安全衛生管理
IHIグループは、グループ共通の行動指針「安全五原則」に基づき、労働災害の撲滅に取り組んでいます。
工場や建設現場ではリスクアセスメントを実施し、本質的・物理的対策を優先した確実なリスク低減を図っています。また労働災害撲滅に向けて、従業員の安全衛生教育を定期的に行っています。さらに、工場構内や建設現場で働く協力会社に対しても安全衛生管理水準の向上に向けた支援を行い、安全な職場づくりに共に取り組んでいます。
こうした安全衛生の確保に向けた取り組みは、労働安全衛生マネジメントシステムに基づいて実施しています。
労働災害リスクを低減するための活動
IHIグループは、「労働安全衛生マネジメントシステムに関する基準」に基づき、安全衛生方針・目標・計画を定めた上で、安全衛生活動を推進しています。さらに、安全衛生管理評価を毎年実施し、労働災害撲滅に向けた改善を進めています。
また、機械、設備、化学物質などに関連した危険または有害要因を特定し、これらを除去・低減するために実施すべき事項を定めています。
IHIグループでは、特に多くの割合を占める6つの労働災害類型について、2020年度から「IHIグループ安全基本原則」を定め、これらの労働災害の撲滅に重点的に取り組んでいます。
2023年度IHIグループ安全衛生管理重点方針
「すべての災害は防ぐことができる」との信念のもと、全員参加で「災害ゼロ」の実現を目指す。
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安全衛生管理に関するコミュニケーション(指示・伝達・確認等)の見直し
ダイレクトコミュニケーション、双方向コミュニケーションの徹底による「意思疎通」の強化
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「グループ安全基本原則」に該当する災害の撲滅
「グループ安全基本原則」該当災害の撲滅に向けたグループ安全基本原則の徹底(特に、機械・装置、重量物取り扱い時のはさまれ災害撲滅)
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危険感受性の向上
- 作業者の主体的なKYMの推進による危険意識・予知レベルの向上
- 教育の充実による危険感受性の向上(危険体感教育、VRの活用など)
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特に、建設部門における安全管理体制強化
- 着工前会議等の事前検討の充実
- 店社による現地指導・支援の強化
- 協力会社との関係強化
- 未熟練作業者の把握・見える化・重点管理
- 上記方針の実施においてはICTを積極的に活用し、施策の効果・効率を上げていく。
- 方針の展開・浸透状況の把握および改善のため、安全意識・実態調査、安全監査を実施し、活用する。
IHIグループ安全基本原則
- 高所からの墜落
- 中低所からの転落
- 機械・装置によるはさまれ・巻き込まれ
- 重量物取り扱い時のはさまれ
- 手工具使用時の災害
- グラインダー使用時の災害
プロジェクトにおける労働安全衛生デュー・ディリジェンス
IHIグループでは、プロジェクトの実行にあたり、事前に労働安全衛生の観点からリスクの特定および評価を行い、必要な対策を講じることで、労働安全衛生リスクの低減に努めています。
また、協力業者に対しては、「IHIグループ安全基本原則」をはじめとする安全対策の確実な実施を徹底しています。
労働災害が発生したときの調査方法および所見
IHIグループは、労働災害が発生した際はグループで統一された災害調査方法により、原因調査および分析を実施しています。また、統一された災害報告様式を使い、災害発生から遅延なくグループ内展開を行っています。
集約した災害情報の分析および評価に基づき、グループ全体としての再発防止対策・類似災害撲滅対策につなげています。
健康管理
IHIグループは、従業員一人一人のウェルビーイング※を高めることが、個人の生産性向上や職場活性化につながると考え、心とからだの両面から健康管理に取り組んでいます。
メンタルヘルス教育では、ディフェンス(不調者へのきめ細かい個別フォロー、復職支援特別勤務制度や再適応プログラムを活用した対応)とオフェンス(メンタルタフネス:モチベーションやコミュニケーション、パフォーマンスを向上させるための教育など)を実施し、管理監督者から新入社員まで、生き生きと働く人づくりと職場づくりを目指しています。
また、メタボリック症候群や偏った生活習慣の改善、禁煙、新型コロナウイルス感染拡大予防などの健康対策にも継続して取り組んでいます。
ウェルビーイング(Well-Being):“こころ”と“からだ”が健康で、生き生きと働き、個人も組織も活力ある状態
2023年度IHIグループ健康管理重点方針
すべての基盤である「心身の健康」の観点から、「一人ひとりの活力向上」と「すべての人が働く喜びを感じられる職場づくり」を多様な人材が活躍している状態と定義し、攻守両面で取り組む。
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オフェンス(攻め)の施策:個人と組織の活力向上
- 「活躍」の基盤となる「健康」に関するワークショップ・イベント等の開催
テーマ:睡眠・栄養・運動等が活力に与える影響について
- 職場単位で取り組むWell being活動※(健康度調査等を活用した職場づくり)
- 経営層の関与を高めるためのプログラムの開催
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ディフェンス(守り)の施策:環境変化に伴う心身の不調に速やかに対応できる体制の整備
- グループ内カバー率をさらに高め、早期対応、早期回復、再チャレンジを支援するためのブラッシュアップされたプログラムを展開する。
Well being活動:職場健康度調査結果などを活用して、職場単位で対話を通じて、個人と組織の活力を向上させるための取り組みを行っています。
健康経営を推進するための活動
IHIグループは、「プロジェクトChange」に掲げる「環境変化に打ち勝つ事業体質への変革」に向けて、グループ従業員ならびに組織のウェルビーイングを高める活動に取り組んでいます。
2022年度は、グループ全体でウェルビーイング向上パイロット職場を選定し、マネジメント改善・コミュニケーション改善を中心とした職場改善活動を進めています。
安全と健康について従業員代表と経営層との主な協議内容
IHIグループは、毎年中央安全衛生委員会を開催し、従業員の安全と健康について従業員代表と経営層の協議を行っています。
原子力事業に携わる従業員の健康管理
IHIグループでは、従業員の放射線障害を防止することを目的として「放射線管理基準」を定めています。この規定に基づき、原子力サイトで放射線業務に従事するIHIグループの従業員および協力会社の従業員について被ばく管理の対象とし、放射線障害評価(線量管理)を実施しています。
ICRP(国際放射線防護委員会)勧告に基づき、日本の厚生労働省が定める放射線業務従事者の被ばく限度(50mSv/年)よりもさらに厳格な社内基準値(20mSv/年)を定めています。2022年度において、社内基準値に到達した従業員は0名でした。さらにそれに加えて、IHIの産業医による健康診断や健康へのアドバイスを行っています。
経営層向け「レジリエンスプログラム」
IHIグループでは、2021年度から経営層向けに「レジリエンスプログラム」をスタートしました。産業医が講師となり、1年を通して4つの分野(「身体(睡眠・運動・栄養)」「情動」「思考」「精神性」)について学び、これらを実践しています。
このプログラムは単なる健康維持や体力向上が目的ではなく、取り組みを通じて「自身の活力を高める」「組織の活力を高める」「役員同士の連携を強化する」ことをねらいとしています。組織のリーダーである経営層クラスが変わることで、組織全体の健康度を高め、全ての従業員の幸せ、企業価値の向上につながることを目指して、今後も継続的に取り組んでいきます。
新型コロナウイルス感染拡大への対策
新型コロナウイルス感染症拡大への対策については危機管理ページでご確認ください。
危機管理