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地球環境の保全(汚染防止・生物多様性保全)

考え方

IHIグループは、「地球環境の保全」を重要な経営課題の一つとして位置付け、大気・水質・土壌の汚染防止および生物多様性の保全に努めています。
製品含有化学物質については、「IHIグループ化学物質情報管理基本方針」を定めて管理しています。本方針は、製品・サービスを上市する国・地域の法令で定められた、またはお客さま要求事項に基づく規制対象物質の追加や管理値の変更、規制強化などに対応するものです。
IHIグループでは、本方針に基づき、有害な化学物質の管理を行うとともに、使用の削減やより安全な物質への代替を推進します。

方針

IHIグループ環境基本方針

IHIグループ化学物質情報管理基本方針

活動の基本

  1. IHIグループは、化学物質管理に係る国内外の法令・規制等に遵守するだけではなく、グローバルな化学物質管理の動向を見極めて自主的に化学物質情報を管理することで、IHIグループ製品・サービスの健康および環境に与える影響を最小限にし、製品の競争力を高めていく。

適用範囲

  1. IHIグループの全ての事業活動

教育

  1. IHIグループは、全ての役員、従業員、協力会社社員等に対して、必要な情報提供ならびに法令等の教育を行ない、法令遵守の意識向上を図る。

運用体制等

  1. IHIグループは、化学物質情報管理に関する規程を定め、仕組みを確立し、維持および改善を含めた活動を継続的に実施する。

戦略

IHIグループは、環境に関する法令違反や事故の発生ゼロを環境目標の一つとして掲げており、事業所・工場では、環境法令の遵守と環境事故発生防止を、環境活動の最優先課題と位置付けて活動しています。
生物多様性の保全については、事業を継続する上で自然資本の持続的な利用が重要であると考え、生物多様性に大きな影響を与える気候変動への対策を中心に取り組んでいます。事業所・工場においては、COP15で策定された「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」に示された2030年グローバルターゲットに関連付けた活動を行っています。

リスク管理

水質汚濁の防止

IHIグループは、確実に排水基準を遵守し、放流先である海域・河川などの公共水域の水質を保全するために、水質汚濁防止法などの法令や自治体が定める条例などの公的基準値を上回る排水自主基準値を定めて管理しています。
基準値の達成状況を確認するために、定期的な自主採水と分析・監視、排水口の日常巡回点検を実施しています。排水処理設備のメンテナンスとして、老朽化した設備や計測器および埋設配管の計画的な更新などを実施しています。

土壌汚染の防止

IHIグループは、土壌汚染を防止するために、土壌汚染対策法で指定する有害物質などを使用する区域を特定し、作業手順の確立・定期的なパトロールを通して、運用による化学物質の漏洩防止に努めています。
有害物質を使用する区域には、耐久性・耐薬品性に優れた内面塗装を施した防液提を設けるなど、設備投資により、万が一の漏洩に備えています。特に有害廃棄物保管場所については、原則屋内保管庫とし、悪天候による漏洩防止に努めています。

化学物質

IHIグループは、IHI製品の製造から廃棄までのライフサイクルにおいて、化学物質が人の健康や環境に与える影響を最小限にしつつ、これを使用することに取り組んでいます。
そのため、事業所・工場における化学物質と製品含有化学物質に大別し、それぞれに適した管理に取り組んでいます。

事業所・工場における化学物質管理

IHIグループは、化学物質管理に係る法令などを遵守し、かつ作業者安全と環境汚染防止を図るために、使用する化学物質の性状、有害性情報などを正確に把握・理解して使用しています。
経済産業省が所管するPRTR制度にのっとり、指定化学物質について、大気・公共水域・土壌への排出量と下水道・廃棄物への移動量を適切に把握し、都道府県経由で国へ届出を行っています。さらに大気汚染防止法や各事業所・工場が立地する自治体の条例など、化学物質に関わる法規制を事業所・工場ごとに把握し、適切に遵守しています。
事業所・工場では、作業者の安全確保のために、化学物質のSDS(Safety Data Sheet)を入手・整備して有害性情報や化学物質の性状に応じた最適な取り扱いを把握し、適正に管理しています。また、化学物質の漏洩による土壌や水質、大気の汚染(環境事故)を防止するために、購入・受入から使用、保管・貯蔵および廃棄までの一連のプロセスを管理対象とした運用管理マニュアルを整備しています。緊急時対応訓練の実施、および定期的な設備投資による老朽化設備の更新も行っています。
また、これらの活動と並行して、一般社団法人日本産業機械工業会の会員企業として、揮発性有機化合物(VOC)排出抑制に関わる自主的取り組みのフォローアップに参加しています。PRTR法対象物質以外の自主管理対象物質も加え、取扱量と排出量を把握するとともに、低VOC含有塗料への切り替えや塗装中の塗料管理方法の改善などを検討・実施することで、大気への排出抑制に取り組んでいます。

製品含有化学物質管理

IHIグループは、「IHIグループ化学物質情報管理基本方針」を定めて、製品含有化学物質を管理しています。
IHIグループの製品・サービスが人の健康や環境に与える影響を最小限にするために、サプライチェーンを通じて調達する素材、部品などに含まれる化学物質情報を入手し、使用禁止物質が含まれていないこと、許容濃度以下であることを確認しています。

有害廃棄物(PCB含有廃棄物)

IHIグループは、ポリ塩化ビフェニル(PCB)含有廃棄物の処理について本社主導で専門チームを組織し、法律の期限である2027年3月末までに100%処分するよう対応を進めています。
2025年3月31日現在、高濃度PCB使用電気機器は100%、低濃度PCB使用電気機器は91.3%の処理が完了しています。安定器については、99.7%の処理が完了しています。

環境リスク監査

IHIグループでは、本社から事業所・工場を訪問し、現地で水質・土壌・大気汚染防止対策が行われているか、化学物質・廃棄物などの管理体制が構築されているかなどを確認する、環境リスク監査を実施しています。
2024年度は9カ所で監査を行いました。重大な指摘事項はなく、軽微な指摘事項がありましたが直ちに是正し、現在は環境管理体制に問題がないことを確認しています。

生物多様性の保全

IHIグループは、事業を継続する上で、自然資本を持続的に利用できるようにすることが重要であると考えています。
事業が自然資本に与える影響を十分に理解し、循環型社会の形成や地球環境の保全とともに、生物多様性に大きな影響を与える気候変動への対策に取り組んでいます。
また、2024年5月より、環境省の「生物多様性のための30by30アライアンス」に参加しています。2025年度には、自然共生サイトとして認定されている「東近江市建部いきものの水路」が、OECM(Other Effective area-based Conservation Measures)として国際データベースに登録されました。

国が認定する「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」のこと

「東近江市建部いきものの水路」の環境保全(IHI、IHIインフラ建設)

IHIとIHIインフラ建設(IIK)は、IIK滋賀工場(滋賀県東近江市)近隣を流れる愛知(えち)川流域の農業水路における水マネジメントに携わるとともに、周辺流域の環境保護活動を行っています。農業水路の清掃や環境整備を行うことで、その排水先となる愛知川の固有種であるビワマスや、アユの生育環境の改善にもつながっています。なお、本取り組みは、IHIグループとして初めて、環境省より「2024年前期自然共生サイト」として登録されました。
(GBFターゲット1「空間計画MP策定と効果的管理」の取り組み)

東京湾アマモ場再生活動への協力(IHI横浜事業所)

IHI横浜事業所は、2008年より「金沢八景東京湾アマモ場再生会議」が主催するアマモ場再生活動に近隣企業と共に参加しています。アマモ場再生活動とは、アマモの種を採取し、大きく育てたのちに海に植え、アマモ場を広げる活動です。アマモは「海のゆりかご」とも呼ばれ、小魚の隠れ家として生物多様性に貢献するとともに、光合成によるCO2の固定化にも寄与します。
(GBFターゲット8「気候変動対策」の取り組み)

在来種杉田梅の保護(IHI横浜事業所)

IHI横浜事業所は、立地する神奈川県横浜市磯子区杉田地区の在来種である杉田梅の保護活動を行っています。事業所内にある約3,000m2の空き地を活用して、2023年から毎年杉田梅の苗木の植樹を行っています。2025年1月現在で約40本の幼木を育てており、花を咲かせた幼木もありました。
(GBFターゲット4「種・遺伝子の保全」の取り組み)

生物多様性の生息環境の開示(IHI相生事業所)

IHI相生事業所は、相生湾と山林に囲まれた豊かな自然環境の中に立地しています。事業所面積の約7割を占める緑地において、動植物調査やグリーンインフラ整備などを通して、生物多様性のポテンシャルを確認してきました。2018年度に、一般社団法人いきもの共生事業推進協議会(ABINC)より「第6回いきもの共生事業所認証施設」として新規認証され、2024年度には認証を更新しました。
(GBFターゲット2「生態系の回復」の取り組み)

指標と目標

環境法令遵守状況

IHIグループは、環境に関する事故や環境法令違反などを減らし、その再発防止を目的に、グループ拠点で発生する環境事故などを適切に把握し、重大性の評価と発生の要因分析を行っています。
2024年度、経営に影響を及ぼす重大な環境事故・法令違反は発生しませんでした。

「地球環境の保全」の目標・実績(IHIグループ環境活動計画2023[2023〜2025年度])

(対象:IHIおよび連結子会社)

2025年度の目標 KPI 2022年度
(基準年度)
2023年度 2024年度
環境事故および環境法令違反の発生件数ゼロ 環境事故および環境法令違反の発生件数 年度目標 環境事故および環境法令違反の発生件数ゼロ 環境事故および環境法令違反の発生件数ゼロ
実績 0件 0件

環境事故と法令違反の発生件数

(単位:件、対象:IHIおよび連結子会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
重大な環境事故の発生件数 0 0 0 0
重大な環境法令違反の発生件数 0 0 0 0
罰金・違約金などを支払った件数 0 0 0 0

オゾン層破壊物質(ODS)排出量

(単位:t-CO2e、対象:IHIおよび国内関係会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
HFCs 469 281 443

揮発性有機化合物(VOC)排出量

(単位:トン、対象:IHIおよび国内関係会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
トルエン 39 48 48 52
キシレン 29 59 50 49
エチルベンゼン 6 37 39 40
メチルイソブチルケトン 0 0 4 6
テトラクロロエチレン 2 2 2 2

化学物質排出量・移動量

(単位:トン、対象:IHIおよび国内関係会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
排出量(大気・公共水域・土壌) 152 150 161
移動量(下水道・廃棄物) 85 93 63

有害廃棄物(PCB含有廃棄物)処理比率

(単位:%、対象:IHIおよび国内関係会社)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
高濃度PCB使用電気機器 99.9 100 100 100
低濃度PCB使用電気機器 94.0 97.5 94.9 91.3
安定器 58.8 69.5 83.7 99.7

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