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特集「産業インフラの新しい価値の創出を目指して」発刊によせて

執行役員 グローバル・営業統括本部長  二瓶 清

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2021年10月31日から11月12日にかけ,イギリス・グラスゴーにおいて国連気候変動枠組条約第26回締約国会議 (COP26) が開催されました.世界リーダーズ・サミットに出席した岸田首相はスピーチを行い,気候変動という人類共通の課題に我が国として総力を挙げて取り組んでいく決意を表明しました.
2006年にコフィー・アナン国際連合事務総長 (当時) が示した「責任投資原則 (PRI) 」において,環境 (Environment) ,社会 (Social) ,ガバナンス (Governance) を重視するESG投資が提唱されました.投資家,金融機関を含む賛同機関数および運用資産額がここ数年で急増しており,企業にESGに積極的に取り組み,環境・社会問題解決に寄与することが強く求められています.

IHIグループは2021年11月,「IHIグループのESG経営」を公表しました.将来のありたい姿として「自然と技術が調和する社会を創る」とうたい,「IHIグループは事業活動を通じて,社会課題の解決を果たし持続可能な社会を実現する」と定義しました.元来,IHIグループは経営理念として「技術をもって社会の発展に貢献する」,「人材こそが最大かつ唯一の財産である」を掲げ,社会課題の解決,産業インフラの構築・発展に貢献してきました.こうした経営理念に基づくIHIグループの事業活動はESG経営そのものであったということができます.従業員を含む全てのステークホルダーとともに,自分ごととして捉えた活動を通じ,今後も社会価値と企業価値を両立するESG経営を継続してまいります.
本号の特集は「産業インフラの新しい価値の創出を目指して」というテーマです.産業インフラの新しい価値とは何か.第一義はやはり人類共通の課題である気候変動への対策としてのカーボンニュートラル実現です.特集記事では再生可能エネルギー活用に対する取組みやIoT技術を活用した価値・サービス提供による環境負荷低減などの技術についてご紹介しています.
一方,ESGが多様性に着目し,その尊重や活用を求めているように,お客さまにも国情,官・民,業界・業種など多様性があり,それに即してさまざまな課題や目標が存在します.したがって,IHIグループがお客さまの多様性を尊重し,お客さま視点に立って価値の創造・向上を推し進めていくことが産業インフラの新しい価値の創出につながるものと考えます.そのためには,営業・技術を問わずお客さまとの接点を増やして丁寧にお話を伺い,お客さまの課題や目標を正確に深く理解し,お客さまにとっての真の価値は何かを徹底的に追究していくという姿勢が必要です.また,その実現のためにIHIグループはもてる技術と叡智えいちを結集し,お客さまと一丸となって取り組んでいきます.
新しい価値創出により「自然と技術が調和する社会を創る」ため,引き続き皆さまのご理解・ご支援を頂きたく,よろしくお願い申し上げます.