ISパネル(コンクリート床版補強工法)
ISパネル(コンクリート床版補強工法)
ISパネルは、既設のコンクリート床版の強度に頼らない、より完全に近い床版補強です。(一般名:アンダーデッキパネル)
特徴
- 補強効果が大きい*
- 増桁や鋼板接着のような補修後の寿命検討が不要
- 耐候性のある材質を採用しています。
- 交通規制なしで施工が可能
- 部分施工が可能
*たわみ 1/4、主鉄筋応力 1/5
構造
- 床版コンクリートの下に軽量なISパネルを設置します。
- 既設コンクリートとの隙間はセメント系グラウトを充填します。
- 床版防水を実施し、床版内に染み込んだ水分はハンチ部から蒸発させます。
ISパネルはコンクリート床版を主桁から軽量な鋼床版で支持します。
床版補強工法は色々ありますが、最も確実な工法です。
開発コンセプト
確実な補強が確保されること
どんなに傷んだ床版でも補強できる構造
ある程度劣化が進むと、効果が期待できない工法が多いのが現状です。打換えた床版では、過去の補強対策が役に立っていないことが、多いのです。
劣化程度の判断は、簡単ではありません。全体では痛んでいないが、部分的に損傷が進んでいることがあります。(コンクリートの品質のばらつき)
施工管理が補強効果に影響を与えない構造
実験では上手く接合されているのだが…。
施工中の雨の影響で、接着不良が発生することのない構造が必要です。
床版の表面が中性化していることの、影響が少ない構造が必要です。
現場での施工管理が重要な工法は、信頼性に欠ける問題があります。
交通規制の必要がほとんどなく、道路交通に支障なく施工出来ること
- 重要な道路ほど確実な補強が必要で、交通も止められません。
施工後に劣化の点検がほとんど要らないこと
- 鋼板接着の剥離の検出で苦労しています。
- 上面増厚後の剥離の調査は簡単ではありません。
- 補強後の判断基準が未整備です。
主桁に悪影響を与えないこと
- 主桁の接合部に応力集中が発生しないことが必要です。
設計
- ISパネルは鋼床版と同じ様に設計します。
- 既設床版で45°の荷重分散効果を期待します。
- 既設床版の残存強度を、重ね梁として期待します。*
- 一軸のT荷重を実体に合わせて2軸(タンデム)にするが、疲労強度検討も実施します。
*期待しない設計も可能
ISパネルは道路保全技術・技術審査証明を受けた工法です
報告書の設計マニュアル(委員会で審議された)に従って設計します。施工についても同様です。
審査委員名簿(最終委員会での名簿と当時の役職、平成9年3月)
委員長
- 藤原 稔 東北大学工学部土木工学科 教授
委員
- 岩崎秀明 建設省大臣官房技術調査室 技術審査官
- 那須清吾 建設省道路局国道課 課長補佐
- 森望 建設省道路局国道課 課長補佐
- 西川和廣 建設省土木研究所構造橋梁部 橋梁研究室長
- 池田博之 日本道路公団技術部構造技術課 課長代理
- 和泉公比古 首都高速道路公団保全施設部 保全技術課長
- 貞升文槌 株式会社建設技術研究所 常勤監査役
- 篠原洋司 財団法人道路保全技術センター 顧問