採用
新卒採用
IHIグループは、多様化する学生のキャリア観や早期化する就活スケジュールを捉え、現場におけるインターンシップのテーマ数や受け入れ人数の増加を進めています。学生時代の研究内容が、IHIグループに入社してどのように社会の発展に貢献できるのか、インターンシップによって具体的にイメージしてもらうことで当社事業への理解を深め、志望度の向上と入社後の早期離職防止につなげています。
キャリア採用
IHIグループは「グループ人財戦略2023」に掲げる事業と企業体質の変革を成し遂げるため、IHIグループの知見が不足している事業・技術分野に、継続的に外部から人財を獲得し、活躍を推進するとともにその知識の内部化を進めています。
「成長事業」と位置付けている「航空・宇宙・防衛事業領域」においても、キャリア採用者がこれまでの経験、高い技術力や専門性、IHIとは異なる視点・価値観を生かし活躍しています。
人財育成プログラム
IHIグループでは、従業員一人一人のキャリアプラン実現に向けた挑戦と学びをサポートするための「キャリア形成支援プログラム」や、その実現を支援するための教育体系を整備しています。
2023年4月に発足したCEO直属のIHIアカデミーでは、IHIグループの変革をリードし、グローバルで活躍できる経営・DX人財および専門人財の育成を行っています。
職位別研修では、新規入社者への導入研修のほか、新任基幹職、新任職長、新任班長を対象に、その職位に必要な知識・スキルを身に付けるための研修を実施しています。
グローバル人財育成では、海外生産拠点やプロジェクトにおける主要業務の経験を計画的に積むとともに、海外赴任前には、グローバルコミュニケーションスキルや異文化対応力に関する講座などを実施しています。
また、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」を重視した研修も実施しています。
変革をリードするグローバルで通用する経営・専門人財の育成
「IHIアカデミー」では、IHIグループの変革をリードする“グローバルで活躍する経営・専門人財”の育成を進めるため、経営・DX分野と高度専門分野を2本柱としてプログラムを展開しています。共通する特徴は、アクションラーニング※を採用していることで、受講者に対して育成・学びの成果を実務に求め、社会やお客さまに対して価値を提供し続けるための構想力と組織を動かすリーダーシップが磨けるプログラムとしています。
アカデミー発足以降2年間での育成者は、全プログラムの延べ人数で372名(経営・DX分野315名、高度専門分野57名)となっています。
また、経営・DX分野のエントリープログラムとなる「Growth」プログラムでは公募制を導入し、将来世代の意欲のある多様な人財の発掘・確保に取り組んでいます。
アクションラーニング:現実の課題を題材として、戦略や解決策の策定・実行・内省をとおし、個人・組織の学習する力を高める学習法
次世代経営リーダー育成研修
IHIグループは、次世代経営リーダーに対し、未経験の領域でも課題の構造を捉え全体最適の視点で変革を推し進める変革のリーダーシップと、IHIグループの経営課題を認識した具体的な事業運営への実践を求めています。そのため、2024年度の次世代経営リーダー育成研修では、投資家へのプレゼンテーションを模擬した「サステナビリティ経営」プログラムのほか、品質、DX、AIなど、現在の重点施策や経営課題に結び付いたプログラムを実施しました。
今後も次世代経営リーダーに求められる要素を考慮し、必要となるプログラムを提供していきます。
DX人財育成研修
IHIグループが、これからの社会課題の解決やお客さまへの価値提供をタイムリーに行い事業を展開していくためには、デジタル・生成AIなどの活用が必須となります。
IHIグループでは、経営リーダーに求めるDX推進上の役割をデジタルスキル標準(IPA)におけるビジネスアーキテクトであると定義し、必要な知識・スキルを身に付けてもらうため、受講者の現在の傾向を踏まえたDXマインドセットや生成AIへの理解促進と活用などを含むプログラムを実施しています。
これらのプログラムは、全社的なDX推進を統括する高度情報マネジメント統括本部と連携して設計・実施しており、デジタル時代の経営課題に対応できる人財の育成を加速し、企業価値のさらなる向上を目指しています。
プロフェッショナル育成研修
IHIグループでは、品質・設計・生産、ものづくり・知的財産の各分野における高い専門性を持つ変革リーダーの育成に取り組んでいます。それぞれの専門分野における知識を習得するだけでなく、ライフサイクルビジネスの視点やデジタル活用の視点も取り込み、あるべき姿の策定や事業環境の分析を通じて課題を抽出し、解決に向けた戦略策定と実行に取り組むプログラムとなっています。
人財育成の全体像
IHIグループ教育研修プログラム
選択型研修
IHIグループは、「グループ人財戦略2023」に基づき、従業員の自律的なキャリア形成およびスキル開発を支援しています。従業員一人一人のキャリアプランに応じて、自ら選択し、いつでも・どこでも・誰でも学べる仕組みとして、選択型研修を2021年度から整備・拡充しています。
2024年度は、約450講座の提供に加え、新たにOffice関連講座を追加するなど、講座内容をさらに充実させました。また、「IHIグループラーニングプラットフォーム」の機能を強化し、QAを辿ることで自分に合った講座が見つかる「講座ナビゲーション」や、職能等級に応じ推奨講座を表示する「おすすめ講座ページ」を新たに導入しました。さらに、受講促進を目的として、受講推奨講座のPRメールを定期的に配信するなど、従業員が学びやすい環境の整備を一層進めています。
キャリア形成支援制度
キャリア形成支援プログラム
IHIグループでは、従業員の自律的なキャリアデザインの浸透とワークキャリア・ライフキャリアの充実を図るために、 一人一人が活躍できる環境づくりの一つとして、キャリアデザインをサポートする「キャリア形成支援プログラム」を提供しています。このプログラムの下、将来的に充実したキャリアを歩むためのスキルや能力の開発計画を自ら考え、実行できるようにすることを目的に、キャリアステージに合わせたキャリアデザインセミナーを開催しています。
また、キャリアプラン作成支援の一環として、社内外のキャリアアドバイザーと1対1で自身のキャリアプランを考えることができる支援窓口を運営しており、これまでに延べ約250名が利用しています。
キャリア・デべロップメント・プログラム(CDP)
IHIグループでは、キャリア形成・能力開発の基本的な枠組みを「キャリア・デベロップメント・プログラム(略称:CDP)」として実施しています。自律的なキャリア形成を促す仕組みとして、2019年度よりグループ共通の個人別キャリア開発プログラムとして導入しており、一人一人が作成するキャリアプラン(未来設計図)を起点に、その実現に向けて、どのような挑戦や学びに取り組んでいくかを上司と話し合い、具体的な計画に落とし込んで実行しています。
この仕組みにより、従業員一人一人が、自律的に自身のキャリアプランを考え、業務や教育などの機会を通じて成長し、学び続けることを支援しています。
キャリアチャレンジ制度
IHIグループでは、従業員の自律的なキャリア形成およびスキル開発の機会を提供すること、またIHIグループ内の双方向的な人財異動を促進することで人財の機動的な最適配置を実現することを目的としたキャリアチャレンジ制度(グループ内公募制度)を導入しています。常時掲載されている各部門からの求人案件に対して、応募条件を満たした従業員が自ら応募し、求人部門による選考などを通じて、求人部門と応募者の双方が合意することで異動が成立する仕組みです。
制度導入から2024年度末までに、405名の従業員がこの制度を活用して異動し、新たなキャリアにチャレンジしています。
ジョブクラフティング・キャリアシフトへの支援
IHIグループでは、40歳代・50歳代の従業員が仕事へのモチベーションを高めることへのサポートとして、仕事の意味付けと役割を改めて明確化したり、新しい視点を取り入れたりするためのジョブクラフティング研修を、所属会社や職位に関係なく希望者へ提供しています。
また、IHIに在籍する管理職を対象とする「キャリアシフト・プログラム」を整備しており、50歳になる前にキャリア研修を受講した上で、以降の働き方を複数のキャリアコースから選択できるようにしています。コースの中には、主体的に社外に転進して第2の人生を切り拓こうとする人を支援する「キャリアシフトサポート制度」も準備しており、制度利用者には年齢に応じたキャリアシフト退職加算金が支給されます。
異動・配置
IHIグループは、異部門間ローテーションや社外研修派遣、パートナー企業・官公庁・スタートアップ企業への派遣、大学・研究機関や他社との共同開発への参加など、多様な経験・異なる視点を身に付けられる越境・挑戦・実践の機会を提供しています。
また、従業員一人一人の自律的なキャリア形成に対応するため、キャリアチャレンジ制度(グループ内公募制度)も継続的に実施しています。
さらに、IHIアカデミーでは実践を通じた成長を重視しており、志を持つ人財を高難度なミッションや重要ポジションへ配置・登用することも行っています。目指すキャリアに必要なリーダーシップやスキルを実務で磨くべく、変革リーダーたちが新たなミッションに日々挑戦しています。
社外研修
IHIグループは、社外研修派遣や社外活動・学会への派遣など、社外の人財との積極的な交流を通じて、多様な経験・異なる視点を身に付ける機会を提供しています。
社外研修では、専門的なスキルを深化させるだけでなく、業界の最新動向や他の企業のベストプラクティスを学んでいます。
社外活動では、従業員は多様なバックグラウンドを持つ人びとと交流し、異なる視点やアイデアを自社に取り入れる可能性を広げています。
学会への参加は、最先端の研究や技術の理解を深めるだけでなく、他の専門家とのネットワークを広げる機会となっています。
社外での兼業、社内での副業
IHIグループでは、従業員がキャリアの自己実現や成長に向けて、自律的・主体的に考え、新たなことに挑戦する場を提供しています。その一環として、社内外での多様な経験を促し、多様な視点・発想を経営に生かしていく目的で、社外での兼業(セカンドジョブ)や社内での副業の促進に取り組んでいます。
一例では、社外兼業での大学・研究機関、行政機関・スタートアップへの参画や、社内副業でのSTEAM教育企画、ジェンダーギャップ解消、グリーンダイヤモンド事業検討などの活動テーマがあります。
2024年度においては、社外での兼業約130件、社内での副業約45件、延べ約130名の活動が登録されています。
業績評価
IHIグループでは、期初に上司・部下間で面談を実施した上で年間の目標を設定し、原則として月1回以上の1on1面談をはじめとした日常的なコミュニケーションを通じて、目標の進捗を確認していきます。年度末には年間の業績を踏まえて評価を行い、評価後は上司から部下へフィードバックを行うことで次年度以降の改善につなげています。
また、会社業績への著しい貢献や業務上の有益な発明・考案、従業員の模範となる行為などがあった場合に、その功労を称える全社表彰制度を設け、チーム単位での業績を評価する仕組みを整備しています。
60歳以上の従業員の活躍推進
IHIグループは、シニア従業員のさまざまな場面での活躍を推進しています。従業員一人一人が満60歳から満65歳の間で自ら定年年齢を選択できる選択定年制度に加え、年齢にかかわらず挑戦を奨励し60歳以降においても昇進を可能とする制度を導入し、多くのシニア従業員が活躍しています。
2025年4月には、60歳以降の従業員の賃金を減額する仕組みを廃止しました。また、多様な働き方を認め、幅広い年齢層の活躍を促すため、60歳以降の従業員が週休3日制を選択できる制度を導入するなど、シニア人財のさらなる活躍を促す仕組みを整備しています。
その他の支援制度
学び直し
IHIグループは、事業環境の変化や技術革新に対応して、必要な知識やスキル、技術・技能をプロアクティブに身に付ける「リスキリング」のための研修プログラムの充実に取り組んでいます。
また、人財のリソースシフトと最適配置を進める中で、業務内容が変わる従業員の早期活躍のための支援プログラムを提供しています。
技能伝承
IHIグループは、ものづくり技術を支える拠点である各工場で、溶接・機械加工などコア技能の伝承に取り組んでいます。それぞれの分野において専門性の高い技能を有し、後進育成に取り組む役割を担う従業員を高度技能者と認定し(高度技能者認定制度)、計画的な技能伝承を推進しています。
IHIグループ人材開発交流センター
IHIグループ人材開発交流センター「I-STEP湘南」(神奈川県横須賀市)は、国内外のグループ従業員を対象とした研修および会議施設です。この施設は、IHIグループの仲間が集い、企業理念や価値観を共有し、活発なコミュニケーションを図りながら、共に学び成長する場として活用されています。また、従業員とその家族のウェルビーイング(Well-Being)の向上を目指し、保養の取り組みも充実させています。
公正・適切な処遇
IHIグループでは、公正・適切な処遇を実現するため、労使間での真摯な対話を通じ、賃金の引き上げに取り組んでいます。
また、「パートタイム・有期雇用労働法」に基づき、同一労働同一賃金を原則として、それぞれの業務や責任の範囲に応じた適切な取り扱いを行い、不合理な格差が生じないよう人事制度の整備を行っています。また、グローバルで最低賃金以上となることを原則としています。
期間従業員の正規従業員への登用
IHIは、期間従業員の中から正規従業員へ登用する仕組みを導入しています。これは期間従業員の中から、本人の希望の下、一定の基準を満たした従業員を正規従業員に登用する制度です。