、多様な働き方を認め、幅広い年齢層の活躍を促すため、60歳以降の従業員が週休3日制を選択できる制度を導入するなど、シニア人財のさらなる活躍を促す仕組みを整備しています。

その他の支援制度

学び直し

IHIグループは、事業環境の変化や技術革新に対応して、必要な知識やスキル、技術・技能をプロアクティブに身に付ける「リスキリング」のための研修プログラムの充実に取り組んでいます。
また、人財のリソースシフトと最適配置を進める中で、業務内容が変わる従業員の早期活躍のための支援プログラムを提供しています。

技能伝承

IHIグループは、ものづくり技術を支える拠点である各工場で、溶接・機械加工などコア技能の伝承に取り組んでいます。それぞれの分野において専門性の高い技能を有し、後進育成に取り組む役割を担う従業員を高度技能者と認定し(高度技能者認定制度)、計画的な技能伝承を推進しています。

IHIグループ人材開発交流センター

IHIグループ人材開発交流センター「I-STEP湘南」(神奈川県横須賀市)は、国内外のグループ従業員を対象とした研修および会議施設です。この施設は、IHIグループの仲間が集い、企業理念や価値観を共有し、活発なコミュニケーションを図りながら、共に学び成長する場として活用されています。また、従業員とその家族のウェルビーイング(Well-Being)の向上を目指し、保養の取り組みも充実させています。

公正・適切な処遇

IHIグループでは、公正・適切な処遇を実現するため、労使間での真摯な対話を通じ、賃金の引き上げに取り組んでいます。
また、「パートタイム・有期雇用労働法」に基づき、同一労働同一賃金を原則として、それぞれの業務や責任の範囲に応じた適切な取り扱いを行い、不合理な格差が生じないよう人事制度の整備を行っています。また、グローバルで最低賃金以上となることを原則としています。

期間従業員の正規従業員への登用

IHIは、期間従業員の中から正規従業員へ登用する仕組みを導入しています。これは期間従業員の中から、本人の希望の下、一定の基準を満たした従業員を正規従業員に登用する制度です。

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