DE&Iの推進
組織風土の醸成
IHIグループは、2024年度を「DE&I元年」として、従業員へのDE&I理解・浸透を図る研修や体験コンテンツを積極的に展開しました。具体的には、要望のあった部門に対してDE&I推進の必要性や職場づくりのヒントを学ぶ出張教室「DE&I白熱教室」の開催や、経営層・基幹職を対象としたDE&I教育プログラムの展開、全従業員を対象とした職場での対話ワークを取り入れた新しいe-ラーニングプログラムの展開などを行いました。また、グローバルの拠点をつないだ「全社員ミーティング」では、CEOが参加するパネルディスカッションなどを実施し、IHIグループにおけるDE&Iの必要性について従業員にメッセージを発信しました。
女性従業員の活躍推進
IHIグループは、中核人財として、女性従業員一人一人がより一層活躍できるよう、積極的な採用と育成、管理職・経営層への登用、活躍推進のための環境整備にそれぞれ目標を定め、取り組んでいます。
具体的には、上司による育成・コーチングなどの職場における取り組みのほかに、管理職一歩手前の女性従業員に対してのキャリア開発、先輩社員との対話の場の提供、社内外のメンターによるサポートをパッケージ化し、IHIグループの独自研修プログラム「キャリア・トランジットプログラム」として実施しています。
また、男女の賃金差異については、主に正規従業員において女性管理職比率が男性に比べて低いことに加えて管理職全体における上位職位に女性が少ないこと、加えて時間外労働を含めた労働時間が男性の方が長いことが主な要因となっています。これらの要因も踏まえ、今後とも、女性が活躍できる環境整備を推進していきます。
外国籍従業員の活躍推進
IHIグループは、国籍や文化を問わず多様な人財が働きやすく、その能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に取り組んでいます。
その一環として、国内では外国籍従業員を対象に、入社前の日本語研修や入社後の異文化理解研修、従業員同士のネットワーク構築を目的とした交流会を実施しています。さらに、外国籍従業員特有の課題に対応するため、相談窓口を設置するとともに、宗教的・文化的なニーズに配慮し、礼拝室を設置するなど、従業員が安心して働ける環境づくりを進めています。
海外現地採用従業員の活躍推進
IHIグループは、グローバル展開を加速していく目的で、その国の労働市場・慣行を考慮しながら、地域に根差した人財の採用を積極的に進めています。
また、人財育成・登用においては、各海外拠点・事業部門が現状やニーズに応じて立案した施策に対して、本社が一体となって実行を支援しています。
今後もグループ・グローバル全体で、人財が活躍できる基盤づくりを推進していきます。
障がいのある従業員の活躍推進
IHIグループは、障がいのある従業員の活躍を推進しています。採用活動では地域の障がい者就労支援団体、ろう学校などとの関係を構築し、実際の採用活動に結び付けています。
IHIは、1992年に本社に障がいのある従業員の活躍推進に特化した組織を設置しました。2018年から専門のサポートスタッフによる個々の特性に応じた支援を行い、仕事や会社生活全般に対する支援体制を整備することで、一人一人のキャリア開発を支援し、さらなる成長と活躍を促すための環境を提供しています。現在では、横浜・昭島・相馬の各拠点にも同様の組織を設置しており、活躍の場が拡大しています。
障がい者雇用の課題解決と、より良い人事施策の実行、グループ会社への支援などに生かすため、IHIは2013年度よりACE(Accessibility Consortium of Enterprises)に加盟しており、ACE会員企業各社と採用ガイドラインや雇用事例などの共有を行っています。このような障がいのある従業員の活躍・職場づくりが評価され、ACEアワード2024において「個人部門」と「環境づくり部門」を受賞しました。
性的指向や性自認にとらわれない職場づくり
IHIグループでは、性的少数者(LGBTQ+)の従業員が性的指向や性自認にとらわれず、持てる能力を最大限に発揮できる職場環境の整備を進めています。
一例としては、LGBTQ+アライ※1活動を展開しており、「全ての人のSOGI※2を否定しない、決めつけない、(本人の承諾なしに)広めない」というアライの考え方を普及することで、全ての人が働きやすい職場が実現できると考えています。国内グループ全従業員を対象としたe-ラーニングの実施、社内イントラネットによる情報発信などにより理解促進を図ってきた結果、アライ表明者は現在3,000名を超えています。
2024年度は、「東京レインボープライド2024」への協賛として初めて企業ブースを出展し、さらに経営幹部10名、有志の従業員およびご家族・パートナー90名の計100名でプライドパレードに参加しました。12月には、LGBTQ+啓発映画の監督・主演者が登壇してアライと交流するアライカンファレンスをオンラインで開催しました。
また、IHIでは各種人事制度も整備しています。慶弔見舞金や特別休暇などの福利厚生・勤務制度は、法的要件などで対象外となるものを除いて、同性パートナーにも配偶者に準じた扱いを適用しています。人事システムも整備し、ビジネスネームや自認する性別を原則とした労務管理をしています。また、ハラスメント相談窓口においてSOGIハラ※3に対する相談を受け付ける体制を整えるとともに、匿名でLGBTQ+支援の相談ができる窓口も設置しています。
- アライ(ALLY):「同盟」「支持者」の意味で、LGBTQ+を理解し支援する人。LGBTQ+当事者であるかは問わず、誰でもアライになれます。
- SOGI : 性的志向および性自認
- SOGIハラ:性的指向や性自認に関するハラスメント
両立支援制度
育児
IHIグループは、仕事と育児を両立するためのさまざまな支援体制を整えており、両立支援制度の周知と活用を呼びかけるため、育児休業者・男性従業員・管理職に向けて3種のハンドブックを作成・配布しています。また、育休復帰者とその上司、仕事と育児の両立に関心を持つ従業員を対象に、復帰後の両立生活やキャリアについて考える「育休復帰者研修」を毎年実施しています。さらに、事情やニーズに応じた支援を行うための外部専門機関を含む相談窓口を設置し、福利厚生として、育児用品の費用補助やベビーシッターサービスの法人契約を行っています。
その他、不妊治療のために利用できる制度を周知するためのリーフレットを配布し、子どもを望む従業員を支援しています。
介護
IHIグループは、仕事と介護を両立するためのさまざまな支援体制を整えています。具体的には、介護への向き合い方や両立支援制度の活用を紹介するハンドブックを作成し、新規入社者や希望者へ配布し、イントラネット上でも公開することで、従業員が誰でも介護に関する情報にアクセスできるよう図っています。
また、外部講師によるセミナーを実施しているほか、一人一人の事情やニーズに応じた支援を行うための外部専門機関による相談窓口を設置しています。
病気治療
IHIグループでは、反復・継続して治療が必要となる疾病を抱える従業員に対して、適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、フレックスタイム制度、定期的な通院のための勤務時間短縮制度、治療と仕事の両立支援窓口の設置などにより、治療と職業生活が両立できるように支援しています。これらの制度を活用することで、従業員が健康を維持しながら働くことをサポートしています。
ワークライフバランス実現のための制度
IHIグループでは、従業員がそれぞれのワークライフバランスを実現するために、さまざまな制度を設けています。
福利厚生
IHIグループでは、多様なメニューから従業員がライフスタイルに合わせて選択できる、自律選択型の福利厚生制度を提供しています。
福利厚生制度
2025年3月時点で従業員持株会に加入している従業員の割合は54.41%です。