DE&Iの推進
組織風土の醸成
IHIグループは、2024年度を「DE&I元年」として、従業員へのDE&I理解・浸透を図る研修や体験コンテンツを積極的に展開しました。また、IHIグループとして初の試みとなる、グローバルの拠点をつないで経営陣と従業員が直接コミュニケーションを行うイベント「全社員ミーティング」を開催し、CEOが参加するパネルディスカッションなどを通じて、IHIグループにおけるDE&Iの重要性についてメッセージを発信しました。
2025年度は、DE&Iが日常の業務において定着・習慣化することを目的に活動を展開しました。多様な人財の活躍の起点となる「安心して声をあげられる職場づくり」に焦点をあて、生産拠点において有識者を交えた講演会や対話の場を開催しました。また、企業統合をした会社においては、組織文化の融合を目的としたワークショップを実施するなど、職場の実態やニーズに即した取り組みを進めました。さらに、2回目の開催となった「全社員ミーティング」では、DE&Iを土台としたIHIグループが将来に向けて目指す組織文化について対話を行いました。
女性従業員の活躍推進
IHIグループでは、中核人財として女性従業員一人一人がより一層活躍できるよう、積極的な採用と育成、管理職・経営層への登用、活躍推進のための環境整備について、それぞれ目標を定めて取り組んでいます。
具体的には、上司による育成やコーチングなど、職場における日常的な取り組みに加え、管理職一歩手前の女性従業員を対象として、キャリア開発の機会の提供、先輩従業員との対話の場の創出、社内外のメンターによるサポートを組み合わせた、IHIグループ独自の研修プログラム「キャリア・トランジットプログラム」を実施しています。
これらの取り組みを通じて、管理職手前層におけるキャリア意識の醸成と育成を体系的に行い、女性リーダー層の継続的な輩出につなげています。
また、男女の賃金の差異については、主に正規従業員において女性管理職比率が男性に比べて低いことに加え、管理職全体に占める上位職位における女性の割合が少ないこと、さらに時間外労働を含めた労働時間が男性の方が長いことが主な要因となっています。これらの要因も踏まえ、今後も女性が活躍できる環境整備を推進していきます。
外国籍従業員の活躍推進
IHIグループは、国籍や文化を問わず多様な人財が働きやすく、その能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に取り組んでいます。
その一環として、国内では外国籍従業員を対象に、入社前の日本語研修や入社後の異文化理解研修、従業員同士のネットワーク構築を目的とした交流会を実施しています。さらに、外国籍従業員特有の課題に対応するため、相談窓口を設置するとともに、宗教的・文化的なニーズに配慮し、礼拝室を設置するなど、従業員が安心して働ける環境づくりを進めています。
海外現地採用従業員の活躍推進
IHIグループは、グローバル展開を加速していく目的で、その国の労働市場・慣行を考慮しながら、地域に根差した人財の採用を積極的に進めています。
また、人財育成・登用においては、各海外拠点・事業部門が現状やニーズに応じて立案した施策に対して、本社が一体となって実行を支援しています。
今後もグループ・グローバル全体で、人財が活躍できる基盤づくりを推進していきます。
障がいのある従業員の活躍推進
IHIグループは、障がいのある従業員の活躍を推進しています。採用活動では地域の障がい者就労支援団体、ろう学校などとの関係を構築し、実際の採用活動に結び付けています。
IHIは、1992年に本社に障がいのある従業員の活躍推進に特化した組織を設置しました。2018年から専門のサポートスタッフによる個々の特性に応じた支援を行い、仕事や会社生活全般に対する支援体制を整備することで、一人一人のキャリア開発を支援し、さらなる成長と活躍を促すための環境を提供しています。現在では、横浜・昭島・相馬の各拠点にも同様の組織を設置しており、活躍の場が拡大しています。
障がい者雇用の課題解決と、より良い人事施策の実行、グループ会社への支援などに生かすため、IHIは2013年度よりAccessibility Consortium of Enterprises(ACE)に加盟しており、ACE会員企業各社と採用ガイドラインや雇用事例などの共有を行っています。このような障がいのある従業員の活躍・職場づくりが評価され、ACEアワード2024において「個人部門」と「環境づくり部門」を受賞しました。
さらに、DE&Iの組織風土の醸成や職場づくり、従業員一人一人の活躍支援の取り組みが評価され、東京都が公表する令和6年度「心のバリアフリー」好事例企業に選定されました。
60歳以上の従業員の活躍推進
IHIグループは、シニア従業員のさまざまな場面での活躍を推進しています。従業員一人一人が満60歳から満65歳の間で自ら定年年齢を選択できる選択定年制度に加え、年齢にかかわらず挑戦を奨励し60歳以降においても昇進を可能とする制度を導入し、多くのシニア従業員が活躍しています。
2025年4月には、60歳以降の従業員の賃金を減額する仕組みを廃止しました。また、多様な働き方を認め、幅広い年齢層の活躍を促すため、60歳以降の従業員が週休3日制を選択できる制度を導入するなど、シニア人財のさらなる活躍を促す仕組みを整備しています。
性的指向や性自認にとらわれない職場づくり
IHIグループでは、性的少数者(LGBTQ+)の従業員が性的指向や性自認にとらわれず、持てる能力を最大限に発揮できる職場環境の整備を進めています。
一例としては、LGBTQ+アライ※1活動を展開しており、「全ての人のSOGI※2を否定しない、決めつけない、(本人の承諾なしに)広めない」というアライの考え方を普及することで、全ての人が働きやすい職場が実現できると考えています。国内グループ全従業員を対象としたe-ラーニングの実施、社内イントラネットによる情報発信などにより理解促進を図ってきた結果、アライ表明者は現在3,000名を超えています。
2025年度には、LGBTQ+の権利とDE&Iについての理解を深めるプライド月間(毎年6月)の取り組みとして、「Tokyo Pride 2025」へのバナー協賛を実施するとともに、有志の従業員およびその家族・パートナーがプライドパレードに参加しました。11月には、4回目となるアライカンファレンスを、株式会社東芝との共同開催として初めて実施し、当事者やアライ従業員によるトークと、オンライン参加者との意見交換を行いました。
また、人事制度の面では、慶弔見舞金や特別休暇などの福利厚生・勤務制度について、法的要件などで対象外となるものを除き、同性パートナーにも配偶者に準じた扱いを適用しています。加えて、人事システムも整備し、ビジネスネームや自認する性別を原則とした労務管理を行っています。ハラスメント相談窓口においては、SOGIハラ※3に対する相談を受け付ける体制を整えるとともに、匿名でLGBTQ+支援の相談ができる窓口も設置しています。さらに、2025年9月には「人事担当者向けLGBTQ+対応ガイドライン」を策定し、順次、人事担当者への教育を実施しています。
- アライ(ALLY):「同盟」「支持者」の意味で、LGBTQ+を理解し支援する人。LGBTQ+当事者であるかどうかは問わず、誰でもアライになれます。
- SOGI : 性的指向および性自認
- SOGIハラ:性的指向や性自認に関するハラスメント
多様な働き方の推進
多様な働き方を実現するのための制度
IHIグループは、従業員一人一人が働きやすい職場環境の下、それぞれのライフスタイルや価値観に応じて、仕事と生活を調和させながら働ける環境づくりに取り組んでいます。
育児とのバランス
IHIグループは、仕事と育児を両立するためのさまざまな支援体制を整えており、両立支援制度の周知と活用を呼びかけるため、育児休業者・男性従業員・管理職に向けて3種のハンドブックを作成・配布しています。また、育休復帰者とその上司、仕事と育児の両立に関心を持つ従業員を対象に、復帰後の両立生活やキャリアについて考える「育休復帰者研修」を復帰者本人とその上司それぞれに毎年実施しています。さらに、事情やニーズに応じた支援を行うための外部専門機関を含む相談窓口を設置し、福利厚生として、育児用品の費用補助やベビーシッターサービスの法人契約を行っています。
その他、不妊治療のために利用できる制度を周知するためのリーフレットを配布し、子どもを望む従業員を支援しています。
介護とのバランス
IHIグループは、仕事と介護を両立するためのさまざまな支援体制を整えています。具体的には、介護への向き合い方や両立支援制度の活用を紹介するハンドブックを作成し、新規入社者や希望者へ配布し、イントラネット上でも公開することで、従業員が誰でも介護に関する情報にアクセスできるよう図っています。
また、外部講師によるセミナーを実施しているほか、一人一人の事情やニーズに応じた支援を行うための外部専門機関による相談窓口を設置しています。
病気治療とのバランス
IHIグループでは、反復・継続して治療が必要となる疾病を抱える従業員に対して、適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、フレックスタイム制度、定期的な通院のための勤務時間短縮制度、治療と仕事の両立支援窓口の設置などにより、治療と職業生活が両立できるように支援しています。これらの制度を活用することで、従業員が健康を維持しながら働くことをサポートしています。
福利厚生
IHIグループでは、多様なメニューから従業員がライフスタイルに合わせて選択できる、自律選択型の福利厚生制度を提供しています。