冬場に地上部が枯れてしまう暖地型芝草（夏芝）の芝生に、冬季でも枯れることのない寒冷地型芝草（冬芝）の種子を蒔き、一年中緑の芝生を維持する手法をオーバーシードと言います。

また、初夏に冬芝を芝生のベースとなる夏芝に切り替えることをトランジションと言います。

初夏は運動会の季節です。運動会やその準備でダメージを受けた後は、トランジションのチャンスかもしれません。

トランジションの際には元の冬芝の生長の勢いを弱らせるために、通常よりも低く刈り込むなど、夏芝と冬芝のバランスを保ちながら常緑状態を保つためには、それなりの技術、労力、コストがかかります。

「夏芝」と「冬芝」の特性を活かしたオーバーシードとトランジションを行い、一年中緑の美しい芝生を保ちましょう

学校の芝生は、生長の旺盛な夏季には子どもたち校庭利用者による踏圧のダメージよりも芝草の回復力が勝り、踏圧が問題になることはありません。（ティフトン系の夏芝を使用した場合）

しかし、オーバーシード後の冬芝は、夏芝ほど生長が活発でないため、踏圧により校庭の一部が一見裸地化したように見えることがあります。

そこで、オーバーシードには、驚くほど生長が早いペレニアルライグラス、伸びたランナーが夏芝の根の保護に役立つケンタッキーブルーグラス、耐踏圧性が抜群に高いトールフェスクを混ぜて用いると良いでしょう。