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アンモニアの燃料利用

アンモニアの分子式はNH3。燃焼させてもCO2を排出しないため、気候変動対策に貢献する次世代燃料として期待されています。
IHIグループは、火力発電で培った燃焼技術をいかし、アンモニアを燃料とした発電技術を開発しています。
また、アンモニアを燃料とする国産エンジン搭載船舶の社会実装に向けた実証事業に取り組んでいます。
将来、アンモニア利用が拡大する社会を想定し、アンモニアの生産から利用までのバリューチェーン構築にも貢献していきます。

「 アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発」は、NEDO※2助成事業として、日本郵船、ジャパンエンジンコーポレーション、IHI原動機、日本シップヤード、および協力機関である日本海事協会を合わせた5者で、2021年12月より開始

アンモニアを燃料としたCO2を排出しない発電

カーボンニュートラル実現までの移行期間は、アンモニアを化石燃料と混合燃焼(以下、混焼)させることで、CO2排出量を低減します。将来的には、アンモニア100%燃焼によるCO2フリーの火力発電、ガスタービン発電を目指します。

アンモニア混焼から専焼へ

世界初 商用の大規模発電所におけるアンモニア混焼実証事業を開始

実証事業を行なうJERA碧南火力発電所(愛知県碧南市) 写真提供:JERA

商用の大規模火力発電所で、石炭とアンモニアの混焼技術を確立することを目的とし、2021年6月から約4年間、実証事業を行なっています。本事業はNEDOの助成事業で、株式会社JERAとともに実施しており、碧南火力発電所4号機(発電出力:100万kW)において、2023年度にアンモニア20%混焼を目指しています。

NEDO:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

世界初 液体アンモニア100%燃焼によるガスタービンで,CO2フリー発電を達成

液体アンモニアと天然ガスを混焼した2,000kW級ガスタービン(当社 横浜事業所内)

NEDOからの委託事業として、液体アンモニアを燃焼器内に直接噴霧して天然ガスと混焼させる2,000kW級ガスタービンの技術開発を実施しています。2022年6月、世界で初めて液体アンモニアを100%燃焼させ、燃焼時に発⽣する温室効果ガスを99%以上削減することに成功しました。2025年を⽬途に、アンモニア専焼ガスタービンの商⽤化を⽬指します。

NEDO:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

アンモニアバリューチェーン

世界全体のアンモニア生産量は、2019年で約2億トン。そのうち貿易量は約2,000万トンで、ほとんどが地産地消されています。今後、国内の大手電力会社のすべての石炭火力発電所で、20%のアンモニア混焼を実施した場合、年間約2,000万トンのアンモニアが必要になります。アンモニアは既に肥料や化学製品の原料として流通していますが、流通量は限定的です。今後、発電分野での利用が拡大したときの燃料需要に応えるためには、アンモニアを大量に生産する設備はもとより、輸送・貯蔵するインフラを整備することが不可欠であり、LNGと同様の流通形態が必要になると想定されます。
IHIグループは、生産から利用までのバリューチェーンにおいて、CO2を排出しない製造技術の開発、経験をいかした液体アンモニア受入基地の設計・施工、など、さまざまなプロセスで貢献していきます。

参照:令和2年度エネルギーに関する年次報告書(エネルギー白書2021)

アンモニアバリューチェーン構築のための取り組み

  1. CCS:Carbon dioxide Capture & Storage(二酸化炭素回収・貯蔵)
  2. EOR:Enhanced Oil Recovery(石油増進回収)

気候変動への対策へ