これまで公の施設の管理・運営は地方公共団体や外郭団体が行ってきましたが、指定管理者制度が導入されて以来、営利企業など法人その他の団体に包括的に代行させることができるようになりました。
その結果、営利面ばかりを追求するがために人件費を抑えるなど安易な低コスト化ばかりに目が行きがちなため、ことグラウンドをはじめとする芝生管理に関しては必ずしも良好な管理が行われていないケースも見られるようになりました。
一方、校庭芝生化の普及を阻害する要因のひとつに初期の造成に掛かる費用の大きさがあります。既存の芝生化校庭も校庭に散水装置を埋設し、暗渠排水を設置また床土に特殊な素材を用いた場合、東京都では1校当たり(芝生化平均面積約2500m²)1000~4000万円もの費用が掛かると言われています。今後校庭芝生化の全国的な展開を望んでおりますが、これを推進するためには芝生造成費用の低減が欠かせません。
コア(廃棄芝)
これらの課題に対して社団法人長野市開発公社が提唱するコア(廃棄芝)を利用した芝生化(リバーフロント方式)は、同社が20年間に亘り管理を担当し高い技術評価を得ている千曲川リバーフロントスポーツガデーンのグラウンドの芝生を育成する中で排出される廃棄芝を再利用し安価に芝生化を行う方法です。
コアによって芝生化された校庭・園庭から排出されるコアは、さらに新しい校庭・園庭の芝生化に再利用されます。
このリバーフロント方式は本来なら廃棄されてしまうコアを再利用し、次の芝生化へと循環利用されるのですから、たいへん環境にも優しく、尚かつ低コスト化をも実現できる今後全国的な芝生化の普及のためには無くてはならない方法ではないかと思います。
コアの敷き均し
最近校庭芝生化の低コスト化がばかり強調されたためか、造成後の維持管理も不要の芝生造成法など私たち校庭・園庭の芝生の維持管理に接する者からすれば、少々首をかしげざるを得ない方法を耳にすることもあります。
特にこども達による踏圧に耐えながら、サッカーをしても芝面がはがれないような芝生を維持するためには、踏圧に応じた管理レベルがあるべきと考えています。
長野市開発公社はコア利用に留まらずにこれまでに培った多種多様のノウハウとスタッフの方々の高度な芝生管理技術を駆使して校庭芝生化の際に問題となる
1:基盤整備の問題
2:維持管理手法
3:ランニングコスト
これらについても皆様の納得する提案と的確なアドバイスを戴けるそうです。
先日、鬼無里小学校(長野県長野市)の芝生を見学させて戴きました。同小学校は冷涼な気候の標高600mの高地に位置するため、校庭芝生の管理には困難が予想されましたが、どうしてもこども達に芝生の校庭をプレゼントしたいという校長先生の熱意に応えて、長野市開発公社が寒さに弱いバミューダグラスによる芝生化を成功させることができました。
校長先生のお話によれば、芝生を敷いてからこども達が校庭で今まで以上に生き生きとし、積極的に体を動かすこどもが増えてこども達も保護者の方達も先生方も皆さん喜んでいらっしゃるとのことでした。
問い合わせ先:
社団法人長野開発公社 千曲川リバーフロントスポーツガーデン
グリーンキーパー 青木 茂さん
お問い合わせはホームページ中のメールフォームにてお問い合わせください。
社団法人長野市開発公社
http://www.n-kaihatu.com/
千曲川リバーフロントスポーツガーデン
http://www.r-sportsgarden.com/
関連ページ
鬼無里小学校(長野県長野市)訪問(緑化レポート)
運動広場開放2009(千曲川リバーフロントスポーツガーデン)(緑化レポート)
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