資源循環・廃棄物削減
資源循環に向けて、IHIグループでは、廃棄物の発生抑制・適正処理・再資源化の促進に加え、サーキュラーエコノミーの概念を取り入れたリサイクル設計や材料・工法開発、管理指標の見直し、人財育成などを組み合わせて取り組みを進めています。
廃棄物の排出を減らすための第三者との協働
IHIグループは、工場・事業所で発生する廃棄物の削減および法規制の確実な遵守のため、専門のコンサルタントと協働して電子マニフェストを活用した廃棄物管理システムを運用しています。拠点ごとに廃棄物の種類別排出量および主要排出源を把握した上で、排出量の削減に努めています。加えて、中間処理委託契約書および委託期間の確認を通じ、法令遵守を確保するとともに廃棄物の削減につなげています。
資源循環・廃棄物の削減につながるイノベーションや研究開発
IHIグループは、サーキュラーエコノミーへの移行や廃棄物削減を進めるため、その実現を見据えた技術開発やイノベーションに取り組んでいます。
IHIグループは、製品・サービスのライフサイクル全体を通じて、資源の有効活用や廃棄物発生の抑制を可能とする技術的な対応を検討することを重要な課題と捉えています。2025年度は分科会活動を通じて、航空エンジンや産業機械、社会インフラなどの事業特性を踏まえ、長寿命化や再使用・再製造、ライフサイクル管理の高度化といった技術の方向性を整理しました。具体的な技術や取り組み内容については検討段階にあるものの、サーキュラーエコノミーの実現を見据えた技術開発や事業活動へと展開し、循環型社会の実現に貢献していく方針です。
循環の可視化(管理指標の見直し)
廃棄物発生量および埋立最終処分量の削減活動を定量的に評価するための管理指標の一つとして、リサイクル率の定義見直しを行っています。これまで中間処分・最終処分業者へのヒアリング調査を行ってきましたが、2025年度の廃棄物に係る法改正を受けて必要なデータの収集方法も含めた検討を行っています。
人財育成(研修・ワークショップ)
IHIグループでは、サーキュラーエコノミーへの理解浸透のために、教育活動を行っています。
2025年度は、サーキュラーエコノミーの考え方とIHIグループのライフサイクルビジネスの関係を学べる教育用動画を製作し、関係部門へ展開しました。併せて、事業部門から選抜された従業員を対象として、各事業の題材を用いた対話型のワークショップを部門ごとに行いました。このワークショップでは、現状把握と課題整理、資源循環プロセスの見直しや新たなビジネスの可能性について検討し、理解浸透を図りました。
水資源管理
取水源の最適化
IHIグループは、使用する水資源の多くを、市水である上水や工業用水でまかなう一方、地下水や良質な河川水が潤沢な地域では市水との併用を図り、取水リスクの低減に留意しています。このため、事業所・工場で使用する水の用途と必要とする水質や水量を検討し、最適な取水源を選択しています。
水資源使用量削減
IHIグループでは、水資源使用量削減のため、工場敷地内の散水には市水ではなく三次処理した処理水などを可能な範囲で再利用し、塗装・洗浄工程では排水を循環利用しています。本社ビルでは、トイレの洗浄水に厨房排水などの雑排水を再利用した中水を使用しています。
また、グループ全体の環境活動目標として、拠点単位で取水量の前年度比1%削減を掲げ、各環境管理拠点の月別取水量をグラフ化し経年比較で管理しています。月別取水量の変化の見える化で、漏洩があった場合の早期発見にもつながっています。
汚濁防止
水質(排水管理)
IHIグループは、確実に排水基準を遵守し、放流先である海域・河川などの公共水域の水質を保全するために、水質汚濁防止法などの法令や自治体が定める条例などの公的基準値を上回る排水自主基準値を定めて管理しています。
基準値の達成状況を確認するために、定期的な自主採水と分析・監視、排水口の日常巡回点検を実施しています。排水処理設備のメンテナンスとして、老朽化した設備や計測器および埋設配管の計画的な更新などを実施しています。
土壌(漏洩防止・保管管理)
IHIグループは、土壌汚染を防止するために、土壌汚染対策法で指定する有害物質などを使用する区域を特定し、作業手順の確立・定期的なパトロールを通して、運用による化学物質の漏洩防止に努めています。
有害物質を使用する区域には、耐久性・耐薬品性に優れた内面塗装を施した防液提を設けるなど、設備投資により、万が一の漏洩に備えています。特に有害廃棄物保管場所については、原則屋内保管庫とし、悪天候による漏洩防止に努めています。
化学物質管理
方針と対象範囲
IHIグループは、IHI製品の製造から廃棄までのライフサイクルにおいて、化学物質が人の健康や環境に与える影響を最小限にしつつ、これを使用することに取り組んでいます。そのため、「事業所・工場における化学物質」と「製品含有化学物質」に大別し、それぞれに適した管理に取り組んでいます。
事業所・工場における化学物質管理
IHIグループは、化学物質管理に係る法令などを遵守し、かつ作業者安全と環境汚染防止を図るために、使用する化学物質の性状、有害性情報などを正確に把握・理解して使用しています。
事業所・工場では、作業者の安全確保のために、化学物質のSafety Data Sheet(SDS)を入手・整備し、有害性情報や化学物質の性状に応じた最適な取り扱いを把握して適正に管理しています。また、化学物質の漏洩による土壌や水質、大気の汚染(環境事故)を防止するために、購入・受け入れから使用、保管・貯蔵および廃棄までの一連のプロセスを管理対象とした運用管理マニュアルを整備しています。緊急時対応訓練の実施および定期的な設備投資による老朽化設備の更新も行っています。
排出・移動量の把握(PRTR)
IHIグループは、PRTR制度にのっとり、指定化学物質について、大気・公共水域・土壌への排出量と下水道・廃棄物への移動量を適切に把握し、都道府県経由で国へ届出を行っています。さらに大気汚染防止法や各事業所・工場が立地する自治体の条例など、化学物質に関わる法規制を事業所・工場ごとに把握し、適切に遵守しています。
大気排出抑制(VOCなど)
IHIグループは、一般社団法人日本産業機械工業会の会員企業として、揮発性有機化合物(VOC)排出抑制に関わる自主的取り組みのフォローアップに参加しています。PRTR法対象物質以外の自主管理対象物質も加え、取扱量と排出量を把握するとともに、低VOC含有塗料への切り替えや塗装中の塗料管理方法の改善などを検討・実施することで、大気への排出抑制に取り組んでいます。
製品含有化学物質管理
IHIグループは、「IHIグループ化学物質情報管理基本方針」を定めて、製品含有化学物質を管理しています。
IHIグループの製品・サービスが人の健康や環境に与える影響を最小限にするために、サプライチェーンを通じて調達する素材、部品などに含まれる化学物質情報を入手し、使用禁止物質が含まれていないこと、許容濃度以下であることを確認しています。
有害廃棄物(PCB含有廃棄物)の適正処理
IHIグループは、ポリ塩化ビフェニル(PCB)含有廃棄物の処理について本社主導で専門チームを組織し、法律の期限である2027年3月末までに100%処分するよう対応を進めています。2026年3月31日現在、高濃度PCB使用電気機器は100%、低濃度PCB使用電気機器は99.9%の処理が完了しています。安定器については、100%の処理が完了しています。