教育・浸透
IHIグループは、安全保障貿易管理・調達関連法規に関する教育や内部監査に注力し、コンプライアンス強化を図っています。
IHIグループ内の調達部門だけではなく、調達関連法規の理解が必要な部門も対象に、調達プロフェッショナル育成研修として各種の講座を開催し、2023年度より新たに「調達部門向け安全保障貿易管理教育」、「中堅社員向けサプライチェーン・マネジメント教育」を追加しました。
e-ラーニングについては、グループ全従業員向け、グループ全調達担当者向けのそれぞれにプログラムを用意し、法令・ルール順守の徹底、最新の社会的要請の理解、法令・制度の知識習得ができる内容としています。
また、IHIグループの各調達部門は、下請法に関する月次の自主点検、輸入申告業務に関する年次の自主点検を行うことで、適正に業務が行われているかを確認し、改善を進め、加えて内部監査による改善指導も行っています。
「IHIグループ取引先行動指針」の周知・浸透
IHIグループは、「IHIグループ取引先行動指針」をウェブサイトで公開するだけでなく、通達文や説明会などを通じて既存のお取引先に周知しました。新規契約に関しては、本指針を尊重することが明記された基本契約書を適用します。また、2024年度から調達企画本部主導で合同セミナーを開催しています。テーマは、「人権・労働」(6月)に続き、「公正取引・倫理」(10月)および「カーボンニュートラル」(翌年2月)を予定しています。
人権リスク低減活動
IHIグループは、2023年度より「リスク低減活動」として、一般社団法人ザ・グローバル・アライアンス・フォー・サステイナブル・サプライチェーン(ASSC)の協力のもと、IHIおよびグループの関係会社構内に就労する請負業者が雇用する外国人技能実習生に対して積極的対話(直接のインタビュー)を実施しています。職場環境や労働条件における苦情を把握して、苦情の芽を早期に摘み取り是正していくことが目的です。
紛争鉱物を含む「鉱物資源の責任ある調達」
IHIグループは、紛争鉱物に関する取り組みを主導する団体Responsible Minerals Initiative(RMI)の趣旨に賛同しています。IHIグループは、当面の調査対象鉱物として、RMIの認定業者の多いスズ、タンタル、タングステン、コバルトを指定しています。これらの指定鉱物を含む全ての購入品が、RMIの認定する精製・精錬業者経由で製造されているかどうかを確認することが最終目標です。
調査対象の鉱物を含むジェットエンジン部品などの製品群を洗い出し、これらの製品群を製造しているお取引先にRMIの指定するフォーマットに基づく調査票を展開することで、調査と深掘活動を開始しています。調査対象は随時広げていく予定です。経済開発協力機構(OECD)の5 step Frame Workのガイダンスを尊重しながら、調達企画本部の指示のもと、発注担当部門が深掘活動を行っています。
また、お取引先に、「IHIグループ取引先行動指針」10.3項「鉱物資源の責任ある調達」にて方針を周知しました。
お取引先との相互繁栄
IHIグループは、2020年9月に「パートナーシップ構築宣言」に登録したことを公表し、それに基づきお取引先との相互繁栄を目指しています。
2023年11月に内閣官房・公正取引委員会連名で策定された「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を受けて、お取引先からの価格転嫁に対する取り組み方針を経営幹部に上げて決定し、その内容を織り込んだ形で「パートナーシップ構築宣言」を見直しました。また、お取引先からの価格転嫁の状況を定期的に経営トップに報告し、さらなる対応方針を示していく形としています。
IHIグループにとって、お取引先は事業を共に進めるパートナーであり、オープンな対話と連携を大切にして、共に競争力を強化し、共に繁栄していきたいと考えています。
パートナーシップ構築宣言