今回はIHIグループの「材料技術」について、将来の社長が技術開発本部の材料・構造技術部の遊佐さんにお話を伺います。
将来の社長
ごきげんよう、遊佐さん。今日は「材料技術」について教えて。材料技術とは、ものづくりの原点になる材料に関するいろんな技術という理解で合っているかしら?
遊佐さん
その通りです。将来の社長。材料の特性をその微細構造(=組織)まで含めて理解し、それらを改善したり、新しい材料を開発するための技術です。
将来の社長
その技術のスゴイところが知りたいわ!
遊佐さん
それは、材料の特性を「サブミクロン」レベルまで観察・分析することで、材料を使う前だけではなく、製品として使用中に生じる組織変化も含めて捉えます。その変化を理解できれば、製品の品質向上や運用方法の改善も可能になることです。
将来の社長
サブミクロンって、どれくらいの小ささなの?
遊佐さん
1万分の1ミリです。
将来の社長
定規の1ミリを、さらに1万分の1にしたサイズということ!?回転技術の時も思ったけれど、あなたたち、さり気なくすごいことを言うわね...。
(未来もまわしていく回転機械技術
https://www.ihi.co.jp/ihiing/hot_topic/20240617-01.html )
遊佐さん
我が社には、さり気なくすごい技術がたくさんあります!こうした技術を活かし、製品の差別化につながる独自の材料開発も行っています。
将来の社長
これまでに、どんな材料を開発したのかしら?
遊佐さん
大手製鋼メーカーが相次いで導入した世界初の「IN鋼」の開発を行いました。IN鋼は、LPG船、橋梁、球形タンクなど幅広く使用され、一時は球形タンクの市場を独占していたんですよ。
将来の社長
「市場を独占」って、なんかカッコイイわね。
でも、これまで材料を使用して製品をつくってきたIHIが、どうして独自の材料を開発できるようになったの?
遊佐さん
それは、材料の組織レベルでの変化が、その材料全体にどのような影響を及ぼすかを調べる分析技術を積み重ねてきたからです。その結果、材料が望ましい組織状態となる元素の配合を探したり、組織を制御することで、より優れた材料を生み出すことができるようになりました。
将来の社長
実際に製品を開発して運用まで担うIHIならではの副産物とも言えるのね。ところで、材料技術が、カーボンニュートラルに貢献できることってあるのかしら?
遊佐さん
あります。従来機種・製品の脱炭素化を材料面からもサポートできるようになります。それには、「マテリアルズ・インフォマティクス」がキーになると思っています。
将来の社長
魔法の呪文みたい... どういう意味?
遊佐さん
これまで蓄積してきた知見やデータを、機械学習やAI技術を用いて、材料開発をより効率化、高速化することです。迅速かつ低コストの材料開発につながります。
将来の社長
インフォマティクスって、そういう意味なのね。これまでのいろいろな技術が土台になっているのね。
遊佐さん
はい。これからは、積み重ねてきた材料技術をデジタルで発展させていくことで、脱炭素社会の早期実現に貢献したいと思っています。
将来の社長
新しいことは、過去を踏み台にして、ジャンプすることから始まるのよ。これからも「技術と叡智」の精神で頼むわよ!
遊佐さん
はい。ジャンプし続けます!
将来の社長
IHIは、環境に優しい材料開発のために、
遊佐さん
今日も動いています!