トライアップ
トライアップ
橋梁やビルのメンテナンス工事に不可欠な扛上作業は大小の強力な油圧ジャッキが開発され、数千トンの構造物も楽々持ち上げることが出来るようになりました。
しかし、最も小さなジャッキでも30cm程度の隙間がないとジャッキを据え付けることができず、その隙間づくりに苦慮していました。
しかも橋梁の場合は通行止めせずに施工することが求められ、大がかりな仮受設備が必要となります。
そこに登場したのが、昭和62年に当社が開発した「トライアップシステム」です。
それまでは構造物を下からジャッキで押し上げていましたが、発想を転換し横から楔(くさび)を押込んで持ち上げようとするもので、今まで非常に困難であった狭隘箇所に使用可能としました。
平成2年にアメリカで、同5年に日本で特許を得ることができました。
トライアップシステムは非常に僅かな隙間があれば扛上が可能で、反力が横方向(水平方向)に作用すること、扛上後はストッパーで機械的に高さを固定して橋脚を安定できること、さらに表面をテフロン加工しているので橋桁の滑走が可能で仮支承として使用できるなど、多くの優れた特徴をもっています。
トライアップ扛上(ジャッキアップ)原理
- 主要部材は架台フレーム・油圧ジャッキ・楔(くさび)の三つで構成されています。
- 油圧ジャッキの押出力(水平力)をくさび勾配によって扛上力に転換します。
- 下段くさび・中段くさび・上段くさびの間に発生する摩擦力は、滑り機能で解決します。
- 必要扛上後、ストッパープレートをセットすれば、扛上仮受が完了します。