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芝生のプロフェッショナル

芝生の害虫を考える

我が国の大部分は芝生の生長に好条件な温暖湿潤な気候ですが、芝草を加害する害虫の種類もまた多く、現在およそ40種類が芝草の害虫として認められています。

国内で見られる主な芝草の害虫
害虫名 学名 被害時期 特徴
スジキリヨトウ Spodoptera depravata Butler 早春から晩秋
年3~4回発生
刈り込み頻度の低い芝生に大きな被害をもたらす
シバツトガ
(シバヨトウ)
Pedasia tetterrellus Zincken 早春から晩秋
年3~4回発生
高温・乾燥を好む。2~3化期幼虫による食害は甚大
タマナヤガ Agrotis ipsilon Hufnagel 5~9月
年3回発生
日本シバの被害は少ないが、ペレニアルライグラス、ティフトン系の芝草等の洋芝の被害は顕著
ヒラタアオコガネ Anomala otiecostata Burmeister 7~9月
(幼虫)
成虫は芝草へ食害を及ぼすことは無いが、土中から地上へ出る際に床土を盛り上げる等の被害がある
マメコガネ Popillia japonica Newman 6~8月(成虫)
8~9月(幼虫)
夏季に幼虫の生育密度が高くなると、高温・乾燥と相まって芝草が黄変・枯死する

害虫の中には、特定の芝草種のみ食害するもの(例:シバオサゾウムシ、ウスチャコガネ・・・ノシバ、コウライシバを食害)や、成虫は芝生近くにある樹木を食害し、芝草には被害を与えないもの(例:ヒラタアオコガネ)もあります。害虫を良く理解することは、害虫の発生をコントロールすることにも繋がります。

芝生はこども達の健全な遊び場を提供するだけでなく、多くの鳥や昆虫も互いに助け合い、自然界のバランスの中で生きています。芝生の害虫防除を強力な薬剤のみに頼ると、生態系バランスが崩れ、ある特定の種類の害虫が大発生してしまう可能性さえあります。

芝生の生態系を維持して、害虫駆除剤の使用は最小限に!

適切な芝生管理を行い、鳥の住みやすい環境を整備するなど、薬剤を使わずに害虫の発生を最小限に抑える方法も考えることができます。

これからの芝生管理は薬剤一辺倒の管理から脱却し、こども達の未来を考えた工夫が必要でしょう。