北海道電力と共同で，苫東厚真発電所における CO₂分離・回収に必要な設備の規模・仕様などの検討を開始
IHIはこのたび，北海道電力と共同で，苫東厚真発電所におけるCO₂の分離・回収に向けて必要な設備の規模・仕様などの検討（以下，「本検討」）を開始します。
本検討は，北海道電力が石油資源開発，出光興産と共同で受託した，独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構（JOGMEC）の令和5年度 「先進的CCS(*)事業の実施に係る調査」に関する委託調査業務において実施する「北海道・苫小牧エリアにおける CCS 実現可能性調査」（以下，「本調査」）の中で，北海道電力が担当する検討対象の一部をIHIへ再委託して取り組むものです。
本調査では，苫小牧エリアにおけるCO₂の分離・回収、輸送、貯留事業の実現に必要となる地点，設備，ルートなどの検討を実施し，概算費用を本年度中に取り纏める計画となっており，その中でIHIは，北海道電力が所有する苫東厚真発電所から排出されるCO₂を分離・回収および精製・圧送するために必要となる，以下の検討等を実施してまいります。
【IHIの実施内容】
① CO₂分離回収設備および精製・圧送設備の設計と最適化検討
② CAPEX/OPEXの試算
③ 設備の建設に必要となる敷地面積の算出と場所の選定
④ 事業実施におけるリスク・課題の整理
IHIは本検討を通じ，苫小牧エリアにおいて2030年までのCCSの事業開始を目指す本調査に貢献するとともに，メタネーションをはじめとしたカーボンリサイクル技術や，水素・アンモニアの利用技術およびサプライチェーン構築等，多様なソリューションの提供によって，2050年カーボンニュートラル社会の実現を目指してまいります。
（*）Carbon dioxide Capture and Storage（CO₂の回収・貯留）の略
【IHI対象範囲】
【関連プレスリリース】
・JOGMECによるプレスリリース（2023年6月13日発表）
国内初のCCS事業化の取り組み～2030年度までのCO₂貯留開始に向け、調査7案件を候補として選定～
・石油資源開発，出光興産，北海道電力によるプレスリリース（2023年7月19日発表）
JOGMEC令和5年度「先進的CCS事業の実施に係る調査」公募において苫小牧エリアにおけるCCS実現可能性調査を受託
・IHIプレスリリース（2021年8月16日発表）
火力発電所におけるCO₂分離・回収およびパイプライン輸送に向けたNEDO調査事業の受託について ～大型の商用石炭火力発電所におけるCCUS社会実装に向けた検討～