GHG排出量(Scope3)
IHIグループは、GHGプロトコルおよび環境省が定めるガイドライン※ に基づき、Scope3排出量を算定しました。Scope3の中で最も多いのは、カテゴリ11(販売した製品の使用)で、次に排出量が多いのはカテゴリ1(購入した製品・サービス)となりました。
サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン
(単位:t-CO2 e)
多くの製品は据え付け・納入後に輸送されることが少なく、排出量は少量となるため対象外としました。
完成品を納入することが多く、部品であっても組み立てなどによる排出量は少量となるため対象外としました。
民間航空エンジンの算定方法については、下記の補足資料をご確認ください。
多くの製品は金属製であり、リサイクルされることにより最終処分量はわずかで、排出量は少量となるため対象外としました。
IHIグループでは、フランチャイズ形態をとっていないため対象外としました。
環境省の資料(サプライチェーン排出量算定におけるよくある質問と回答)において、カテゴリ15は民間金融機関向けとされているため対象外としました。
補足資料:民間航空エンジンのScope3カテゴリ11算定方法
IHIグループの民間航空エンジンのScope3カテゴリ11算定方法について説明します。
Scope3カテゴリ11は、企業が販売した製品やサービスが使用される際に排出される温室効果ガス(GHG)の量を指します。
民間航空機は国際民間航空機関(ICAO)により取り決められた国際的な合意に基づき、2050年までにGHG排出量を実質ゼロとすることを求められています。 IHIグループでは、成長事業の一つに位置付けている民間航空エンジン事業においてカーボンニュートラルを実現するためには、エンジンが使用される際のGHG排出量を算定し評価することが重要であると考えています。
IHIグループの民間航空エンジンのScope3カテゴリ11は、当該年度に販売した航空エンジンが使用される際に排出されるGHG量に、航空機全体に対するエンジンの重量比やエンジン開発プログラムへの参画比率を考慮して、次のとおり算定しています。
IHIの民間航空エンジンのScope3カテゴリ11
①当該年度に販売した航空エンジンが生涯使用される際のGHG排出量
販売したエンジンの使用時に消費される燃料量(エンジンの販売数量×エンジンの使用年数×エンジンの年あたりの燃料消費量)に排出原単位(単位燃料消費量あたりのCO2 排出量)を乗じて、当該年度に販売した航空エンジンが生涯使用される際のGHG排出量を算定します。
排出原単位は、ICAOが設立した国際航空のCO2 削減枠組み(CORSIA)で定められたものを使用しています。また、将来的に持続可能な航空燃料(SAF)の導入などにより変化する分も加味しています。
②航空機全体の重量に占めるエンジン重量の割合
航空エンジンは、航空機全体の一部であるため、(エンジンの重量/航空機の重量)を乗じます。これはGHG排出量を算定・報告する際の国際的な基準であるGHGプロトコルの「Scope3排出量の算定技術ガイダンス」に準じています。
エンジンおよび機体の重量は、欧州航空安全機関(EASA)のデータに基づくもので、乾燥重量を用いています。
③エンジン開発プログラムへの参画比率
民間航空エンジンは、複数の企業が共同で開発を進めます。エンジン開発プログラムに参画する企業は、開発費やマネジメントのリスクをそれぞれで分担しており、その参画比率に応じて事業費を負担し、収益配分を受ける契約形態をとっています。エンジン使用時のGHG排出量もエンジン開発プログラムへの参画比率で各社に割り当てるのが妥当と考えられるため、参画比率を乗じます。
なお、民間航空エンジンのScope3カテゴリ11の算定には、エンジンの整備やスペアパーツの製造は含んでいません。