• テーマ曲紹介
  • BGM・音声
  • OFF

IHIing

BGM・音声

HOTトピックHOTトピック

  • この記事をシェアする
  • Facebook
  • X
  • line

第3話:
クリーンな航空輸送へ!
IHIが目指す電動化とは!?

前話では、航空エンジン技術開発の難しさや国際協力体制について、将来の社長が航空・宇宙・防衛事業領域 企画管理部 事業企画・広報グループの飯塚主査にお話を伺いました。今回は次世代の飛行機開発に向けた挑戦について話を聞きます。

将来の社長
飯塚くん、航空エンジン、飛行機の話は面白いね!いくらでも話を聴いていられるよ。今後、我が社はどんなことに挑戦していくの?

飯塚さん
2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、次世代飛行機の技術開発を進めていきます。

将来の社長
今、空を飛んでいる航空エンジンをつくりながら、同時に次の開発をしているんだね?

飯塚さん
「今のこと」と「将来への準備」を同時にやっていかないと、商いとしては先細りをしますし、同時にやることで相乗効果も生まれます。

将来の社長
偉い! ボクなんて、今日の宿題で手一杯で、予習までは手が回らないよ。で、具体的にはどんなことをしてるの?

飯塚さん
エンジンの電動ハイブリッド化や、機体システム全体の電動化、SAFや水素など、新しい燃料を使えるエンジンの開発などで、CO₂排出を大幅に減らすクリーンな航空輸送を実現します。

将来の社長
ボクのお父さんも車は、ハイブリッドだよ。「航空エンジンの電動ハイブリット化」もエンジンにモーターを加えるの?

飯塚さん
そうです。パワーアシストとしてモーターを付けることで、例えば、地上にいる時や降下時など、エンジンのパワーを極限まで減らしたいところでモーターの力を借りて、燃料の消費を減らします。同時に、モーターは発電機としての役割も果たしており、飛行機全体で使う電力もつくり出して、燃料の消費を極限まで減らせます。

将来の社長
車の回生ブレーキみたいに電力もつくってるんだね!

飯塚さん
さすがは将来の社長、飲み込みが早い!

将来の社長
飯塚くん、1つお願いがあるんだ。キミたちの技術で、ボクのおこづかい消費も極限まで減らして欲しい!

飯塚さん
それは難しい問題ですね。我々の技術では解決できないかと...

将来の社長
ガッカリ...電力の話が出たから、「機体システム全体の電動化」についても教えてよ。

飯塚さん
一番わかりやすいところは空調システムです。飛行機は、機体が上空に達した時に地上に近い環境をつくり出しています。高圧コンプレッサで圧縮した空気を0.8気圧くらいまで上げます。しかし、その空気は高温ですから、冷やして快適な温度と湿度にしてから入れるということをしています。

現状の空調 現状の空調

将来の社長
えっ!? エンジンがエアコンの役目も果たしているの!?

飯塚さん
そうなんです。エンジンの立場からしたら、燃料エネルギーの一部を機体に使われちゃっているから、もったいないよねと。また、抜かれるから余計、過剰に圧縮空気をつくらなければいけない状況があります。だったら、それを電動モーターが担いましょうと。

将来の社長
じゃあ、エンジンからは抜かずに、モーターだけで空気を圧縮して、外の空気を取り込んで温度調整して機内に送るような別回路をつくるんだね。

電動化のイメージ 電動化のイメージ

飯塚さん
そうです。外からの新鮮な空気を圧縮する時に、機内から排出する空気を使ってモーターをアシストするので、エネルギー消費が少ない空調システムになります。

将来の社長
すごい技術じゃないか!

飯塚さん
もう1つ、燃料ポンプの問題も解決します。今は、燃料ポンプもエンジンの軸からエネルギーを取っています。シャフトに直結しているので、エンジンが速く回れば燃料ポンプも速く回り、タンクから燃料をより多く送り出すという仕掛けになっています。しかし、エンジンの速さと使う燃料が必ずしも一致するわけではありません。上空では速く飛んでいるから空気を速く送り出すために、エンジンの回転数も速くなっています。でも、パワー自体はそんなに必要ない。

将来の社長
車が高速道路を走っている時に、スピードは出てるけど、燃費が良くなるのと同じだね?

飯塚さん
その通りです。上空では「エンジンの回転数」と「必要なパワー」と「送られてくる燃料の量」がアンバランスになり、燃料が余分になります。じゃあ、どうするか。1回送り出した燃料を、またタンクに戻す回路を設けて、一部は戻しているんです。

将来の社長
出したのに戻すの? 複雑なことやってるんだね...

飯塚さん
ポンプが一生懸命に送り出した燃料が元に戻る過程で、余計な熱が発生するので、冷やしてからタンクに戻すという無駄も生じています。だから、ポンプを電動モーターに置き換えてあげれば、エンジンの回転とは関係なくなり、必要な時に、必要な量だけを送れるようになり、余計な熱も出ないし、余剰燃料を冷却する必要もなくなります。

現状の燃料ポンプ/電動化のイメージ 現状の燃料ポンプ/電動化のイメージ

将来の社長
問題を解決して解決して解決!一石何鳥なんだい!?

飯塚さん
5鳥くらいのメリットがあります。

将来の社長
マーベラス!よーし、この勢いで、「新しい燃料に対応するエンジン」についても教えてよ!

飯塚さん
はい。少しノドが渇きましたので、続きは次回に!

将来の社長
そうかぁ! ボクも興奮して、全身が渇いているな...近くに昭和チックな喫茶店を見つけたから、そこへ行こう!

(第4話へつづく。)

新着記事ing