滋賀県東近江市主催の「ビワマスの遡上を見学するエコツアー」に参加しました
IHIは、11月20日に、滋賀県東近江市主催の「ビワマスの遡上を見学するエコツアー」に参加しました。
東近江市を流れる愛知(えち)川は、琵琶湖の固有種であるビワマスが、産卵のために約30kmという長い道のりを遡上する河川として知られています。ビワマスは「琵琶湖の宝石」とも呼ばれる美しい魚ですが、準絶滅危惧種として減少が懸念されています。その成魚は、毎年10月から11月にかけて生まれた河川に遡上して産卵し、そこで産まれた稚魚は、5月~6月の大雨で川が増水したタイミングで一気に琵琶湖へと下ります。
今回のツアーは、ビワマスの遡上観察を通じて、愛知川によって育まれる流域の自然と人とのつながりを体験することを目的として開催されました。IHIは東近江市と連携して「小さな自然再生」※1活動に取り組んでおり、この活動の背景にある愛知川について理解を深める機会として、IHIグループ従業員8名が本ツアーに参加しました。
- 1 小さな自然再生:地域住民等が主体となり、身近な自然を再生する取り組み
http://www.collabo-river.jp/about/

初めに東近江市の職員の方から、ツアーの主旨やビワマスの生態、愛知川が抱える課題について学びました。その後、愛知川の支流である渋川で、ビワマスの産卵状況の確認を試みました。渋川では、2021年から愛知川漁業協同組合が中心になって、ビワマスが産卵しやすい環境づくりを進めています。渋川の途中には砂防えん堤があり、毎年ビワマスの遡上時期に合わせてビワマスが遡上しやすいように簡易魚道を設置しています。当日は、産卵の跡は観察できたものの、時期が少し遅かったため、残念ながらビワマスは確認できませんでした。


最後に、東近江市の環境学習の場である「河辺いきものの森」を訪問しました。ここに隣接した農業水路は、2022年からIHIが東近江市と連携して取り組んでいる「小さな自然再生」活動の場であり、2024年10月には環境省の「自然共生サイト」※2にも認定されました。この水路の視察後、ツアーを企画した東近江市環境部森と水政策課の皆さんと、東近江市の豊かな自然をさらにより良いものにするためにIHIができることについて意見交換をしました。

参加した従業員からは、「東京の本社にいるだけでは、分かったようで何も分かっていないことを痛感した」「いろいろと調べたつもりだったが、現場に行って話を聞くのが一番良いと思った」などの声があり、従業員の自然環境への理解が深まることにつながりました。
IHIは「自然と技術が調和する社会を創る」ことを目指して、より一層生物多様性に配慮した事業活動を推進していきます。
- 2 「自然共生サイト」とは、「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を国が認定する区域のこと
【関連情報】
2024年10月2日お知らせ
IHI初、東近江市での自然再生活動が環境省「自然共生サイト」に認定
https://www.ihi.co.jp/all_news/2024/other/1201062_13686.html
滋賀県東近江市・愛知川流域農業水路にて自然再生活動を行っています
https://www.ihi.co.jp/sustainable/topics/2023/detail/1200842_13519.html
滋賀県東近江市にて、環境省の「自然共生サイト」認定証授与式と現地視察が行われました
https://www.ihi.co.jp/sustainable/topics/2024/detail/1201182_13712.html