労働安全衛生マネジメントシステムの対象となる労働者
IHIグループでは、全ての工場および研究所を対象に「工場および研究所における労働安全衛生マネジメントシステムに関する基準」を、また、全ての建設事業場を対象に「建設事業場における労働安全衛生マネジメントシステムに関する基準」を、それぞれ規定として定めています。
これらの基準は、IHIグループの工場、研究所および建設事業場と、それらの場所で働く、グループ従業員と協力会社従業員を含めた全ての労働者を対象としています。
安全衛生管理
IHIグループは、「労働安全衛生マネジメントシステムに関する基準」に基づき、安全衛生方針・目標・計画を定めた上で、ISO 45001をはじめとする国際ガイドラインに準拠したモニタリング体制を構築し、労働災害件数や災害度数率などのデータを基にした安全衛生管理評価を毎年実施することで、労働災害撲滅に向けた改善を進めています。
また、労働災害撲滅に向けて、従業員の安全衛生教育を定期的に行うほか、工場構内や建設現場で働く協力会社に対しても安全衛生管理水準の向上に向けた支援を行い、安全な職場づくりに共に取り組んでいます。
労働災害リスクの管理
IHIグループの工場や建設現場ではリスクアセスメントを実施し、本質的・物理的対策を優先した確実なリスク低減を図っています。具体的には、職場に存在する危険源を漏れなく特定し、それぞれの危険源が持つエネルギーを基にリスクレベルを評価します。そして、評価結果に基づき、リスクの大きさに応じた優先順位を設定するとともに、経営資源の投入による効果的な安全対策について経営幹部が関与して検討し、実施していきます。これにより、計画的かつ着実に労働災害のリスク低減を図ります。
2026年度IHIグループ安全衛生方針と重点施策
目標
多様なワークフォースによる持続的成長を支える安全・健康基盤の構築
施策
「安全衛生マネジメントシステム」、「一人ひとりの安全行動」両面の強化による安全基盤構築
- 安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)の強化
- リスクアセスメントの高度化
作業実態を受け止める実務標準を整備し、連動するリスクアセスメントの更新と対応が回るサイクルを確立
- 重大リスクへの投資
リスクアセスメントの結果を投資判断の根拠とし、重大リスクに最優先で経営資源が投下される仕組みを確立
- OHSMSへの統合
リスクアセスメントの高度化を起点に、全社(海外含む)共通OHSMSを立ち上げ、統合し、安全管理体制の統一と質的向上を実現
- AI・ロボットの普及拡大に即した安全機能の高度化と、OHSMSへの組み込み
- 一人ひとりの安全行動の強化
- 安全五原則の改めての自分事化と、「相互啓発型」に向けた安全文化の醸成
安全五原則を5S等も併用し、全員が自らの行動に落とし込む
工事などプロジェクトにおける労働安全衛生デュー・ディリジェンス
IHIグループでは、工事などプロジェクトの実行に当たり、労働安全衛生の観点から、事前にリスクの特定および評価を行い、必要な対策を講じることで、労働安全衛生リスクの低減に努めています。
また、協力会社に対しては、「IHIグループ安全基本原則」をはじめとする安全対策の確実な実施を徹底しています。
労働災害が発生したときの調査方法および所見
IHIグループは、労働災害が発生した際はグループ統一の災害調査方法によって原因調査および分析を実施しているほか、統一の災害報告様式を使い、災害発生から遅延なくグループ内展開を行っています。
また、集約した災害情報の分析および評価に基づき、グループ全体としての再発防止対策・類似災害撲滅対策につなげています。
2025年度は、国内で50件の不休以上の災害が発生しました。災害をもたらした危険源を踏まえ、直接原因や間接原因などへの対策に加え、背景要因を含めた根本的な原因分析に注力し、対策の強化を図っています。
危険源レベル別労働災害など※の内訳
不休未満の災害や無傷害事故を含み、熱中症災害を除く
Well-Being(健康)
IHIグループは、「グループ人財戦略2023」に掲げる「良い+強い」会社と個人の「成長+幸せ」の実現に向けて、従業員一人一人のWell-Beingを高めることが、個人の生産性向上や職場活性化につながると考え、心とからだの両面から健康管理に取り組んできました。今後は「多様なワークフォースによる持続的成長を支える安全・健康基盤の構築」を目指して「個人の健康増進」「組織の活性化」を柱とする全社健康管理支援体制のレベルアップに取り組んでいきます。従来から取り組んでいる不調者へのきめ細かい個別フォロー、復職支援特別勤務制度や再適応支援プログラムを活用した対応、レジリエンスプログラム(ピークパフォーマンスやレジリエンス、インテグレーションを高めるプログラム)などを継続して実施します。加えて、生涯にわたる活力を担保するための健康基盤づくりの支援、健康の観点からの就業環境の整備を行い、経営層から新規入社者まで、生き生きと働く人づくりと職場づくりに取り組んでいます。
2026年度IHIグループWell-Being方針と重点施策
目標
多様なワークフォースによる持続的成長をさせる安全・健康基盤の構築
- エンゲージメントサーベイ、健康度調査、ストレスチェックの良化
施策
「個人の健康増進」、「組織の活性化」を柱とする全社健康支援体制のレベルアップ
- 個人の健康増進:就業年齢の延伸を見据えた情報提供と環境整備
- 生涯にわたる活力を担保するための知見の普及
- 就業環境の最適化:自然と活力が高まり健康となる環境の整備
- 組織の活性化:人事と連携したエンゲージメント向上施策の全社展開
- 健康支援体制の整備
- 対話に基づく相互支援体制の強化
- IT/AIの活用による支援格差の是正
- 有害業務管理のOHSMSへの統合によるガバナンス強化
職場改善活動の推進
IHIグループは、グループ従業員ならびに組織のWell -Beingを高めるために職場改善活動に取り組んでいます。
2025年度からは、これまでの取り組みに加えて、ストレスチェックによって複数年にわたり高ストレス判定となる職場については、組織トップとコーポレート部門の関与を強化して対策を進めていきます。
安全と健康についての従業員代表と経営層との主な協議内容
IHIグループは、毎年中央安全衛生委員会を開催し、従業員の安全と健康について従業員代表と経営層の協議を行っています。
長時間労働削減に関する取り組み
IHIグループは、労働時間管理に関する指針を定め、従業員の長時間労働の削減に取り組んでいます。特に、毎月の労働時間管理において、(1)月間所定外労働時間60時間の超過者ゼロ、(2)月間所定外労働時間80時間の超過者ゼロの2つの目標を掲げ、毎月の状況をモニタリングし、適宜経営会議で報告しています。
原子力事業に携わる従業員の健康管理
IHIグループでは、従業員の放射線障害を防止することを目的として「放射線管理基準」を定めています。この規定に基づき、原子力サイトで放射線業務に従事するIHIグループの従業員および協力会社の従業員について被ばく管理の対象とし、放射線障害評価(線量管理)を実施しています。
国際放射線防護委員会(ICRP)勧告に基づき、日本の厚生労働省が定める放射線業務従事者の被ばく限度(50mSv/年)よりもさらに厳格な社内基準値(20mSv/年)を定めています。
2025年度、社内基準値に到達した従業員は0名でした。
さらに、IHIの産業医による健康診断や健康へのアドバイスを行っています。